クラシックの作曲家って亡くなると早速神格化が始まりますが、生きている頃はいろいろ言われちゃってるっていう一つの例が80歳の誕生日を迎えた頃のイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)であります。
【ストラヴィンスキーがケチだったという証拠】
その1.ストラヴィンスキーは形式的なインタヴューが大嫌いで、めったにジャーナリストのお相手をしない。彼は次のような理由からインタヴューを排撃する。
・「私の」時間の浪費
・質問がマトはずれでないときですら、どこから話を始めてよいかわからないことになり、大切な話題の背景ともなるべきものを伝えることは不可能だ
・インタヴューすることが一つの事業なのだから、インタヴューされる者にも当然謝礼を払うべきだ
その2.ヴェニスはストラヴィンスキーのお気に入りのイタリアの町だ。彼の数多くの初演曲が同地で演奏された。彼は作曲料を前払いしてもらいたがるし、また他の誰よりも多くの謝礼を欲したがるので、彼は『ヴェニスの商人』というアダ名をもらった。
その3.ロンドンで、ロイヤル・フィルハーモニック協会から金メダルを授与されたとき、「何カラットか?」と尋ねたとか。
その4. ある友人が、貴方のような偉人は適当なモノグラム(氏名の頭文字などの組み合わせ文字)を持つべきだ、と言ったところ、ストラヴィンスキーはすぐにペンを取って、ストラヴィンスキーの頭文字「S」の上にイーゴリの「I」を重ねた。。。その結果、$(ドル)というモノグラムになった。
(音楽の友 昭和37年7月号 定価160円より)
。。。なかなか愛すべきお爺さんですね!