クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

PC版テンプレート画像は
朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

マキシムスマルバネ・7

2016-09-25 16:39:41 | マキシムスマルバネ(Thailand)

3年めに突入していた2013年秋生まれの

マキシムスマルバネがようやく羽化しました。



*カテゴリから入ると飼育過程が繋がります。


3年1化

3年1化に突入していたのは6頭で

羽化は、5月中旬から始まり

9月中旬現在、5頭が羽化を終えました。

35gあった最大幼虫は、標本にして67mm位になり

生体時にはそれより大きく感じました。






最後の1頭は現在も幼虫のままで

今、どうなっているかわかりません。


↓左:親ドイサケット野外・右:子供67~mm



前回オキマル記事で書いた

昨年秋から蛹室内で幼虫のまま過ごしていた

31gの個体は

6月に64mm台のオスになりました。












半年以上蛹室内で過ごしていた幼虫は

結構太く、力強く、

休眠中(?)思ったほどは減量しなかったと思われました。



狭い蛹室

マルバネクワガタの蛹室は

オオクワガタなどの作るそれと比べると

かなり狭いと感じます。


↓赤みがかったところが蛹室の外壁



また、蛹化前日の幼虫は屈伸することが出来

オオクワガタほどは

棒状に大きく長く膨張はしません。


↓蛹化近し



それがオオクワガタなら

蛹化にはまだ数日必要な状態に見えます。

この狭い蛹室は、体のすぐそばが側壁になるため

羽化時等に体制を整えるにも有効なようで

必要最小限の間取りといったところでしょうか。


↓腹部が丸く膨らみ 小判状になる 


↓蛹化直近



蛹室~羽化の一つの例として

蛹化前日の目測体長60mm程度のものが

蛹期33日を経て64mmほどの個体に羽化しました。

狭すぎないか? と思われる蛹室でした。


↓成虫64mmに対し、蛹室長75mm程度



また、一連の飼育では

蛹室を暴いたのが原因ではないかと思われる

死亡もありましたので

できれば暴かず自力脱出させるのが安全です。


↓前蛹で死亡


↓羽化不全




成虫の寿命

一連の飼育から~

未交尾のオスは約8ヶ月生存ました。





未交尾のメスは約 6ヶ月生存ました。



寿命に関しては

飼育下において

交尾させず、栄養価が高い餌を与えたことも

影響を与えたと思いますが

総体的にマキシムス

羽化から数か月生存可能な中命種のようです。


↓餌切れや乾燥時にはよく飛翔した


↓長生きメスのお尻から露出



お尻から産卵管(卵?・排泄管)の露出したメスに

オスを近づけても興味を示しませんでした。


↓メスに興味を示さない




参考:

下の画像は林道で発見したミヤマクワガタメスです。

こちらの露出は原因が異なりますが

体内から臓器・卵が露出しており

体の構造が伺えます。


↓好戦的




↓中短歯は意外と強い!




飼育お終えて

飼育スペースと管理能力の限界から

マキシムスの飼育はこれで一旦終了しました。


↓67台・61台・59台



↑↓一連のマキシムス飼育個体


↓左マキシムス・右ヤエヤマ


↓左オキナワ・右マキシムス



マキシムスマルバネ

産卵~幼虫の食性~成虫の寿命に至るまで

日本のマルバネより適応範囲が広く

単純にマルバネ飼育入門種とは

言い切れない気もします。

その癖の無さはある意味面白く

飼育するものにとって、冒険心を掻き立てます。

*注意! 現在は、特定外来生物に指定されています。

 


マキシムスマルバネ・6

2015-10-25 21:02:23 | マキシムスマルバネ(Thailand)

マキシムスマルバネの記事は今回で5回目になります。

カテゴリーのマキシムスマルバネから入ると繋がります。

今回はその羽化状況を。





羽化不全と死亡と腐敗

この春、乾燥気味になっていたマットに

水分補給を行なったのですが

いくつかの容器で水分が多すぎたようで

嫌な腐敗臭がしていました(9月22日)

ヘドロのようなあの匂いです。

そして、マットの異臭が強い傾向にある容器ほど

死亡・羽化不全個体の出現率が高く感じました。


↓羽化を直前に☆


幼虫のまま☆になっていた個体もいました。

↓典型的な羽パカ


↓メス 最終的に左上翅は右より小さくなりました



もともとマキシムス(終齢時)に使用したマットは

市販のカブトマットをふるいにかけたものであり

品質的には発酵・腐敗の余地があるもです。


水分過多に夏場の温度が手伝い、そういう結果を招いたわけで

注意が足らなかったことを反省しています。

しかしながら、マットそのものはマキシムスがよく育つ

相性のよいものであったと考えています。









ステージのバラつき

4頭まとめ飼いをしていた個体は

大きなバラつきなく羽化しましたが

それ以外のまとめ飼い・単独飼育したものについては

かなりバラつきが発生しています(下3画像9月22日)








↓窓を開けて様子を観察します





早いものは8月10日には蛹化しており

9月上旬あたりから順次羽化が始まりました。

一方では今も終齢のまま採餌している個体が6頭います。


↓こちらもまだ幼虫のまま(撮影9月22日)



幼虫と羽化時の大きさとの関係について

マキシムスの場合

幼虫時の最大体重が30gで64mm前後

35gで69mm前後の成虫に羽化するのではないかと

私は推察しています。




↓10月22日



↓↑10月23日午後



↓↑10月25日午前



10月25日現在

死亡確認=11頭(マット異臭強)
前蛹・蛹=3頭
幼 虫 =6頭
羽 化 =6頭(3♂3♀:MAX65mm位)


今も幼虫のままでいる6個体は、いずれ蛹化するのか?

それともホルモンバランス(幼若ホルモン・エクダイン)の影響で

蛹化のタイミングを逃したのか?

気になるところですが

全体的に大きな個体ばかりなので

前者であることを願っています。


↑↓左:マキシムス65mm位 右:オキナワ62mm位


マキシムスマルバネ覗き見・5

2015-08-10 00:12:18 | マキシムスマルバネ(Thailand)

今日、マキシムスマルバネの蛹室を覗いてみました。

こちらの種は先日のオキマルより

1か月ほど遅く羽化が始まりそうです。

ひとまず覗いたのは単独飼育2頭と、4頭まとめ飼いの分です。

単独飼育2頭の方は♂と♀それぞれ蛹になっていましたが

オスの方は黒くなって☆の状態でした↓



そして、4頭まとめ飼い容器(21g・23g・31g・34g)↓   



最初の蛹室=大きな蛹になっていました(♀)



↓ 次の蛹室に窓を開けたらまだ前蛹


あと1週間くらいで蛹化すると思われる生育ステージです




残りの2蛹室と未掘り出しの21頭も窓を開けるつもりでしたが

次も前蛹で出てくる可能性もあるので

安全のため覗き見を断念しました。


マキシムスマルバネ・4

2015-03-08 22:25:22 | マキシムスマルバネ(Thailand)

マキシムスマルバネ、最後の餌追加をしました。

↓ 上が追加前、下が追加後(市販のマルバネ類追加用マット使用)

↑ 今回は加水していないので 水分は気持ち少なくなりました。

 
飼育の方法は

単独飼育15頭・まとめ飼い①4頭・まとめ飼い②8頭の

計3パターンです。

単独飼育15頭のうち1頭は

発育に障害のある所謂ブヨブヨ病という状態でした。

↓発育に障害のある個体、卵巣らしきものが透けて見えます。


今回は体重を測ったので成長度合いをまとめてみました 。

n=27・管理温度15~20度

単独飼育   =・  
まとめ飼い①=・  
まとめ飼い②=・
 
死亡 =ブヨブヨ状態 
11g=
17g=
20g=
21g=・・
22g=・・・・
23g=・・
24g=
25g=・・
26g=
27g=
28g=・・
29g=
30g=
31g=
32g=
33g=
34g=

最も重かったのは34gで3つの飼育パターンにそれぞれ1頭ずつ出てきました。

↓ まとめ飼い① 掘り出したところ


28g以上の個体の出現率は

まとめ買い① が50%で最も高い結果となりましたが

全体でも37%、約3分の1以上が28gを超えるという

マキシムス本来の大型ぶりを見せつけてくれました。


↓ 右は、発育に障害をきたした個体



↓ 頭部



23g前後の個体は相対的に黄色味がかって見え、終齢後期にあると思えましたが

28gを超える個体はそれより若い印象を受けましたので

もう少し成長するのかもしれません。

また、死亡率は27分の1=3.7%と高くはないので

マットの不適合、それはなかった思います。



心配しながら使った市販のカブトマットの詳細は

「マルバネ・マット」のところに書いています。

↓ 親 野外品(撮影:2013年)


健康体とみられる幼虫は25頭になりましたが、この秋には無事羽化していると思います。

それまで様子を見守るだけ。

今日の作業は結構時間がかかりました。

私にとっては大仕事。

にもかかわらず いつものような腰の痛さはありません、万歳!


マルバネ・マキシムス・3

2014-11-02 19:13:28 | マキシムスマルバネ(Thailand)

今日、マキシムスマルバネをブロー容器に移し替えました。




なかなか時間が取れなくてマットと容器が準備できてからかなり時間が経過しました。

ずいぶんと窮屈だったろうなと思いながら掘り出してみると

前回の27頭は全て健在で少し安心しましたが、18Lコンテナの群は17頭入り

殆どの幼虫は中上部付近に集中しており、縄張り確保に苦労している印象を受けました。

そして、成長度合いにはややバラつきがありました。

一方、10Lコンテナ10頭入りの方は中下部付近で巣食っており

こちらは比較的よく成長していました。




1.8Lのブロー容器に基マットを少し入れ

その上に作成したマットを8分目くらいまでしっかりと詰めます。

*マットのことは「マルバネマット」のところで書いています。

そこに幼虫を1頭ずつ投入し、その上に軽くマットを追加。

これで終了です。




最終的な飼育の形は単独飼育のブロー容器は15本

10LコンテナBOXに4頭をまとめ飼い

18LコンテナBOXに8頭をまとめ飼い、計27頭となりました。





普通クワガタムシ幼虫の雌雄判別は

お尻から3節目あたりに一対の卵巣が見えるか否かで判別しますが

マルバネ幼虫は雌雄判別が困難です。










今回も卵巣確認しながら作業を行ないましたが

それらしきものがうっすらと見える個体はいたものの結局よく判りませんでした。

これから3月あたりまで18~20度くらいで管理して成長を促します。

夏には羽化する個体がいると思いますが

親を超える(69mm以上)大きな個体は出るか判りません。

ただ、オキマルより大きく育っている個体もいたので

65mmあたりは期待してもよさそうです。

次は、来年の2月くらいに追加のマットを入れて後は羽化を待ちます。

マキシムス親♂ 大あご①

大あご ②


マルバネマット・2

2014-10-19 17:34:57 | マキシムスマルバネ(Thailand)

マルバネクワガタのマットを作りました。

先日のマキシムスマルバネ用です。

27頭の終齢幼虫を確認してどうしようか迷ったのち、すべて飼育することにしました。

その為のマットを探していたら「マルバネ対応」と明記されたカブトマットを発見。

一度試してみることにしました。

このマットは、「マルバネの産卵から羽化まで全てのステージに対応した」とのことで

しかも10Lx5袋=3000円也!!

もしこれが本当にオキマルやマキシムスに使えるのであれば破格値です。

上手くいけば来年1月のオキマル追加マットとしても使用出来るかも。

↓ 飼育中のオキマル



早速開封してみると木片が混ざる一般的なカブトマット。

これを そのままマルバネに使ったのだろうか?

何種? などと思いながらさすがにこのままでは使えそうにないので 

ふるいにかけて目立つ木片を取り除きます。


↓ ふるいには結構大きな木片(左)が残りました。



10Lをふるいにかけると木片4:微粒子6くらいの割合になり

採れたマットの量はおおよそ30L強でした。

光の加減でマットの色が違って見えますが実際にはどれも同じです。



次に加水をします。

↓ 水分量は強く握って団子ができ、水がにじまない程度


↑まだ目が粗く不安は払拭できませんが

終齢幼虫の適応力に期待しつつ、試供マットの完成です。

後は個別に飼育するためのブロー容器が届く日を待ちます。

2時間ほどしゃがみっぱなしの作業で 腰が痛くなりした。


マルバネ・マキシムス・1

2014-10-09 20:25:30 | マキシムスマルバネ(Thailand)

見出しの画像は昨年撮ったマルバネクワガタです。




タイのマキシムスマルバネクワガタという種類で大きさは、67mmを超える大型です。

この種類は4つの亜種に分けられており

他には、コンフキス・フジタ・オオマルバネがいます。

オオマルバネは、台湾の種類で4亜種の中でもっとも赤みが強く綺麗な種です。

現地ではライトトラップや歩行個体

大木の洞で木質が土化するまで腐食して溜まった

「フレーク」と呼ばれるところなどで発見されます。

現地では丁度今ごろが発生期に当たります。

以前、現地で巨大な♂の蛹をみせてもらったことがあります。

↓ マキシムスマルバネクワガタ



今日、去年セットしておいたマキシムスの掘り出しをしたところ

27頭の終齢幼虫が出てきました。




恐らく来年の初夏には蛹になると思われます。

それは良いけど 数がい多い! 



スペースがない!  マットがない!

う~ん・・・全部は飼育できないので また 考えます。


↓ こちの画像は去年のチャイロマルバネ西表産



去年は結構沢山発生したようで 

石垣島産も合わせて3ペアをブリードトライしましたがあえなく撃沈でした。  

オキナワマルバネ・ヤエヤママルバネは産んでくれたのですが

このチャイロマルバネと、ペラルマトスマルバネはダメでした。