東ジャワパリーオオクワガタが羽化しました。
(以下ジャワパリー)
*カテゴリから入ると飼育過程などがつながります。
ちょうど1年前のGWに初齢で割り出し
11か月ほどかけてすべての個体が羽化しました。
前記事で期待した ”野外メス持ち腹”です。
メスは、発酵マット500ccのプリンカップに入れ
餌交換する間もなく、5か月ほどで羽化してしまい
その中にはメスと思い込んだオスもありました。
2018年10月5日 2本目の菌床交換
*♂幼虫体重は菌床2本目交換時に測定(2018.10.5)
↓ 1400ccマットの個体はちょっと小さい
蛹化~羽化
↓ 頭部の山型模様は、脱皮時の切り取り線(参考写真:ストリアータツヤ)
↓ 切り取り線に沿って脱皮(ジャワパリー)
↓ 19g幼虫が蛹化(2019年1月23日)
↓ 大あご内部に白い器官が見える
↓ 23g幼虫蛹化(体液が出て腹部が黒い)
↓ 21g幼虫蛹化直後(2019年2月3日)
↓ 頭部を腹部にまで曲げることで脱皮時に前脚が届く
↓ 白い糸状は気門の管
↓ 脱皮殻は後翅の邪魔ならないよう前方へ
幼虫体重との相関関係
ジャワパリーの終齢中~後期の幼虫体重と
羽化した成虫との相関は以下のようになりました。
*測定は小数点排除
↓ Pカップマット育ちのメス(35mm前後)
結果
↓ メスだと思ってプリンカップに入れたら・・・39mm台
↓ 16g=49mm台(添加マット)
↓ 21g=70mm前後(エノキカワラ・羽化後に☆)
↓ 22g=69mm台(エノキカワラ)
↓ 23g=71mm台(エノキカワラ)
↓ 19g=67mm台(エノキカワラ)
↓ 23g=69mm台(エノキカワラ)
↓ ♂は7頭を飼育(1死亡個体含む)
今回菌床で飼育した5頭は
まずまずの大きさになりましたがやはり中歯型でした。
幼虫体重は、菌床2本目交換時の体重であり
その後の増減は知るに至りませんが
23gあれば70mm前後が羽化するようで
仮に、26gあれば73mmあたりが狙えると感じました。
↓ 今回の最大71mm台
オスの大あごの変異が大きいクワガタムシは
蛹室から脱出できるだけの強度と
競合相手を排除するのに不利でない大あごの形であり
例えば中歯型なら、同種の中歯個体及びそれ以下の個体を
ターゲットにした形と思えます。
↓ 49mm台 39mm台
今回羽化した大きめの個体は
第一内歯はそれなりに前方に位置していますが
やはり、大歯型への兆候は見当たりませんでした。
↓ 大自然の意欲はここまでか?
↕ 立派な中歯型
羽化ズレについて
今回の飼育では雌雄の羽化ズレは5か月以上となりました。
飼育環境の違いはあるもののクワガタムシの雌雄羽化ズレは
種によっては珍しいことではありません。
雌雄性成熟までの期間の違いを考えると
羽化ズレは繁殖できるタイミングを作り出しているのではないかと
考えたりもします。
暮らしの痕跡
一般に、ジャワパリーの幼虫はよく暴れるといわれます。
確かに終齢中期くらいから移動が目立ち始め
一見、環境が気に入らず暴れているかのようにも見えますが
過去含め、私の飼育した限りでは坑道に糞を張り付けながら
ちゃんと成長もしていたためこのころの移動は
積極的なものとみなすこともできました。
やがて幼虫は蛹室を作り、その中で過ごす約2か月はほとんど動けづ
卵期と並んで防衛能力の低下するステージです。
↓ ほぼ同時期に前蛹(2019年1月撮影)
幼虫期に移動して残した暮らしの痕跡は
同種他種への存在アピールとなり防衛の一助となるなら
ジャワパリーは終齢の比較的早い時期から存在痕を残しながら
成長していく種ではないか?
そんな風にも思えてきます。
おまけ
ジャワ島には現在2種のパリーがいるとされています。
両種の分布境界線は複雑で、真の線は不明です。
また、ジャワパリーは他亜種とは少し違う風貌であり
仮に、西と東が混生する場所でも見つかれば
すっきりするかも・・・
↓ 左:クルビデンス(ブータン) 右:東ジャワパリー
↓ 左:東ジャワパリー 右:クルビデンス(ブータン)
↕ 左:東ジャワパリー 右:クルビデンス(ブータン)