あまのはらふりさけみれば・・・・

北京で単身赴任生活2年、帰国後も中国ネタを書き綴ります。

修士生の質問に答える

2013-10-02 16:15:22 | 日記

 中国では、学生のインターンやボランティアが盛んである。
 また日本人留学生の日本人会や県人会への参加も積極的である。

 したがって必然的に若い世代の方々とお話をする機会が日本にいたとき
よりも多いわけだが、中でも日本人に直接疑問をぶつけてみたいという
中国人の学生さんと、お知り合いになるケースが多く、彼ら彼女らとコミ
ニケーションをすることは、知的な刺激になってボケ防止にはちょうど
良いのである。

 さて、国慶節の休暇中、一人の大学院生さんからメールで質問というか、
救助要請がきた。
 強烈にマニアックな話で、ある論文の中に引用されている、明治の外相
陸奥宗光の回顧録の一部分を現代語で説明してくれというものである。

 「陸奥の総括であった」という一文がなければ、なんのことか分かり
づらいのだが、「外に屈し」という部分と合わせると、
下関条約後の三国干渉に関する陸奥自身の立場を記した彼の回顧録らしい
ことは分かったので、確認したところ、まさにその通りであった。

 ちなみにこの回顧録は『蹇々録』といい、岩波文庫から出ているらしい。
 こんど帰国したら買って帰ろうと思う。

 陸奥氏の述懐を要約すれば、内外の情勢を判断し、それ以外の到達点
はなかったという、ことになるのだが、漢文読み下し調の文語体なので、
読み方もところどころふり仮名を振りながら、返信した。
 国慶節明けには、発表しなけらばならず、休暇返上で追い込みをしてい
るそうだ。

 この院生以外でも、日本の学生も読まないような本を読んでいることに
驚くことが多い。
 「日本文化の本質は「もののあわれ」にあると思います。」と女子大生
に面と向かって言われたときは、ぶっ飛びそうになった。
 ちゃんと本居宣長などの原典にあたっているので、2度びっくり。
 拙者実は、20年以上前に三重県にある彼のお墓を訪ねたことがあると
話して、ちょっぴり盛り上がった。

 方言の研究や小袖の柄を研究しているという学生とも話をしたことがあ
るし、アニメだけではなく日本文化への関心の高さはなかなかのものがあ
り、研究熱心な姿勢には驚くばかりである。 
 
 爪の垢でも煎じて、漢方薬にしてうちの娘に飲ませてやりたいものであ
る。

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