食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

ゼロの焦点

2009-11-10 07:26:18 | 日記
 十数年前、池袋の文芸坐で、昭和33年公開久我美子主演「ゼロの焦点」を観た。



 犯人が誰で、その人があまねく負ってきた宿命が何たるか、も関知している。



 間もなく封切られる、広末涼子主演「ゼロの焦点」を楽しみにされている方々の為、内容にはあえてふれない。



 物語のラストシーンは、能登半島、寒風吹きすさぶ金剛の崖の上である。



 事件解決は崖の上で、、、という設定はこの作品に始まり、以後、二時間ドラマに採用されて、伝統化した。



 荒涼として雄大な能登の海、、、、、旅ごころを刺激する在来線の車内観、、、



 この映画は、昭和、戦後という時代の肌ざわりを、僕らに懐旧させてくれる。



 昭和という時代が内包した、弱く、危うい部分を生涯、描き続けた作家、松本清張。



 本格的な文壇デビューは、44才と遅かった。



 彼の才能を高く評価し、世に知らしめたのは、木々高太郎という直木賞作家。



 その名前はペンネームであり、本名「林髞 (はやしたかし)」という、慶応の医学部出身の医師、学者である。



 僕が、学位修得時、お世話いただいた日大歯学部生理学教室の初代教授でもあられた。



   昭和は、遠くにありて思うもの、、、、、か。

チベット

2009-11-09 08:11:46 | 日記
 チベット


 正式な国名    中華人民共和国



 世界の屋根と称される、チベット高原の中心に位置する、ラサ。


 標高は、富士山の頂上とほぼ同じ。


 飛行機のタラップを降りると、ちょっとした息苦しさの後、遠い昔に感じていた記憶の残像が蘇えってくる。


 鮮麗な空気と、空の青さが、寺院の神々しさを一層引き立たせる。


 この自治区は、ほのかな寂しさと緊張の色合いを帯びながら現代史の負の部分を背負い、今日まで歩み続けている。



 8世紀ごろ、インドから伝わった仏教が、チベット土着の原始宗教と結びつき、現在のチベット仏教が形成された。


 チベット仏教で特徴的なのが、「転生」の考え方。  すべての生き物は前世での行いを背負いつつ、輪廻の輪の中を永遠に生まれ変わり、それを繰り返す。


 それは、ただ、ひたすら「苦しみ」なのである。



 この美しく、清らかな思想を持った国に、今から60 年前、中国共産党の軍隊が突如侵入し、数十万におよぶチベット人を虐殺した。


 1960 年の後半には、あの悪しき、文化大革命により、寺院をはじめとする仏教関係物が、ことごとく破壊されてしまう。


 市井の一常識人として、一日も早くチベット独立問題が解決されることを切に願う。。。。。


 
 さて、食べ物に関して贅沢を言っていたらチベットでは生きていけない。


 主食は麦からつくる「ツァンパ」。   肉は羊が主。


 バター茶を一日50杯は飲む。   地域差はあるが野菜・果物は市場にあまり出回らない。



 同じ時間軸を感じとれる、心の故郷チベットに、いつの日か訪れてみたい。

 

ゴッホ

2009-11-03 07:58:16 | 日記
 30 年ほど前、日曜日の夜8時から、「オールスター家族対抗歌合戦」という、欽ちゃん司会で進められる、アットホームな番組が放映されていた。


 善良な一市民に育って欲しいとの願いから、親にこの番組を見るよう強いられた。

 
 子供心に、良質番組を見ることで、伏線をはり、「八時だよ全員集合」観賞に備えていたように感じる。


 古関祐而大先生、 ダン池田、  水の江滝子 、、、錚錚たる顔ぶれが審査委員に軒を連ね、芸能人家族が、歌唱力を競い合った。


  番組の最後に、オランダの風車とチューリップ畑の鮮麗なシーンが映し出され、異国情緒を煽られる形で終了する。


 

    オランダの生んだ天才画家、ゴッホ。


 ダイナミックで象徴的な原色の色使い、激しいタッチによる独特のうねり、見る者を深淵なる緊張の世界へ落とし込む絵。


  生前、たった一枚しか売ることが出来なかったこの孤独な画家は、自らので、37才の生涯をとじてしまう。


  しかし、その時用いた拳銃は発見されておらず、何故彼が拳銃を持っていたのかもわかっていない。



   ゴッホ他殺説 ?


 歴史の事実が、袋小路にあるほど、絵画物語をより繊細たらしめるようで面白いのだが
、、、、、、


 オランダ料理といわれて、正直、思い浮かぶのは 「チーズとジャガイモ料理」
くらい。 あとビールかな。


 たしか「フリスク」という、白いタブレット型のミント菓子は、オランダの会社が世界展開しているはずである。



  以前に、「自己独占欲の強い国はどこだ?」


      「答え     オランダ」


       「俺んだ」


  という、おやじギャグを聞かされたことを思い出した。。。。。

2009-11-02 07:39:08 | 日記
 エディブルフラワー。


 ご存じだろうか?


 

 食べられる花、のことである。


 ナスタチウム、 パンジー、  ホウセンカ、 スイートピー、、、、、



 サラダやスープ、ドレッシング、 料理の彩に使用される。




    代表はやはり菊だろう。


 お浸しで登場する食用菊、しかし元来、わが国では菊自体が食用として栽培されてきたのであって、菊は基本的にすべて食べれるのである。


 刺身のつまと一緒に盛りつけられる菊、まずあれを召し上がる方にお目にかかったことはないが、食べられるのである。


 日本食は基本的に食べられない材料は皿に盛らないのが原則。


 もしかしたら、正式には菊も食べるべきなのかもしれない。


 
 9月9日は重陽の節句、菊の節句ともいい、従来、皇室と深い関わりがあった。



 その名残として、9月9日に園遊会が開かれる。  よーく観察すると、バックには綺麗な菊が、ここかしこに植えてある。 



  個人的な嗜好として、やはり花は見て、匂いを嗅いで楽しむもの。


  色鮮やかとはいえ、花びらを食べたいとは思わない。