マダラクワガタ Aesalus asiaticus は体長5㎟前後の小さなクワガタムシで
関西地方では標高約800m~の山地帯に分布します。
メスの頭部はオスより小さく、後脚脛節末端部付近の広がりが大きくなりますが
基本的にはオスメス似たような形態をしています。
↓ 参考画像 兵庫県産(標高約1000mで採集)
成虫はおおよそ5月中~9月に出現し、幼虫は(成虫も)赤枯れから発見されます。
兵庫県では1960年氷ノ山の記録が一番古く、他にも宍粟郡や美方郡での記録があります。
また、私がこれまで採集したのは標高約850m以上の山地帯でした。
2017年5月14日14時頃、県北部の標高400mにも満たない川原で
同行していたKさんが流木の上を歩くマダラクワガタを1頭発見しました。
念のため、コブスジコガネの仲間ではないかとも思い調べてみましたが
間違えるような種は見当たらず、Kさんが発見したのはマダラクワガタと同定しました。
↓ 流木上のマダラクワガタ
↓ 持ち帰り自宅で撮影
今回の発見は上流からの流木由来で突発的なものか
或いはそれ以前から分布していたものかは不明ですが
私が県下で確認したマダラクワガタ分布の最低標高になりますので、ここに覚え書きします。
種類:マダラクワガタ1頭
(後脚脛節の広がりからメスではないかと思われる)
日時:2017年5月14日14時ころ
場所:兵庫県北部の山中河原
標高:約380m
天候:曇り時々晴れ
気温:22~23度
状況:太さ約35cm長さ約100cmの広葉樹流木上を歩行中
参考文献:
きべりはむし 第28巻 第1号.兵庫県のクワガタムシ(1),2000年5月,兵庫昆虫同好会.
日本産コガネムシ上科標準図鑑
岡島秀冶・荒谷邦雄監修,松原典発行人:2012年6月26日発行.株式会社学研教育出版.