昨日、BSで「クリムト」の特集をしておりました。 女優の松下奈緒さんが彼の母国オーストリアを訪れられ、彼の描いた絵につて、ウイーンを舞台に紹介してゆく内容でした。彼女が時折、解き放す言葉が、非常に文学的でして、深く僕の心に届きました。 非常にクレバーな人だな、プライドめちゃくちゃ高そうだけれど、などと、クリムトの絵を観ているのか、松下さんの顔を見ているのか、自分は蝶になった夢をみているのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのか、などと、とりとめもなく感じながら、あっという間に2時間がすぎてしまいました。 オーストリアを代表する大画家、クリムト、浮世絵、日本美術に強く影響された画風であることは、曲がりなりにも知っておりました。 しかし番組中、家紋や市松模様の多用など、彼の描いた多くの絵が、あまりにも日本的であり、奥まで日本の美意識を理解していたことに驚愕いたしました。 クリスマスでもパンを食べることができないほどの極貧家庭に育ったクリムト。 彼の代名詞ともいわれる背景に金箔を施す手法、それは日本美術によくみられる手法だと言われています。別の見方をしてしまうならば、もしかしたら、金=お金、へのあこがれのようなものが、常に彼の心の中にまとわりついていたのかもしれません。