おやつと本とアートで綴るhirorinの思い出

おいしいもの・小さくて可愛いもの・アート・本が大好き。これからも健康に注意しながらおやつを食べ続けることを誓います。

血脈 佐藤愛子

2016年05月06日 19時44分41秒 | 読書

やっと読めました。ついでにメイキングブックも。こちらは写真がたくさん載ってます。
(中巻だけ、単行本なのはAmazonで中古本を頼む時、よく見ないでオーダーしてしまったから。おかげで、持つのが重かった)

何と言っていいのか?壮大なめちゃくちゃな一族のストーリー。サトーハチローは、あの詩のイメージが強いだけに実の子供にも冷たくてびっくり。

ハチローの3人の弟達もなかなか波乱万丈すぎて気の毒な亡くなり方をしたり。
ハチローの息子達も大変で・・・・

愛子さんとそのお姉さんは、ハチローの異腹の妹たち。その2人も波乱万丈。


この本を親しみを持って読めたのは、愛子さんが南女(甲南女子)出身で当時灘中に通ってた遠藤周作が学生時代にラブレターを渡したとか読んだことあるし。
住んでたところが西宮鳴尾で、地理的にもよく分かるところ

上巻では、後の森繁久弥がちらっと出てくる。愛子さんのお兄さんとお友達やったみたいやね。

中巻では、なつかしい地名がたくさん。なかでも伊丹や阪急塚口。
正岡子規の跡継ぎの方のおうちが出てきたり。
私、高校がこの人のおうちに近いこともあって見に行ったことあります。
ああ~ここがあの正岡子規の~と思ったことが。
(かなり、癖のあるJKだったのでは?)

そして、何よりの収穫は阪急塚口駅前にあった「割烹旅館さとう」の謎が解けたこと。
この旅館、表通りから奥まったところにあって細い道がついていた。
いつもきれいに打ち水がしてあって、「なんでこんなとこに旅館あるんやろ?観光地でもないのに」と思ってた。
丁度バス停でバスを待ちながら思ってた。ikariの並びね。

それがハチローの亡くなった弟の奥さんがやってはったってことが中巻読んで判明。
いつまでしてはったんかな?1986年にその奥さんが亡くなってはるから、それくらいまでしてたのかな?

何年か前からそこは、和民になっております。

とにかく色んな人が実名で出てくる。
正岡子規の跡継ぎさんは、阪急電鉄に勤めてて朝比奈隆と同僚だったとか~

面白いわあ~

人が人を求めること。憎みながらも愛情を求めること。血の繋がった者に対するとても深い思い。
陽がたくさん当たるということは、それだけ影も多いということ。

そんなことがしみじみと感じられた。

読みながら少し泣けてきました。

久々に泣ける!めちゃくちゃやけど泣ける!

でも一番の収穫は、旅館さとうの謎が解けたことかな

コメント (6)
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