数日前に小寒を迎えたばかりである。
小寒は別名、寒の入りとも呼ばれているくらいで
寒さはひとしおのこの頃である。
北国や裏日本からは大雪の便りもちらほら聞こえてくる。
一方、太平洋に面した当地は晴天が続き、日中はぽかぽか
陽気である。
そのせいか、菜の花畑が早くも満開となっている。
菜の花で埋め尽くされた広い畑にはどこまで行っても
黄色・きいろ・キイロが広がっているのである。
菜の花の 黄(き)のひろがるに まかせけり 久保田万太郎
そうかと思えば散歩の折、雪国などでよく目にする
猫柳が咲いているのにもお目にかかった。
色は冬空を思わせるような灰色である。
どこまでも地味である。(菜の花にくらべてだが)
花はふっくらとした柔らかいビロードのよう。
昔の人はそれを猫のしっぽに見立てて猫柳と名付けたらしい。
猫柳 高嶺は雪を 新たにす 山口誓子