こちらは 最近ではあまり見られなくなったカズヒサツヤクワガタ(オス)です。
カズヒサツヤクワガタは
スマトラ島に分布する30㎜ほどの小型のツヤクワガタです。
鈍い緑色の金属光沢があり、大歯型がいないとされる種でもあります。
鈴木知之著「外国産クワガタ・カブトムシ飼育大図鑑(2005年6月20日発行)」によると
カズヒサツヤクワガタは
「昼から夕方にかけて1m以下の低い位置を飛翔し、
切り株から出たひこ生え、キク科の一種の草などに集まり、
茎の表面を齧り染み出た汁を吸う。」とありますので
このあたりが大顎の形の秘密かもしれません。
↓2003年8月
この時の産卵床は、マルバネに使った赤枯材粉末状に使用済みマットを混ぜました。
飼育中、メスはマットの穴から頭部を出していることがよくありました↓
この種はかなり特異な種でマットを団子状に丸めその中に産卵をします。
団子の中には1~数頭の幼虫が見られるのですが
羽化した幼虫にマットが合わないせいか全く成長せずに死んでしまいました。
↓ 初齡幼虫
↓ 結構大きな団子を作ります。
カズヒサツヤクワガタは2002年から幾度かブリードを試みたのですが
結果はいつも同じで幼虫は育たずに死んでばかりでした。
小型のツヤクワガタは相対的にブリードが難しいと言われており
たしかにそう感じました。
しかしながら 採卵から羽化までさせた事例もあるようです。
また、本種の野外生体入荷は昨年(だったと思う)にあったのですが
以前とは比べ物にならないほどの高額で取引されたのを覚えています。
チャンスがあればもう一度手を出したい種の一つです。
最後に 死亡確認後の腹部背面解剖写真を載せますが
一部内蔵が見えていますので閲覧はご注意ください!
体内には卵が残っていました。
以上 アナログ写真からの抜粋でした。
参考・引用文献:
鈴木知之, 外国産クワガタ・カブトムシ飼育大図鑑.
2005年6月20日発行. 株式会社世界文化社.