クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

PC版テンプレート画像は
朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

カマキリ大作戦!

2023-09-17 22:26:31 | カマキリ

日時:2023年9月17日 12:15〜17:56

天候:晴れ  気温:30度前後

今日は、カマキリ名人Kさんと、Fさんの案内による「カマキリ大作戦」です。

追記:2023年9月26日「ムネアカハラビロの大移動」 

 

ヒナカマキリ

Fさんの案内で北部のとある林床にやってきました。

ここには体長20㎜前後のヒナカマキリがいます。

ヒナカマキリは羽が退化して飛べません。

地上で暮らすとても小さなカマキリです。

↓ 林床に紛れたヒナカマキリを見つけるのが難しい

↓ やっと発見!

40分ほどの捜索で、3頭のヒナカマキリが接近した場所で見つかりました。

ヒナカマキリは落ち葉と同じ色で、しかも小さく

目には見えていても動かなければ見つけるのは難しいです。

また、高い気温のせいもあってか

動きも早いので落ち葉の隙間に入り込むと一瞬で見失います。

↓ メス3頭捕獲

まずは、第一目標であったヒナカマキリを見つけることができ

少し遅めの昼食をとり、次の目標に向けて中部へと移動しました。

 

ムネアカハラビロカマキリ

カマキリ名人Kさんの案内で2オス3メス捕獲できました。

こちらは近年移入してきた外来種で、分布拡大勢力は感じるものの

いまのところ発見できる場所は限局的です。

↓ 中央部にメスがいる

↓ 色の濃い個体から薄い個体までいろいろ

Fさんによると、手に取った感触はオオカマキリより力強く感じるそうです。

ムネアカハラビロカマキリは、このエリアでは少なくとも8年以上前に確認されていますが

毎年新たな移入があるとは考えにくいため

仮に、分布のルーツが1卵嚢からとすると、8代以上累代を重ねていることになります。

 

その他在来種

この場所ではムネアカハラビロカマキリのほか

オオカマキリ・チョウセンカマキリ・コカマキリも見つけることができましたが

在来種であるハラビロカマキリの発見はありませんでした。

↓ オオカマキリ

↓ コカマキリ

↓ チョウセンカマキリ

「カマキリ大作戦」で発見できたカマキリは

ヒナカマキリ・ムネアカハラビロカマキリ

オオカマキリ・チョウセンカマキリ・コカマキリの計5種でした。

特に前者2種は、Fさん・Kさんの案内なしでは見つけることのできない種です。

ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

追記:2023年9月26日

ムネアカハラビロの大移動

2023年9月26日、ムネアカハラビロカマキリが

物流ルートに乗って移動した事例に遭遇したので追記します。

9月25日に岐阜県(A)から発送され、京都府倉庫(B)を経由して

兵庫県(C)に到着した荷物(パレット積載品26日着)に

ムネアカハラビロカマキリが付いているのを私が発見しました。

Yahoo!地図でみるA・B・Cそれぞれの距離は

A〜B=約137㎞・B〜C=約20㎞(チャーター便)・A〜C=約157㎞でした。

ムネアカハラビロカマキリは物流ルートに乗り

短くて約20㎞、長くて約157㎞も移動したことになります(Yahoo!地図より)

↓ 荷下ろし時にフィルム内側でカマキリ発見!9月26日午前8時40分

今回の事例は偶然の重なりかとは思いますが

結果として、ムネアカハラビロカマキリは短時間で大移動しました。

↓ 岐阜便でやってきたムネアカハラビロ(オス)


ムネアカハラビロカマキリ・3

2017-11-13 23:41:08 | カマキリ

2017年11月12日

Tさんとムネアカハラビロカマキリを探しに行ってきました。


↓ 参考画像(2016.10)



今回はカマキリに詳しいKさんが同行できなかったため

電話やラインでやり取りをしながら探しました。


日時:2017年11月12日  15:20~17:00

場所:兵庫県昨年と同所

天候:曇りがちの晴れ

気温:18度前後


今年は、昨年発見した休耕田がぬかるんでおり

蒲の勢いが強く

アワダチソウは隅っこに追いやれていました。






日がさした時だけ温もりを感じた昨日は

飛翔する昆虫もほとんど見られず

また、アワダチソウの開花もピークを過ぎていました。


↓ アワダチソウ終盤


↓ くしゃみがいっぱい出た~間違いなく”害来種”



上着を羽織り

周辺のアワダチソウを入念に探して回ると

草本で静止するトンボやハムシなどはそれなりに見つかるのですが

カマキリ・バッタ類は見つかりません。

少し遅かったのでしょうか?




↓ 餌はある




↓ 働き終えたオオスズメバチ



目に止まるアワダチソウや草本をくまなく探して回りますが

ムネアカは見つかりません。

また、在来するカマキリも見つかりません。


↓ アワダチソウにチョウセンカマキリの卵鞘


↓ 広葉樹の枝にチョウセンカマキリの卵鞘


↓ これは別物



今日は見つからないかも・・・

畑・休耕田の調査を終え

日当たりのよい山際に差しかかって間もなく

クヌギ若木の枝に目が止まりました。

おっ! 卵!

ありました、ムネアカハラビロの卵鞘。


↓ 地上2mあたりのクヌギの枝にて(小ぶり)







ムネアカは、今年もこの地で生存していました。

ここ数年Kさんが毎年生体や卵鞘を排除していますが

絶えてはいないようです。

また、同地で在来のハラビロカマキリ生体や卵鞘は

まだ見つかっていません。


カマキリのことはよく知らない私ですが

ここは観察好きの本能が突き動かされる場所であるため

来年はもっともっと時間を費やしたいと思っています。


最後に

これまでに採集したムネアカハラビロカマキリの

生体及び卵鞘は、Kさんにゆだね

適切に処理されているため

再び野外に出ることありません。

↓ 参考画像(2016.10)





ムネアカハラビロカマキリ・2

2016-10-16 22:07:42 | カマキリ

今日はカマキリに詳しいK氏と 

ムネアカハラビロカマキリを探しに行きました。
(以下ムネアカ)


このムネアカについては

過去記事の「新しいカマキリ」で少し書きましたが

その時は画像が少なく、

肝心の胸部腹面なども掲載できていませんでした。


↓過去記事画像



今日は前回より多く画像を残しましたので

それを中心に書いてみました。

日時:2016年10月16日
   14:00~15:20

場所:兵庫県・日当たりのよい所 

天候:晴れ

気温:26度前後




現地に14:00到着

山際に自生する広葉樹を探して回りました。

基本的には樹上性の種だそうで

地上から2~3メートルの枝先や葉を重点的に

くまなく探してみましたが見つかりません。

この時期になると餌となる昆虫もさほど多くなく

また、花を咲かせている木も

ここにはほとんどありません。

本来、

花のところにはカマキリにの餌となる昆虫が集まるため

探索のよい目印になるのですが

この時期に花は少し厳しいようです。


外来種と外来種

山際には黄色い花を咲かせた

セイタカアワダチソウが自生?しています。

セイタカアワダチソウは外来種で

繁殖力が強く

花粉症の原因の一つにもなるといわれている

キク科の植物です(以下アワダチソウ)。


↓セイタカアワダチソウ



餌に乏しいこの季節

「アワダチソウには昆虫が集まっているので
もしかしたらムネアカが見つかるかもしれない」

休田に群生する背丈1メートルほどの

アワダチソウを探してみると

ハチをはじめとする沢山の昆虫が飛来しています。

探し始めてすぐカマキリ発見!

私はハラビロとムネアカの同定に自信がないため

少し離れたところにいるK氏に「これは~?」と聞くと

「あっ!それっ!」

あっさりメスを発見しました。


外来種が外来種に頼る

何とも皮肉な実情です。


↓中央部






↓落下




本来、樹上性が強いとされる種ですが

発見したのは地上80cm位のところ。




この季節、或いはこの地の環境では

樹高を下げざるを得なくなったのかもしれません。

このまま毎年繁殖を繰り返すうち

生活場所が在来種とより均衡し

競合は激化するのではないかと感じました。


その後、更にメス1頭を発見。


↑↓よく隠蔽している




Kによると

「どちらの個体も一度産卵しているが
まだ産卵する可能性がある」

との事でした。


↑↓この個体は、腹部側縁が薄緑





また、同所でチョウセンカマキリの卵鞘も発見したので

最低でもここでは2種の混生があります。


↓チョウセンカマキリの卵鞘


↓足元は「ひっつき虫」の思うつぼ




緑のコカマキリ

画像は、今週庭で発見したコカマキリです。




今日、カマキリついでにK氏に画像を見せると

「わっ!、緑のコカマキリ!」

コカマキリの緑化型は

めったに見ることが出来ないそうです。

栄養失調のハラビロくらいに思っていましたが・・・

知らないということは恐ろしいですね。


↓内縁刺の基部は一本おきに黒い


まだ庭内にいるかもしれないとのことなので

また探してみます。

↓通常の体色






最後に

本日採集したムネアカ2メスはK氏の手元で管理され

再び野外に出ることはありません。

また、現地で卵鞘も探したのですが

残念ながら発見するに至りませんでした。


コカマキリ

2014-10-19 14:28:18 | カマキリ

バナナの鉢植えでコカマキリを見つけました。






恐らく以前見つけた個体だと思いますが

前回見つけた時より大きなっています。

それにしてもよくできた形態と色模様

バナナの葉っぱ上では目立ちますが

生い茂る草木の中では

捕食者や捕食されるものからは見えていても

気付かれないというわけです。




午前中の気温が低い時間帯に発見したせいか 

動きが緩慢でした。




30分ほどして再び見に行くと 

お尻から何やら白いものが・・・



産卵かとも思ったのですが 

そうでもなかったようです。  

しばらくして見に行くと 

白い物は有りませんでした・・・?

近くにはコオロギの幼虫がいました。

黒塗りでなかなか渋いです。

このコオロギ 食べられる運命なのか? 


様子をうかがう

2014-09-23 10:00:13 | カマキリ

今朝庭で見つけたカマキリです。




葉っぱの隙間から 何やら様子を伺っています。

光と影の中 少し不気味な気配が漂います。


こちらを 見ています、それは携帯の画面です。

食べられません。




大きな個体ではありませんが 

これはチョウセンカマキリでしょうか?

動くものには敏感で、葉っぱの揺れで でてきました。


新しいカマキリ(ムネアカ)・1

2014-09-21 19:10:27 | カマキリ

ムネアカハラビロカマキリ

↓ 画像がそうです(転載許可承諾済)


以前にも少しだけ紹介しましたが(抜け殻とトンボの硬直の記事)

このカマキリはつい最近まで日本にはいなかったとされる種です。

原産は大陸、中国あたりらしいのですが

ある時期を境に本州で点在するように分布が確認され始めました。

その出現は、在来するカマキリの歴史からすると

一瞬の出来事、突如に等しいと思います。

何とも不可解な出現なのですが 詳し事や推測は止めておきます。

画像の個体は関西圏内で先週確認された2頭(成虫♀)のうちの1頭です。

広葉樹の結構高いところで発見されました。

↓こちらは春に発見したムネアカの卵(樹上3m付近:ピンぼけ)  


また、発見された場所にはオオカマキリやハラビロカマキリ

といった在来種が生息しています。

↓ 庭にいたコカマキリ




ムネアカは、日本在来のハラビロカマキリより大型なため 

優位に立つ可能性も考えられますし

他の在来種も含め、競合が懸念されます。

また 最近ではオークションで飼育個体が出品されていました。

今後ムネアカの分布拡大は必至だと思います。

もしかするとすでに身近なところにいるのかもしれません。

↓ 庭にいたチョウセンカマキリ? お食事中!