放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

鎌倉漫歩景-2

2013年04月26日 01時27分58秒 | あんなこと、こんなこと、やっちゃいました
若宮大路の「段葛(だんかずら)」は、石垣で組まれた一段高い参道。かつて八幡宮の二の鳥居から三の鳥居を経て海岸まで真っ直ぐに続いていたという。
参道の両側に桜の若木が植えてあり、この季節は提灯を吊り下げて春の賑わいを盛り立てる。
もしかしたら、この道は参道ではなく、神様専用の「御渡り道」であったのではないか、とさえ思えてくる(そんなことを書いてある資料はないけど)。
八幡さまは元々「海神さま」だという話をきいたことがある。頼朝さんもそのことを知っていたのかもしれない。

通りにそって歩いていると、朝早くから醤油の焦げる香ばしいかおりがしてきた。お煎餅だ。
ひょいっと覗くと、まだお店はやっていなかったけれど、店員さんが応対してくれた。
焼きたての丸せんべい。コレいつ食べるの?今でしょ!

実はこのお煎餅屋さんの上に今日のお宿がある。とてつもなくいい立地である。
目の前は「段葛」、通りの裏は繁華街。

お宿に荷物だけ預かってもらい、身軽になって再び駅前へ。
ここからバスに乗って移動する。

バスはゆっくりと廻って、若宮大通りへ。
段葛を右手に見ながらバスは進んだ。まぁゆっくり走ること・・・。
それだけ狭くて技術を要する所を走っているんだ、ということに気がつく頃にはもう段葛は終点で、大きな鳥居(三の鳥居)が見えていた。
鳥居の前にはちょっとした通りがある。金沢街道かな・・・。
そこから先はいよいよ道がせまくなっている。え?ホントにココをバスが走るの・・・!
そのテクニックたるや・・・!
バスは静かに鳥居前を右折して、塀や電柱のあいだをするりとぬけてどんどん進んでゆく。
びっくりっ!! こんな芸当できるの「猫バス」だけかとおもった!!!

僕も大型免許を持っているが、こんなところでハンドル握る自信はない。きっと運転免許を取り上げられてしまうだろう。
鎌倉観光バス。驚きのテクニックである。

金沢街道からさらに「岐れ路(わかれみち)」へ。これがまたひときわ狭い。ホントに車道、コレ?
荏柄(えがら)天神さんの前を抜けていよいよ終点。「鎌倉宮(大塔宮)」です。

ここは後醍醐天皇の皇子である護良親王(大塔宮)をお祀りしている。
本殿のウラにまわると、あたりはいちめんの断崖。だいたい4~5メートルという高さだろうか。そこに横穴を繰り抜いて、入り口に木の柵を設けてある。「土牢」と呼ばれている。

建武の頃、足利一族が護良親王こと大塔宮(だいとうのみや、おおとうのみや)を幽閉したという土牢を再現したものだ。
大塔宮はその後、倒幕を目指す足利方の意向により断首されて落命する。その時、その死に顔があんまり穏やかだったので、首を刎ねた武士が恐ろしくなって藪の中に首を放置して逃げたという。境内にはそのときの放置場所までお祀りされていた。

かつて此処は寺院であり、明治になってから「鎌倉宮」になった。護良親王は「お国のために奮闘した皇族」という位置づけだったのだろう。そういえば近代において、足利尊氏は逆賊の扱いを受けていた。鎌倉宮にも当時の鎮護国家戦略の一端を見た気がする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鎌倉漫歩景-1

2013年04月24日 00時57分29秒 | あんなこと、こんなこと、やっちゃいました
鎌倉を歩くのは17年ぶりだった。

17年も経つと、さすがに当時のことは記憶が定かでない。
どんな経路で歩いたのかほとんど覚えていない。
確か、北鎌倉から町並みの風情を楽しみ、焼き物屋さんで小さな器を買ったりして、
蝋梅を愛でて、そのまま建長寺界隈を歩き、トンネルを抜けて鶴岡八幡さまを拝んで・・・。
あまり記憶が無いが確か杉本寺が最終点だったような・・・。

とにかくいっぱい歩いた。
ここはよく歩くところだな、と「鎌倉」のことを認識した。

17年ぶりの鎌倉行きは、15歳と10歳の子供もいる。やっぱり今でもいっぱい歩くところなのかな・・・。

平成25年3月29日(金)にまず横浜に入った。いろいろ横浜で遊んで(イチオシは氷川丸と原鉄道模型博物館!)、その日は大船に宿をとった。
翌30日(土)に湘南モノレールで江ノ島へ行き、そこからエノデン(江ノ島電鉄)で鎌倉入り、というルート。

湘南モノレールは結構アトラクションの要素が多い。
起伏に富んだ地形の中を滑り降りてゆくように進む。
高低差があるのでぐぐっと傾いたり、傾斜のため一瞬加速したように錯覚してしまうこともある。
まるでジェットコースターのコークスクリューを寸止めされている感じ。

エノデンはいまでも古い車両を使っているのがいい。ときどきびっくりするくらい狭いところをすり抜けたり、踏み切りの途中で止まったりする。
JRとも違い、なんだか市電の面影がある。そして風景はいきなり海に向かってがばっとひらけてゆく。稲村浜だ。映画の舞台にもなった。湘南の海は明るくていい。ロケ地にしたくなるのもうなずける。これで津波リスクさえなければねぇ・・・。
 そういえば、江ノ島で乗り換えたとき、町の電柱に「海抜5メートル」とか書かれていた。なんでいきなりこんなところで・・・。

 鎌倉に着いたのが午前10:00ちょっと前。早い!
 しばらく駅前をウロウロして、自分たちが八幡宮側とはまるで違うところにいることにしばらく気がつかなかった。
 やっと観光客がぞろぞろと高架下をくぐってゆくのに気がつき後につづく。

 ああ、ここ、見覚えがある・・・。
 鎌倉の玄関口、バスプールに出た。
 向こうに見える赤い鳥居が小町通りの入り口、そしてそこからさらにバスプールを時計回りにぐるっと歩くとその向こうに鶴岡八幡宮への参道・若宮大路が見えてくるはず。有名な「段葛(だんかずら)」だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする