本日は、建国記念日に当たる国慶節のおめでたい日であり、拙者も含め
お休み、ごく一部のサービス業に従事される方を除き、お休みである。
大多数の中国人の方にとっては、本日から7連休となる。
残念なことに、北京は雨、明け方には落雷も相次いだ。南部には台風も
接近中で、のんびりと休暇どころではない方も多いと思う。被害が出ない
こと、出ても少ないことをお祈りするしか術はない。
さて実は、この連休はおめでたくもあり、有難くもあり、一部には疲れ
るとのご意見もある、なかなか興味深いものである。
最初に指摘しておきたいのは、国務院(政府)自体がかなり重大で明白
な法律違反を犯してまで、この7連休が設定されていることである。
何もこの7連休に限ったことではないのだが、例えば国慶節のように、
10月1日という特定の日が決まっている休日の場合、その前後を連休に
するために、前後にある週末の土曜日曜を勤務日にして、特定の日の前後
に振替休日として動かすことが行われている。
そうすると、9連続勤務なんてことも生じるわけだが、これは、8連続
以上の連続勤務設定を禁止した中国の労働法に明確に違反する。
法律違反をしてまで、自らの指揮下にある国家機関の職員に連続勤務を
命じ、企業には法律違反を奨励しているという事態なのだが、この国では
この問題に触れられることは全くない。
形式的な法令違反を避けるためには、例外規定など立法技術的な手法も
あるわけだが、労働法のそもそもの趣旨を鑑みると、形式を整えたからと
いっても、労働者保護の放棄であるとの批判は免れないと、拙者は考える
次第。
生の声としては、法律違反うんぬんより、長い連続勤務が疲れるという
当たり前の声が実際にはあるそうなのだが、そんな恐ろしい世論調査など
行われるはずもなく、その割合は全くもって不明である。
こうなると国慶節ではなく、法学部出身の拙者としては、自分は滑稽説
の立場である、と茶化して皮肉ってみたくなる。
しかしながら、いずれにせよ内政干渉しても仕方ないし、これ以上はや
めておこう、検閲されている危険性も極めて高いので。
仮に本日以降、このブログの更新が止まったら、そんなこったって思っ
て下さい。
もう一つ。
こっちは実体面での支障、ある会社のお話である。
毎年の休日のカレンダーは国務院からもちろん事前に発表されるそうな
のだが、これがくせ者で、ある日本企業の社長さんに聞いた話では、公表
されていた予定と決定が異なり、彼の会社の勤務カレンダーには休日出勤
が出てしまったそうである。
よく判っていないのだが、会社の方が、最終的に国務院に合わせられな
かったのかなぁ、と思う。
こっちは今度、社長さんにあったら聞いてみたい。
そんなことを書いていると、窓の外が明るくなっていた。
雨は上がったらしい。
さてと、自説はこのさい置いておき、天安門広場に行ってみよう。
数えきれない人々と、この国最高の飾りを見に行こう。