クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

PC版テンプレート画像は
朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

高山系クワガタムシ7種

2022-08-12 16:28:36 | ブナ帯のクワガタムシ全般

8月11日、Tさんとブナ帯を探索し

昼夜合わせて7種のクワガタムシを見ることができました。

また、チャイロスズメバチの昼夜観察も行いました。

チャイロスズメバチについては前記事

「標高1076mでチャイロスズメバチ飛来」に追記しました。

 

 

昼間の探索

日時:2022年8月11日 15:00〜18:50

天候:晴れ時々曇り 気温:25度前後

標高:約950〜1200m

↕ 巨大なブナの立ち枯れ根元でオニクワガタのオス発見

↓ 楓に着くミヤマクワガタのペア

↓ 樹液場に飛来したミヤマクワガタのオス(中央右下)

↓ 戦い敗れて落下

↓ ヤナギにてアカアシクワガタ

↓ 高山特有の小型スジクワガタ(オス・メス)

↓ 高山ではコクワガタの活動個体を見つけることは意外と難しい

↓ 標高約1076mにもノコギリクワガタ

↓ チャイロスズメバチ 標高約1076m

↓ 昼間の探索結果 リリース前の記念写真

 

ライトトラップ

日時:2022年8月11日 19:00〜22:00

天候:曇り時々晴れ 気温:20度前後 月と星あり

標高:約1076m

 

↓ だいぶ丸いが、今峰ライトで立ち向かう!

↓ 19:45 最初の飛来はミヤマのメス

↓ アカアシのオス

19:50 オニクワガタのオス飛来! これが一番うれしい!

↕ 同一個体

↓ 今年出会った複数の虫屋さんの成果と比較して、今峰製は強いと感じる

↓ コードに負けないくらい赤い!

↓ 服にも着地 ミヤマのメス

↓ ミヤマのメス

↓ ノコギリクワガタのメス

↓ ヒメオオと間違えそうなコクワガタ

↓ カレハガ

↓ 撤収はブロアーで

 

3時間ほどの灯火でミヤマクワガタ・オニクワガタ・ノコギリクワガタ

コクワガタ・アカアシクワガタの計5種が飛来しました。

この山でもオニクワガタの発生は始まっているようです。

 

↓ リリース前の集合写真

 

夜の樹液場

当夜は、ライトの光に干渉される位置に樹液の出る木が複数あり

昼間の探索でミヤマクワガタ・スジクワガタ・コクワガタ

ノコギリクワガタを確認していました。

それらが夜の光にどう反応するか試すため、そのまま触らず灯火を行いました。

 

 

22時頃に灯火を終了して、樹液場に行ってみるとミヤマクワガタが3ペアいました。

この3ペアは、昼間の様子と変わりありません。

しかしながら、他にも複数いたミヤマクワガタ(オス)や

ノコギリクワガタ(オス)の姿はなく、木に衝撃を与えても何も落下してきませんでした。

以前、雑木林でも同じようなことをしたのですが、今回も似たような結果になりました。

メスと餌場を確保したオスはにわかに移動する必要がなく

一方、あぶれたオスは光源等に向かって飛び立ったのかもしれません。

 

↓ ライトに反応しなかった夜のミヤマクワガタ

↓ ライトに来なかったミヤマクワガタ3ペア(後リリース)

↓ ノコギリクワガタは、いつの間にか姿を消した

↓ スジクワガタはあまり光に集まらない

 

当夜は、下山時にもところどころで樹木に着くミヤマクワガタを見ました。

そして、大きなブナの根元ではヒメオオクワガタのメスがいたりして

この季節、このブナ帯で見ることのできるクワガタムシ全8種のうち

7種を見ることができ、とても刺激の強い一日となりました(もう1種はマダラクワガタ)

Tさんお疲れ様でした。

↓ 22:48 ブナの根元でヒメオオクワガタのメス発見!


高山のクワガタムシ・10月ってどうよ?

2021-10-03 12:16:02 | ブナ帯のクワガタムシ全般

10月に入り朝晩肌寒くなってきましたが

昨日は天気がよく、山の麓では28度くらいありました。

気温は、標高が1000m高くなると5度ほど下がります。

 日時:2021年10月2日 12:30~19:00

 天候:晴 弱風  気温:23度前後

 標高:約850〜1010m

 

↓ 晴天満開!

 

この山では、アカアシクワガタは7月中ごろからぼちぼち出始め

遅い年では10月でも見ることができます。

しかしながら昨日は条件がそろっていたにもかかわらず

オス1頭しか発見できませんでした。

もしかしたら、他の採集者が入ったのかもしれません。

今どき「根こそぎ」するような採集者はいないと思いますが・・・

 

↓ 唯一発見できたアカアシクワガタ(オス)

 

一方、ヒメオオクワガタはメス2頭を確認することができました。

1頭は、深い茂みに落下して見失いましたが画像は残せました。

 

↓ 食み痕(ヒメオオクワによるもの)

↓ 木登り中のヒメオオクワガタのメス

↓ 風に揺れながら採餌中のヒメオオクワガタ メス

⇩ ⇩ 深い茂みに落下してさようなら

↓ リリース前の集合写真  

↓ カワラタケの生存競争

 

昨日高山帯で発見できたクワガタムシは

アカアシクワガタ♂1・ヒメオオクワガタ♀2の計3頭だけでしたが

Tさんとこれまで行ったことない場所へも入り込んだりして

5時間ほど探索を続けました。

林道沿い含め、斜面では

ヒメオオクワガタやアカアシクワガタを発見するのは

圧倒的に谷側が多いのですが

これは地形の関係上(斜面)

発生木は谷側になることが主な理由ではないかと思われ

比較的平坦な場所ではどちらの方向でも発見できます。

 

↓ 斜面では倒木は谷側に多くなりやすい

 

マダラクワガタのいる倒木では

幼虫10頭ほどと飼育用の赤枯片を採集しました。

倒木の状態は白〜赤へと移り変わる過程の部分もあり、量も豊富

また、誰にも見つからない場所であることなどから

当分の間は安定して繁殖が繰り返されるものと思えましたが

残念ながら、今回もツヤハダクワガタの発見はありませんでした。

 

↓ マダラクワガタ秘密の発生木

↓ 半赤枯れ部から多く発見できた

↓ 発見できたのはすべて終齢幼虫

↓ 10頭ほどと、朽ち木片を持ち帰り 

↓ そろそろ日が沈む

 

昨日は狭い範囲を時間をかけて探索しました。

はじめて入った茂みでは

ヒメオオクワガタによるものと思える古い食み痕がいくつもあり

また、起伏の激しい林床の向こうには

立ち枯れや倒木が思いのほか多いことも知りました。

 

 

おまけ

↓ 風の中、30分ほど照射(今峰HID75W大型) 気温17度

↓ ヒメヤママユ発飛来

↓ でた! いつものガムシ!

 

せっかくだからと軽い気分で一つだけライトを出しましたが

この日の風は、虫を寄せ付けませんでした。

 


高山のクワガタムシ・16-昼と夜のアカアシクワガタ

2021-09-26 21:40:35 | ブナ帯のクワガタムシ全般

昨日はTさんの案内で、今年最後のライトトラップをしてきました。

Tさん、ありがとうございました。

 日時:2021年9月25日 13:30~20:20:30

 標高:約750〜960m

 天候:日中曇り時々晴 夜間霧と風

 気温:日中約24度 夜間18度前後

この日の真の目的はヒメオオクワガタの新ポイント探しでした。

その山は、標高はもちろんのこと

ブナもヤナギ類も十分ある期待の持てる場所でしたが

結論から言うとヒメオオクワガタの発見はなく

短時間、3ヵ所でアカアシクワガタを30頭ほど確認するにとどまりました。

 

↓ ヤナギ群生はいっぱいあったが・・・

↓ この時期アカアシは日当たりの良いほうを好む

↓ 当日の最大は40㎜後半

↓ ヒメオオか?

⇩ ⇩ 残念、アカアシでした

 

アカアシクワガタ発生ピークは過ぎたものの

9月下旬でも高山では活動中の個体がたくさんいましたので

天候次第では10月に入っても活動を続ける個体がいるものと思われます。

 

 

昨日は、ヒメオオクワガタや

コルリ・ルリクワガタの痕跡こそ発見できませんでしたが

隣県でアカアシクワガタがたくさん集まる場所を見つけることができ

うれしい発見となりました。

 

↓ ルリ系の産卵痕を探し歩いたが発見できず

↓ 新ポイントで拾えたのはアカアシばかり すべてリリース

 

ライトトラップ

設営後しばらくしてミスト状の霧と風が吹きはじめ

20時を過ぎてもおさまる様子もなく

飛来する虫もまばらで気温も下がりました。

↓ ライトに複数飛来したモンスヅメバチ キイロスズメバチも飛来

↓ ヤママユ

↓ 涼しいところを好むクロウスタビガ わりと珍しい(初飛来)

↓ 20:30撤収!

 

今年最後?のライトトラップは、クワガタの飛来がありませんでしたが

わりと珍しい「クロウスタビガ」という種が見れたのでよしとします。

 

夜のアカアシクワガタ

ライト機材撤収後、夜のアカアシクワガタ観察をしようということになり

昼間のヤナギに行ってみました。

廻りに刺激を与えないよう静かに近づきヤナギをライトで照らすと

「いました、いました」昼間に落下させた個体たちでしょうか?

ヤナギにの幹を登っている個体や、高所の枝に付く個体がライトに照らされます。

アカアシクワガタもヒメオオクワガタ同様に

夜も活動するということが確認できた瞬間でした。

そして、終日お付き合いいただいたTさん、お疲れ様でした。

 

↓ ヤナギの幹を登るオス(21時21分撮影)

↓ 細い枝にはアカアシの食み痕

↓ 公衆トイレの窓に宙づりアカアシ生体

↓ ミヤマクワガタの死骸(エゾ型か?)

 

おまけ

ライトトラップ撤収時の秘密兵器を購入しました。

カマキリ達人のKさんは餌集めに「今峰製HID」を使用しています。

そして、

撤収時に機材に付いた虫をハンディブローであっという間に吹き飛ばし

さっとかたずけ車に乗り込みます。

その様子をはじめて見た時、効率良すぎで思わず笑ってしまいました。

 

↓ Amazonで本体+バッテリー(2ケ)+充電器=10917円也

 

本体・バッテリー・充電器別売で結構高くつきましたが

ブロアーのおかげで帰りの車内が快適になっただけでなく

機材や衣服に付いた昆虫の不自然な分布拡大を防ぐ効果も高まりました。

 

↓ シカの糞も一っ飛び!

↓ 撤収時の面倒な作業とさようなら


高山性のクワガタムシ・15-アカアシクワガタ

2021-09-06 21:34:00 | ブナ帯のクワガタムシ全般

Kさんと高山でアカアシクワガタを探してきました。

 日時:2021年9月5日

 天候:晴 無風

 気温:22度前後

 標高:約750〜1000m

 

 

数年前からその山に行く度にチェックしていたヤナギ群生があります。

しかしながら、クワガタは全く発見できませんでした。

ところが2年前から急にアカアシクワガタが沢山付くようになりました。

こういことはたまにありますが

ほとんどの場合長続きせず

短くてその年限り、長くても数年で付かなくなることが多いように思います。

おそらく発生木の状態変化によるものと考えますが

材割をしていないので本当のことはわかりません。

 

 

また、数年前にはこの高山の険しい斜面で

ヒメオオクワガタがある程度発見できたのですが

昨日はその姿はなく、真新しい食み痕もありませんでした。

そして、スジクワガタが沢山いたウリハダカエデも樹液が止まり

このエリアで発見できたのはアカアシクワガタだけでした。

 

↓ スジクワ・ミヤマ・ヒメオオも付くウリハダカエデ

 

私の活動エリアでは

アカアシクワガタは初夏から晩夏にかけてよく発見でき

過去には10月に入ってからも高山で見つけたことがあります。

 

高山に分布するアカアシクワガタやヒメオオクワガタは

自らの大アゴでヤナギなどの枝に傷を付け

染み出た樹液を吸汁するため

ミヤマクワガタやカブトムシなどのように

他の昆虫の穿孔に起因する樹液に頼らなくてもよいのです。

したがってアカアシクワガタやヒメオオクワガタは

それら昆虫の発生消長の影響はほとんど受けていないと思え

活動可能な気温とホスト木があれば餌にありつくことが可能です。

そのあたりの習性が高山でも遅くまで発見できる理由かと思います。

 

↓ 活動できる温度とホスト木があれば、お食事ができる

 

また、アカアシクワガタは

比較的標高の低い能勢や猪名川あたりの雑木林でも稀に発見することがあり

それらは普通にクヌギやコナラに止まっていたりします。

 ↓ 能勢の台場クヌギ(参考画像)

 

アカアシクワガタはヒメオオクワガタに比べ動きが敏捷で

樹木から落下してすぐ落ち葉等に入り込んだ個体の発見は困難ですが

仰向けや、暫くフリーズする個体はほぼ拾えます。

 

↓ 近くに良い発生木があるのか大型が多い

↓ 50㎜UPの太い個体

↓ 更に大きな個体、大アゴ半開きでざっくり測定

 

昨日は天候もよく、今年一番の大型個体も捕まえました。

アカアシクワガタは日本に広く分布する普通種ではありますが

初夏から秋口まで見ることのできるとてもえらい種です。

 

 


9月の山地帯、寒い夜と採集のコツ

2020-09-22 21:41:03 | ブナ帯のクワガタムシ全般

9月も後半になりました。

今回は、昨夜隣県で行ったライトトラップと

ヒメオオクワガタ・アカアシクワガタの採取方法の実際について書いてみました。

 

ヒメオオ・アカアシ採集のコツ

ヒメオオやアカアシなどの振動に敏感な種は、近づくだけでも落下してしまうことがあります。

苦労して見つけた1頭が一瞬で消えてしまう。

私は、そんなことを何度も繰り返してしてきました(今でもたまに)。

ましてやいきなり幹を蹴ったりすると

見えていなかった個体も含め一斉に落下し、全て見失うことさえあります。

ここからは自身の経験から実践している既知の方法の掘り下げで

それを「コツ」としましたが、実践して必ず成果が上がるという保証はありません。

あしからず。

山地帯のヤナギ等でヒメオオやアカアシを見つけたらその木には複数付いている可能性があります。

それらの基本的な捕獲方法は以下の2点です。

①見える個体を網などで静かに捕獲する。

②捕獲できない個体や、見えていない個体を落下させる。

問題は、②の落下させて捕獲する方法です。

幹を叩いたり蹴ったりして衝撃を与え落下させた個体を見つけること。

これが意外と難しいのです。

私は衝撃に強弱をつけて落下した個体を捕獲しています。

最初は軽めに衝撃を与え、落下すれば拾います。

2回目は最初より強く衝撃を与え、落下すれば拾います。

3回目はさらに強く、そして4回目はさらに強く・・・

こんな感じでその時に持つ個々の防衛本能の差異を利用して

その都度、少しずつ数回に分けて落下させるのです。

この方法は、単独行でも複数名でも基本同じです。

↓ 数回に分けて落下させる 2020年9月21日

とはいえ、一連のやり方を文字で見れば

あたかも繊細なコントロールをしているかのように感じるかもしれませんが

実際は簡単で、衝撃を徐々に強くしていけば

数回に分けて落下することがほとんどなんです。

↓ 2020年9月21日 

また、風の強い日は逆にしがみつくこともあるので

衝撃をやや強めにすることで風による揺れではないことを伝え

防衛行動(落下)へと促します。

↓ まずは、見える個体を静かに捕獲する 2020年9月21日

↓ 次は、見えない・捕れない個体を数回に分けて落とす

↕ 2020年9月21日

↓ 着水した個体は水流・水温の影響で体が固まることがある

ルッキング採集を1人で行う時はそれなりの経験とセンスがものを言いますが

複数名での採集は何かにつけて心強いものです。

見えない個体を狙う時は1人が衝撃打担当になり

他の人は枝先真下の林床が見える所まで離れます。

そして、耳を研ぎ澄ませながら広い範囲を漠然と見て

衝撃の合図を交わしながら落下音を頼りに場所を特定します。

どちらかというと、耳で見るみたいな感覚です。

落下場所(付近)が特定出来たらそこに辿り着くまで絶対目を離しません。

離してはいけません。

↓ 気温が下がると動きが緩慢で盛夏よりは発見しやすい

採集当初は落下を目の前にして見失うことがよくありましたが

これを徹底してからは落下した個体がすぐに隠れても

ほとんど探し当てることができるようになりました。

↓ 特定場所から目を離さず一目散!(過去画像)

また、落下場所が深い茂みなどで発見が困難と思われるときは

木々に刺激を与えないよう注意しながら遠回りして茂みに入り合図を交わします。

時には落下途中で茂みに止まることもあるので林床で見つからないときは

茂みを揺すると目の前に落ちてくることもあります。

中にはシートを敷くなどしてストライクを狙う方もいますが

手間暇かけて外れた時・・・えぇ~?

情緒が揺らぐので私は疾うに(とうに)やめました。

また、急な斜面や茂みで地面の状態がわからず嫌な予感が漂う時は

あきらめることが正しい選択です。

↓ 怖いと思う時はあきらめる

天候については、雨やそのあとでも木についていることはありますが

落下が雫に打ち消され発見率が下がることもあります。

↓ 本降り採集(過去画像)

上記の通り、既知の方法を基本として

 1.数回に分けて落下させること

 2.落下場所から目を離さないこと

この二つのことを覚えてからは単独行・複数名にかかわらず

採集当初と比べ捕獲率は格段に上がりました。

↓ 2020年9月

↓ リリース前の記念写真

 

寒い夜のライトトラップ

日時:2020年9月21日 18:45~22:15

標高:約900m

天候:曇りのち晴れ やや風多し

気温:14度±

 

この日はメンバーは6名です。

HID3機とハンディHID1機の計4機で行いました。

山中では夕方までは半袖でも動けば何とかなりましたが

次第に寒い夜へと変わりました。

↓ 両サイドの木をぬって・・・

ここで灯火をするのは初めてですが

同山の標高上下ではオニクワガタの飛来実績があり、季節柄期待していました。

また、ヤママユがよく飛来した付近でもあります。

↓ 前半は前の山を集中照射

↓ シラホシテントウ

↓ Yさん撮影中

ここからの画像は、Yさん提供

↓ おしゃれなクワコ? 蚕の系統? 

↓ おそらくヨツボシモンシデムシ

↓ ハムシの仲間

↓ 小型のゾウムシ

↓ 枝に止まった大きめの蛾を捜索中

昨夜の山中は14度前後にまで気温が下がり灯火の天敵、風も吹きました。

残念ながら飛来した虫は僅かでクワガタも来ませんでしたが

談議に湧き、時間は過ぎていきました。

皆さん、寒い中お疲れ様でした。


高山性のクワガタムシ・13-下見

2020-08-08 23:42:22 | ブナ帯のクワガタムシ全般

今日は、用事が早く済んだので

次のライトトラップの場所探しを兼ねて

高山帯に行ってきました。

残念ながらヒメオオクワガタの姿はありませんでしたが

アカアシクワガタ等はよく発生していました。

 

 

日時:2020年8月8日 14:30~17:00

天候:曇り 気温:26度前後 時々風

標高:約650~1010m

 

☆この記事は画像中心になります。

 

↓ 標高約650m エゾ型のミヤマクワガタ

↕ 同一個体 体長66mm台

↓ カミキリムシの産卵痕  標高約650m

↓ バッコウ柳の洞に潜むコクワガタ

↓ 初めてのルートでアカアシのメス 標高約680m

↓ 標高約850m ミズナラにてミヤマペア

↕ 小型のペアでした ↕

↓ アカアシが多い柳

↓ 標高約1010m スジクワガタのオス

 

今日は時々強めの風が吹いていたので

アカアシはいつもより枝にしがみつく傾向があり

強めの衝撃で順次落下させました。

 

↕ アカアシ29頭・ミヤマ3頭・スジ1頭

↓ 腹面がきれい

↓ 本日唯一のスジクワガタ  オス

↓ リリース前の集合写真

 

今日採集したクワガタムシは

ミヤマクワガタのオス1頭を残し

その他は全てリリースしました。

 

↓ 標本用に1オス持ち帰り

↓ 数年後には産卵場所となるブナの半生木

 

今日はこの夏初めての高山帯でしたが

比較的低いところで

エゾ型のミヤマクワガタが発見できました。

また、落下したアカアシは何頭か見失いましたが

よく発生していることもわかりました。

そして、これまで進入したことのない方向で

アカアシや、ライトトラップの候補地も見つけることができ

おもしろい時間を過ごせました。

 

 


高山性のクワガタムシ・12ーオニクワ再飛来!

2019-10-01 23:44:49 | ブナ帯のクワガタムシ全般

場所:鳥取県山地帯

日時:2019年9月28日 14:00~21:20

天候:時折曇り時折晴れ 気温:麓で28度 夜間:20度くらい

標高:約700~970m

画像:多め

 

昼間

山に出かけるときは必ず現地の天気を調べます。

ところが最近の予報はサイトごとに異なり

手軽に調べることができる反面

利用者を混乱させます。

当日も各サイト大筋で雨が降るとしていましたが

完全に外れました。

 

↓ 最近の天気予報はどのサイトもスベル。

 

 

荒れた林道を進み、いつものポイント付近に車を止めます。

ネット片手にしっかりじっくり見ていきますが

林道から見えるホスト木には全くいません。

いつ探しても同じ結果です。

 

茂みを分け入りいつものポイントに入ると

ヒメオオクワガタがいました。

そーとネットを近づけ捕獲成功。

45mmほどの比較スレのないオスです。

 

↓ 画像中央上付近ヒメオオクワガタ

 

 

今度はTさんに合図を送り、木に衝撃を与えると

落ちました、アカアシが。

えっ? アカアシ? しかも2♂ 

ここ周辺はアカアシの薄い場所と思っていたのに・・・

 

更に衝撃を与えるとまた落ちました。

現場は急な斜面のため落下物を見失ってしまいましたが

アカアシだった可能性はあります。

 

↓ 真新しい食み後

 

同一木にヒメオオクワガタとアカアシクワガタが付く

私の経験ではこういった現象が起こると

次第にヒメオオクワガタの発見が難しくなる傾向にあります。

発生木の限界でしょうか?

 

↓ 1本の柳にヒメオオ、アカアシ

 

この後、車の入ることができない林道を歩いて探索しましたが

日没が近づくためこれといった成果もなく引き返しました。

 

↓ 基の場所へリリース

 

オニクワガタまた飛来! 

今年最後?のライトトラップ

10月を前に気温も下がり始めているので

当日は標高を下げ

700m付近でライトを点灯しました。

 

 

当夜は薄手のカーデガンを羽織れば寒くなく

恐らく気温は20度くらいあったと思われ

予想以上に虫は飛来しました。

特にヤママユの飛来はかさ高くも綺麗で

しばし撮影に没頭しました。

 

↓ ヤママユ

↕ 時期的に多いのか?

↓ 黄土色系も大きく美しかった

 ↓ この時期はバッタ類も多い

 

昆虫はそこそこ飛んできますが 

クワガタは飛んでこないので

そろそろ撤収しようかと決めた時

Tさんがオニクワガタを発見しました。

これでオニクワガタの飛来は2回目になります。

前回は8月24日 標高約940m(初飛来)でした。

オニクワガタの飛来は

ライトを55wから最新75wに替えてからになります。

そして、それ以来どこで点灯しても

カメムシの飛来数も明らかに増えました。

 

↓ オニクワガタ♀

↕ 同一個体

↓ 下方のカメムシには肩に緑のラインが入る

 

私の行動範囲内では

オニクワガタの活動最盛期は

8月上旬頃〜9月上旬くらいまでと認識していましたが

当山ではこの時期でも元気なメスがいることや

標高700mあたりにも生息していることが分かり

大きな収穫となりました。

 

 おまけ

9月14日 県北部標高約950m

 ↓ 桜と思われる木からスジクワ9頭

↓ 9頭が付いていた

 ↓ ライトトラップ〜風が強すぎて短時間で終了

 

↓ ノコギリカミキリ(モドキ?)

 

 9月23日 県北部

標高600~1000m Kさんと

↓ 台風の翌日

↓ 標高約600m

↓ スジクワガタ ♀ 標高約600m

↓ スジクワガタ♂ 小型・大型 標高約600m

↓ ノコギリクワガタ  標高約600m 

↓ ↓ ↓

↓ 標高約1000mにて

 

今年もあと少しでシーズン終了です。

週末になると崩れやすくなる天気の周期も

そろそろ終わり

高山の秋は深まります。

 

 


高山性のクワガタムシ・11-昼と夜

2019-09-10 22:37:26 | ブナ帯のクワガタムシ全般

日曜日にTさんと県北部周辺の高山帯で探索をしてきました。

今回は、画像中心になります。

 

日時:2019年9月8日 15:30~21:00

標高:約905~1050m

天候:晴  気温:麓で32度くらい 夜間:半袖で寒くない。

 

昼間の様子 

昼間はルッキングです。

残念ながらヒメオオクワガタの姿は見ることはできませんでしたが

沢山のアカアシと、スジクワガタを発見することが出来ました。

 

↓ 山地は秋の気配がきれいで。

↓ 見つけずらい

↓ アカアシクワガタのペア

↓ 逆さに落下した時はさほど動かない

↓ アカアシは、足から落下した時はすぐに潜る

↓ スジクワガタは衝撃強めで落下する

 ↓ ↓ ↓ 

↓ リリース前の記念写真

↓ リリース。アカアシは2週間前より増えていた

↓ 路上にアカアシ♂、昔はヒメオオクワガタがよく歩いていた

 

夜の光

当夜はライト点灯直後から虫が集まり始めました。

月は半月より大きめです。

↓ 点灯直後

↓ アカアシクワガタ♀飛来

↑ 点灯直後に飛来したので近くを飛んでいた個体と思われる

↓ ものすごいことに

↓ 正体は・・・カメムシ(5種)と羽アリ

↓ カメムシだらけ これは近づけない!

↓ ↑ 大きいのが女王アリ

↓ 風が吹くと昆虫は飛翔をやめる

↓ 風が止んで飛翔再開

↓ コクワガタ♀

↓ コクワガタ♀

↓ 糞虫(♀)

↓ コクワガタ♀

 

ポータブル電源

夜の光は

これまでは車のシガソケットから電源をとっていましたが

今回からはポータブル電源に切り替えました。

理由は車への負担軽減と設営場所の選択肢を広げるためです。

気になるバッテリー能力は

点灯が18時51分~バッテリー切れ20時19分

1機で1時間28分使用できました。

単純計算で2機なら約3時間使用できることになり

私には十分です。

 

↓ suaoki s270 75WHIDで約1時間半使用できた

↑ コンパクトで軽く、手のひらに乗せることもできる

↓ 2機で約3時間使用できる 

 

今回も画像中心の記事になりましたが

山地帯のクワガタムシは

他の昆虫の穿孔による樹液に頼らない種がいるため

活動は後しばらく続きます。

 

↓ 昼間のブナ帯


高山性のクワガタムシ・10

2019-08-12 23:42:23 | ブナ帯のクワガタムシ全般

昨日、大阪のTさんと県北部に

高山性クワガタムシを探しに行ってきました。

夜は今年初のライトトラップも行いました。

 

日時:2019年8月11日 14:00~22:45

天候:晴  気温:麓で35度 時折弱風

標高:約650~1050m

↓ 標高650m付近 洞にコクワガタ

 

遅めの食事を中腹で済ませ

ヒメオオクワガタのポイントに向かいました。

そこは急な斜面で、左に滑るとセーフ。

右に滑ると戻っては来れません。

「滑ったらあかんで!」

自分にも言い聞かせながら急斜を下ります。

目的のバッコウ柳は2本

枝には山ブドウが生い茂り

何が何だかよくわかりません。

とりあえず一人が下部に廻り、一人が木に衝撃を与える

いつものチームプレーですが

残念ながらヒメオオクワガタはいませんでした。

 

↓ 腐食が進みすぎた発生木 

↑ 数年にわたり近親繁殖が行われていたと思われる

 

気を取り直しさらに標高を上げていきます。

 

↓ アカアシクワガタ発見

ここからはアカアシクワガタのオンパレードです。

↓ 本気で挟むとなかなか離さない

↓ Tさん挟まれる。 コクワガタの2倍痛いらしい。

↓ これで当日最大 まだまだ小さい!

↓ ヤブデマリでミヤマクワガタペア発見!

↓ 久しぶりのエゾタイプ 

↕ やや大きめ

↓ 一緒にいたメスは小さい

 

昨日の探索ではヒメオオクワガタの発見はありませんでしたが

久しぶりにエゾタイプのミヤマを採集できたのでラッキーでした。

当山で発見できるミヤマクワガタ♂は

時々エゾタイプが混ざります。

 

 

ミヤマクワガタ♂の大アゴ出現型は

温度が関係しているといわれることもありますが

標高300mにも満たない比較的温暖な猪名川変電所付近で

立派なエゾタイプを採集したり

北部の標高1000m付近同所で

基本型・エゾの2タイプを採集したこともありますので

歯型は、遺伝によるものではないかと考えています。

 

ライトトラップ

当夜は月が大きく、明るい空でした。

気温は、半袖でも寒く感じない温度です。

最初に設営した1000m付近は

ロケは良いのですが風が強く

30分ほどで撤収しました。

暗闇の中、標高を850m付近まで下げ

今度は谷間を照らしました。

 

早々の飛来はミヤマクワガタのメスでした。

次にコクワガタのメス。

更にミヤマのメス。

 

 

その後クワガタの飛来が止まったので

ライトのスイッチを切りました。

 

↓ フェロモンによるカメムシの集合

↓ 触るな危険 毒あり

↓ 人面柄のゴマフボクトウ

↓ よくできた形、カマキリモドキ

 

以上 昨日の高山探索でした。

捕獲したクワガタはエゾタイプのミヤマクワガタと1メスを除き

全てリリースしました。

Tさん、お疲れ様でした。


高山性のクワガタムシ・9

2018-08-13 15:16:38 | ブナ帯のクワガタムシ全般

2018年8月4日・12日

山地帯でクワガタムシを探してきました。





2018年8月4日

時間:15:30~

場所:鳥取県 標高・900~1000m

天候:晴れ・日中平地37度前後 ・夜間25度前後
   

まず、昨年発見したヒメオオクワガタの

ポイントに向かいました。


少し広いところで車を止め

静かに茂みに入ります。

ここは2種のホスト木が群生するため

慎重に1本づつ探していきます。





茂みをかき分けかき分けヤナギに到着

最初のヤナギでヒメオオクワガタのオスを発見。


↓ 中央やや右上に1オス


↓ 45mmほどの中型


↓ 腹部に喧嘩のあと



幸先の良いスタートです。

ところが2~3~4本・・・ 

他の木には全くいません。

食み痕も新鮮には見えず

結局発見できたのは最初の木から1オスのみでした。


↓ 撮影の後はリリース



北海道や北のほうでは

ヒメオオクワガタはそこそこ出ているようですが

やはり西ではもう少し後に数が増えてきます。

そして、今年は暑すぎる。


~夜間はライトトラップ~




ライトトラップを終えて下山時に

昼間のヒメオオクワガタポイントに行ってみました。

LED頼りにヤナギを軽く叩と

2つの落下音。

すかさずその方向を探しましたが

正体を付きとめることはできませんでした。

恐らくヒメオオクワガタであったと思います。


2018年8月12日

時間:14:30~

場所:鳥取県 標高約900~1000m
   兵庫県 標高約650~1015m

天候:晴れ時々曇り・終日多湿 
   麓日中35度前後

4日と同じポイントにTさんと向かいました。

前回より数が増えているのではないかと思ってましたが

結果は小さなオス1頭でした。


↓ 小さなオス発見


↓ 採集後にリリース



やっぱりまだ早い!

その代り

違う場所でTさんがま新しい鮮明な食み痕を発見しました。

9月になればその木に複数集まる可能性があります。


↓ これは去年の食み痕


 
余時間の隣県

日の暮れにはまだ早いので

距離はありましたが県北部に車を走らせ

そこを当夜のライトトラップ場所としました。


夕方までの間、クワガタ探索をし

マダラクワガタ・アカアシクワガタ

スジクワガタ・コクワガタ・ミヤマクワガタ

を見ることが出来ました。

そして、マダラクワガタは少し持ち帰りました。


↓ マダラクワガタのいる赤枯れ




↓ マダラクワガタの幼虫(恐らく終齢)






↓ アカアシクワガタの溜まり場


↓ 画像中央よりやや右上にアカアシクワガタ


↓ アカアシクワガタ ペア









 




↓ 全部リリース


↓ ミヤマクワガタのメス


↓ 標高約650m スジクワガタ



探索ではアカアシクワガタはどのポイントでも見られ

よく発生していましたが

ヒメオオクワガタはまだ見ることが出来ませんでした。


*4日・12日両日のライトトラップは

 別途覚え書きします。


高山性のクワガタムシ・8/北陸

2017-09-14 23:16:39 | ブナ帯のクワガタムシ全般

北陸の山地帯を中心に

Tさんとクワガタ探索をしてきました。







9月9日

場 所:福井県~岐阜県
 
時 間:13:40~21:30

天 候:晴れ 気温:平地で31度








まず、向かったのは福井から岐阜につながる峠です。

林道は頂上付近で900mほどありました。

峠はではヤナギ類やヤシャブシ、ウリハダカエデなど

ヒメオオクワガタやアカアシの付く木を沢山見て回りましたが

それらしき食み痕をわずか見つけただけで

生体の発見はありませんでした。

ダムからダムへとかなりの距離を走った昼間探索でした。


ライトトラップ

夕方からは

岐阜から福井につながる別の峠(最標高約900m)を

探索しながらライトトラップの場所を探しました。


福井側で開けた河川敷を発見

標高は400mと低めでしたが

照射範囲が広かったので今宵の灯火はここに決定!

コンビニ弁当で腹を満たして、しばしの休憩です。


↓ 集まりはまずまず


↓ 日没直後からクワガタが飛来








↓ 羽アリにまみれる






↓ 羽アリだらけ







たまたま場所が良かったみたいで

早々にクワガタムシが飛んできます。

コクワガタ・ノコギリクワガタ・アカカシクワガタ

なぜかミヤマクワガタはやってきません。

この谷ではノコギリクワガタが優先しているようです。

しかもほぼ♀

よく活動したと思われる個体の中に

少しだけ綺麗な個体が混ざります。

コクワガタも♀ばっかりでした。


↓ よく活動したノコギリ♀






↓ やっとノコギリ♂






↓ ヤママユ


↓ 一番の大物! カマキリモドキ








↓ カマキリ


↓ ツノトンボ










日没から順調に飛んできたクワガタでしたが

21時ころになぜか飛来が止まったため

明日のことを考えて

設営を終了し、峠を再び走ることにしました。


↓ リリース途中



峠の距離はナビでおおよそつかめていたのですが

実際に走ってみるとかなりの距離です。

標高も高いところでは900mくらいになり

ヤナギ類が沢山見えてきます。

道端をLEDで照らしながら車を降りたり乗ったり

じわじわ動かします。

かなり目を凝らしたつもりですが

ヒメオオクワガタ等の食み痕を見つかることなく

麓に出ました。


それにしても長い峠でした

麓からは宿泊先にまっしぐら!


↓ ご宿泊先の「九頭竜道の駅」街灯にて



9月10日

場所:石川県北部山地帯

時間:9:30~16:10

天候:晴れ 気温:平地で30度

今日も良い天気です。








この日、予定した山は

ある区間自由な探索がでないことが判明!

しかたなくその手前の川沿いに立ち寄りました。

それでも標高は、700mほどあります。








↓ ヤナギに付くアカカシクワガタ


↓ 落下





川沿いでの探索を終えた二人は

再び同山別ルートに向かいました。











目的地に到着し、車を降り

標高約650m~1200mの林道を歩いて探索します。





↓ バッコウヤナギがとても多い山


↓ ヤシャブシ


↓ カワヤナギ


↓ 栃の実


↓ バッコウヤナギに絡まる葡萄





片道3キロほどを徒歩しながら

かなりの数のヤナギ類・ヤシャブシ・ヤブデマリ等を

しつこく見て回りましたが

新らしそうな食み痕のある木は2~3本だけで

クワガタムシの姿もありませんでした。


今回の北陸山地探索では

残念ながら昼間のクワガタ発見はアカカシのみでしたが

訪れた山を検索するとどの山にも

ヒメオオクワガタがいるようです。

それは採集者によるものではなく

登山者による記事が殆どでした。


今回見て回った幾つかのヤナギ自生場所では

人の入った形跡があり

タイミングによっては

ヒメオオクワガタやアカカシクワガタが

発見できるの場所だったのかもしれません。





高山性のクワガタムシ・7

2017-09-02 22:11:55 | ブナ帯のクワガタムシ全般

前記事2回は、スズメバチが灯火に飛来したことを書きました。

今回は、両日探索の様子を簡単にまとめました。




D山

日時:2017年8月20日 13:30~

場所:兵庫県北部

標高約約700~1100m

天候:曇り時々晴れ

気温:麓で32度 夜間23度前後


この山は

近年ではヒメオオクワガタもアカアシクワガタも

ルッキングで発見できる確率は大変低くなっています。






↓ 林道を歩くミヤマクワガタのメス


↓ ヤナギに付くクワガタ密度は非常に低い



↑↓ ヤナギ根元に潜んでいたアカカシ


↓ スジクワガタ


↓ ウリハダカエデに隠蔽する大きなナナフシ



↑↓ スジクワガタ




↓ スジクワガタ


↓ 日没直後





↑↓ ノコギリクワガタのメス


↓ 近づけない状態


↓ 羽アリでアカアシクワガタの写りが悪い



昼間のルッキングではなかなか発見できないアカアシですが

灯りにはやってきます。

兵庫県に分布するヒメオオクワガタやアカアシは

人目に付かないところでひっそり暮らしています。

それが、良いところです。

↓ コクワガタのメス






↓ コクワガタのメス


↓ 近くの池からガムシ





帰りの山中街灯 

↓ ノコギリクワガタのメス










↓ コクワガタのメス




B山

日時:2017年8月27日 14:00~

場所:兵庫県北部

標高:約700~1000m

天候:晴れ時々風

気温:麓で30度前後






C山

B山とC山は実質連続した山になります。

数年前にC山でアカアシクワガタを見つけていたため

まずはC山に向かいました。

C山は、B山よりヤナギが多く、探しがいがあります。

↓ オス発見



あわよくばヒメオオクワガタを・・・

と欲張りながら探して回り

2か所でアカカシを4頭




残念ながらヒメオオクワガタの姿はありませんでした。


B山で洞に3種11頭

次はB山に向かいます。

こちらの山は

ヤナギ類が年々少なくなっており

ヒメオオクワガタの発見も難しくなった場所です。

そのため反対の斜面にまで探索範囲は広がります。


直径30cmほどあるバッコウヤナギの根元付近の洞で

Tさんがクワガタを見つけました。

洞は樹液も出ています。


↓ バッコウヤナギの洞


↓ かき出してみるとアカアシのメス



アカカシは

たまに樹皮の隙間や洞に入っていることがあります。

スジクワガタは北部山地帯の普通種で

小さな個体が大半を占めるのが特徴です。


↓ 樹皮に付くスジクワガタのオス

↑ 洞の外にはスジクワガタのオスが付いており

洞内部には数頭の黒いものが見えていました。

更に見えにくい隙間をごそごそしてみると

次々と小さなスジクワガタが這い出してきて

最終的には一つの洞から3種11頭のクワガタが出てきました。

これには驚きです。




↓ 洞にいた3種、この後スジ1頭追加



この人気の洞で最も大きかったクワガタは

47mmほどのコクワガタでした。

*探索で見つけたクワガタムシは
 出来るだけリリースするよう努めています。


B山のライトトラップ






当夜は気温が下がり、時折り風も吹きました。

虫の集まりはよくありません。


↓ オオミズアオがやってくると何故かホットする



21時を過ぎても虫の集まりに変わりはなく

長袖でも寒いくらいになってきました。

そこで300mほど標高をさげて再設営してみると

さっきよりは集まりがよく

短時間で珍しいものが飛来してくれました。


↓ 再トラップでレアなツノトンボ飛来


↓ 前記事のモンスズメバチ
 

↓ 下山途中に出逢った蛾を集めているとういう方のトラップ





9月に入り、朝晩は少し肌寒くなってきましたが

8月の山地で一足先にそれを感じてきました。


高山性のクワガタムシ・6

2017-08-07 23:47:30 | ブナ帯のクワガタムシ全般

林道通行止め

2017年8月6日 15:00〜

天候:晴れ 気温:麓で35度・時折り強めの風

標高:1000~1200m位







一番得意としている県北部の山地帯

林道は先シーズンの大雪のせいで今でも通行止めになっていました。

仕方なく南斜面から登山して目的の北斜面に向かうこととなりました。

目的の斜面にたどり着くには事前の調査で片道約2時間かかります。




3人は、リュックと網を持って登山口に入ります。

最初はさほどキツイ道もなく、余裕で進みましたが

「遊歩道気分」は間もなく消え、今日は筋肉痛に見舞われています。



↓ 巨大杉、裏側には仏像が納められたいた

↓ 登山道1100m付近でヒメオオクワガタ発見40㎜









途中ヒメオオクワガタに気力をもらい

やっとのことでポイントに到着したのは17時過ぎ

帰りのことを考えるとのんびり探索する訳には行きません。

近くのポイントだけを急いで回ります。


↓ アカアシ発見





↓ ゆすっても落ちてこないやつ コクワガタ

↓ 樹皮にうずくまり死亡していたアカアシ

↓ 50㎜超え

↓ 一部持ち帰り 

↓ コブヤハズ



昨日の探索は、短い時間ではありましたが

ヒメオオクワガタをはじめ、アカアシや、コクワガタも見ることができました。

そして、やっとのことで戻れた夕暮れのアスファルトに

暫くへたり込んだ3人でした。





ライトトラップ

まだ少し重い腰を上げ、下見しておいた場所に向かいます。

今年のライトトラップは山口県で3回、岡山県で1回

今回で5回目になります。




昨夜は台風の影響もあってか

時折り強い風が吹くため集まりは良くありませんでした。

↓ 月!!

↓ アゲハモドキ 蛾





↓ オオミズアオ 

↓ 20時過ぎ ミヤマメス 立て続け









21時30分、撤収!

ハードな一日、お疲れ様でした。


高山性のクワガタムシ・5

2016-10-09 00:43:37 | ブナ帯のクワガタムシ全般

3連休初日、北部の山地帯に行ってきました。

天気は終始曇りで、時折り強風でしたが気温は高く、麓では30度ほどありました。

恐らく1000m付近でも25度くらいあったと思います。





コクワとスジ

比較的低い(600m以上)場所の広葉樹の樹皮下や洞では

コクワガタとスジクワガタがまだ活動中です。

↓ 樹皮を歩くスジクワ



このあたりでも平地と同じように一つの木に2種は混生しています。

もちろん良い場所はコクワガタが占優します。

↓ 門番中のコクワガタ



画像を撮ったあたりは比較的標高が低いので

スジクワガタの小ぶりな大歯型がたまに見つかります。

↓ 樹皮下にいたスジクワペア



標高を上げるにつれオスは小さくなっていく傾向にあります。

また、標高の高いところで朽ち木から出てくるコクワガタの終齢幼虫は

大型であることが珍しくありません。

おもしろい現象です。


アカアシクワガタ

盛夏には沢山いたアカアシクワガタですがもういませんでした。


古巣でヒメオオクワガタ

長らく見ることのなかったポイントでヒメオオクワガタを見つけました。

しかも2個所です。

恐らく近くによい発生木が出来たのでしょう。








一つ目は20年ほど前にはヒメオオクワガタが占有していたポイントで

たまに見るアカアシクワガタが新鮮に思えた場所です。




ところが10年ほど前からポイントはアカアシクワガタに入れ替わり

ヒメオオクワガタの姿は全く見れなくなっていました。

そして、今年の盛夏も多くのアカアシクワガタが集まっていました。

↓ 根元にコクワガタ?

↓ 近づいて見るとヒメオオクワガタ!

↓ 異なる木にも・・・

↓ 降りてくるのを待ちます

↓ 途中で静止


2つ目のポイントは谷筋を下ります。




この谷筋は、水の音が聞こえる湿気の多いポイントでした。

ここでは確実に20年以上ヒメオオクワガタを見ていません。

この谷は、山ブドウが特別繁栄しており

目視ではヒメオオクワガタを発見することが難しかった場所です。

複雑に絡み付き、生い茂る山ブドウのせいで

どの木に付いているのかさえわらないまま、ただただ木をゆすり

落下する個体を拾っていた思い出の場所です。




そして、古い古い食み痕から樹種を特定できたのは数年前のことです。

↓ 緑の木にも!(ウリハダカエデ)



昨日発見したのはなぜかオスばかりで

他のポイントでもメスの姿を見ることは出来ませんでしたが

何かしら懐かしいものを見たような

そんな気持ちで一つずつリリースし、山を下りました。


高山性のクワガタムシ・4

2016-08-07 21:01:34 | ブナ帯のクワガタムシ全般

昨日、大阪のTさんと北部の山地帯に

ライトトラップを兼ねたクワガタ探しに行ってきました。



日時:2016年8月6日・15:20~23:20

天候:晴れ・一時小夕立

気温:麓35度  現地24~29度

標高:600~1000m


スジクワガタ

この山にはスジクワガタがかなり広範囲に棲息しており

平地から1000mあたりでも見つけることが出来ます。

ただ、山地帯の個体は相対的に小~極小個体が多く

1000mあたりで30㎜を超える大歯型を見つけたこはありません。


↑↓ 600m付近で見つけた大歯型29㎜(左)

↑ 1000m付近ではあまり見かけない3サイズ


また、標高の低い600m付近では

スジクワガタとコクワガタが同じ洞・樹皮下にいることもありますが

標高を上げるにつれ、樹木に付くコクワガタそのものを

発見するのは極めて困難になります。


↓ 様子をうかがうコクワガタ

↓ クワカミキリとコクワガタのメス

樹皮の隙間にノコギリクワガタ




アカアシクワガタ

前回に引き続き そこそこの数を見ることが出来ました。

前回はオスが多かったのですが今回はメスの数も増え

雌雄半々といったところでした。





↓ 標本用にフルセット持ち帰り




ヒメオオクワガタ

この山ではまだ少し早いようですが2メートルほどの若いバッコヤナギを見ていたら

隣の緑の木に張り付く黒いものを発見!



オスです。

落下しても見失わないよう網を受け、撮影終了。




この緑の木は当山に沢山自生しており

過去にはミヤマクワガタも付いているのを何度か見ました。

この木は普通種にも関わらずいろいろ検索しても種名が判らず

未だに緑の木と呼んでいます。


今回も急斜面を下ったり、藪漕ぎもしてヒメオオクワガタを探しましたが

発見できたのはこの1頭のみでした。


↓ 44㎜ほどの綺麗な個体





このオスは現在飼育中のメスとペアにするため今回は持ち帰りました。





ライトトラップ

今日の夕焼けは特別きれいでした。










最初は1000mのところでオニクワガタ、大型ミヤマ等に期待したのですが

アカアシのメスしか飛んでこず、急きょ場所を変更、暗い林道を下りました。

そして、標高850mあたりで再設営。





ライトを設営中にすぐ横のヤナギでTさんがアカアシクワガタのメスを発見しました。

アカアシ・ヒメオオは夜間でも木に付いていることはあります。







時間は21時を過ぎました。

再設営してしばらくすると黒い大きなものがガードレールに当たります。

オッ! と思いながら見に行くと ガムシ!



大きさと色形がクワガタのメスに似るため昨夜は何度も振り回されました。


↓ この山はガムシがい多い?


ガムシは22時を過ぎたあたりから活動が鈍くなります。


コクワ・ノコ・ミヤマの飛来
 
再設営をしてから間もなくコクワガタのメスが飛来してきました。

そして、またメス1頭飛来

2頭のメスが飛来してきたのは21:30~22:00くらいの時間帯でした。

時を同じにしてノコギリクワガタも飛来してきます。

さほど大きな個体ではありませんが元気で勢いのあるやつです。


↓ 大型









そして、コクワ・ノコより少し遅い時間帯にミヤマクワガタの飛来がありました

メス、オス立て続けの飛来です。





標高を下げて再設営すると

オニクワガタやヒメオオクワガタなどへの期待は薄れますが

その代りに普通種の飛来する確率は高まります。

それはそれで面白いものです。





↓ 意外と少ないほぼ完品! 







時間は23時を回りました。

昼夜の採集個体を確認した後、一部を残し、あとはリリースして山を下りました。