コンサートの感想とか生意気なんですが、何気に聴きに行った今日の東京オペラシティコンサートホールは久々に心に残る、あったかくてオトクなコンサートだったので日記に書いておきます。
舘野泉&ラ・テンペスタ室内管弦楽団(フィンランド)
指揮:野津如弘
(前半)
1.ノルドグレン 左手のためのピアノ協奏曲 作品129
~小泉八雲の「怪談」による「死体にまたがった男」
2.池辺晋一郎 ピアノ協奏曲第3番「西風に寄せて」~左手のために
~休憩~
(後半)
1.グリーグ ホルベアの時代から 作品40
2.吉松隆 左手のためのピアノ協奏曲「ケフェウス・ノート」作品102
3.アンコール カッチーニ アヴェ・マリア(田舎娘さん情報ありがとうございます)
協奏曲3曲ってなかなかないですよね!
ますますカリスマ性を高める舘野氏の温かい人柄・演奏で会場は満席。ラストはスタンディング・オベーション!ボクが目撃したのは日本人では朝比奈隆以来です。
何しろ、きょうは2階席に美智子様が突然いらして盛り上がりました。
今日の演目の日本人作曲家(池辺、吉松両氏)も会場にいらっしゃっていました。
池辺氏については前半の世界初演のピアノ協奏曲に感動したので休憩時間に勇気を振り絞ってサインをお願いしました。ボクのオモチャみたいなボールペンで、しかもプログラムの狭い空白にお頼みしたのも拘わらず優しくサインして頂き、大変失礼しました&ありがとうございました!(「こんなちっちゃいペンで~?」って笑顔でおっしゃっていました。) 池辺氏の『ブラームスの音符たち』等の書籍を所有しているので会場に持って行けばよかったと後悔。サイン、大切にします。
吉松氏についてはトイレで偶然すれ違って思わず「おっ」とか言っちゃったんだけどやっぱしサインもらいたかった~(ミーハー病)
さらにきょうは舘野泉さんの77歳の誕生日だったらしく、「ハッピーバースデー」の演奏とともに聴衆も一緒に歌いました。でっかいケーキも登場!そのあとの舘野氏のアンコール曲もよかった。
最後は管弦楽団の面々どうしが抱き合っていました。珍しい光景でした。こういうアットホーム的なコンサートが一番好きです。
さて、本当に言いたかったのは指揮者のことです。「ホルベアの時代から」を初めて実演で聴き、初めて感動しました。各種CDだと気が付かなかったのですが、今日の演奏にメリハリがあり、かつ精度が高いからこそ、本来こんなに立体感があって静謐な音楽だったってことに気が付いたんだと思います。特に弱音の繊細で美しいことと言ったら!まるでマーラー9番あたりを聴いているような気分に。グリーグ再発見です。
この野津如弘という指揮者、タダものではない!