放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

ポリープ4

2024年08月10日 00時39分33秒 | Weblog
 内視鏡室前の受付にて説明を受け、医療用ガウンに着替えさせられる。そのまま待合でしばらく待たされる。
 待たされている間にも2回トイレに行った。まだ少し残っているかな。
 
 いよいよ呼ばれて台に上がる。左を下にして横向きに寝ろという。つまりお尻をこちらに向けて横になれということだ。
 もう何も考えないことにした。
 右肩に「腸の動きを抑える薬です」と注射された。
 ぐいっと肛門に何かがねじ込まれた。さすがに痛い。それから内視鏡の先端がずるりと入り込んでくるのがわかった。
 「大腸にもいくつか曲がり角がありますからね、そこだけ少し苦しいけれどガマンですよ。」と先生。
 ああ、と理科の授業で習った程度の簡単な大腸のイメージを思い浮かべる。大雑把に言って大腸は四角形。四角形だから大雑把に4箇所の苦痛ポ
イントがあるのかな? いや最後の4つ目のポイントは終点のはずだから苦しくないかも。
 横になった自分からも見える位置に大きなモニターがある。これで自分の大腸を見ることができる。思いの外キレイな色している。時折何か液体を吸い上げるような音がする。腸内で分泌されている液体を吸い上げているんだろう。内視鏡が進む先が視界不良にならないように。

 そうこう言っているうちに急にお腹に張りを感じた。これは空気を送って腸管を広げているのか。おそらく1つ目の苦痛ポイントだろう。
 思わず唸る。これは苦痛か? いや、それだけではなく違和感と恐怖感が混ざっているかも。
 腸管が張るのって、正直イヤな気持ちになる。破裂しそうな恐怖感。イレウス(腸閉塞)の時はこんな痛みがずっと続くんだろう。
 腹部の膨張感とそこを逆行してくる機械。この違和感は確かに恐怖に置換しやすい。苦痛とされる一因はそれかも。

 腹圧が下がってきた。ぐんぐん先へ進んでいるらしい。
  そうこうするうちに、またお腹が張ってきた。イタタタ、思わず声が出る。
 「はいー、仰向けになります。」
 は? お尻に挿さったまんまで体位変えんの?
 「ええ、このままでは入りにくいので。」
 いや充分入っています。
 介助者(看護師?)が右膝を起こしにかかる。手荒にされては困るから、言われるままに仰向けになる。すると今度は右足を組んでくれという。
 大丈夫かな、お尻の筋肉を使う動作が続くぞ。内視鏡を挿したところから何か滲んでこないだろうか。
 「大腸管内視鏡は初めてですか?」
 「はい」
 それ今訊く? フツーその質問は内視鏡を挿す前じゃないの?

 「はい、虫垂部(盲腸)到達です」
 あれ、意外と早かった。
 「こっち見ると管が細くなっていますね。この先は小腸です。内視鏡は太すぎて此処から先へは行けません。」
 自分の盲腸や小腸を見るのは生まれて初めて(そりゃそーだろ)。
 「では抜きなから腸内を見ていきましょう」
 医師が内視鏡をずるりずるりと引っ張り出してゆく。それに合わせてモニター画面も後方へスクロールしていくのがわかる。
 あらかた内視鏡を引っ張り出してから、
 「あらかた見ましたがキレイですね。ただ気になったのはここ。」
 突然また内視鏡ケーブルをぐいっと差し込んだ。そこにぷるんとした肉塊がぶら下がっていた。
 「ポリープですね。ここだけなんで、増えてはいないようですね。ただ大きさが5ミリ程度なんで、これは取ったほうがいいでしょうね。」
 じゃあ今とって。
 「後日入院していただいて、ポリープを切りましょう。入院は2,3日かかります。」
 え、そんな大掛かりなの?
 医師はさっさと内視鏡を抜いてしまった。
 「はい、終わりです。ゆっくり起きてください。」
 お尻にたくさんのペーパータオルが当てられた。やっぱり肛門から何か漏れていたんだ。仰向けになんかさせるから・・・。
 椅子に座らされ、今のポリープ画像を見せられた。
 ポリープはどの部位なのか訊いたところ、直腸からちょっと奥にいったところだという。
 「ポリープ切除は9月ですかね。8月はすでにいっぱいなので。」

 やっぱり今切ってもらえばよかった。でも今切ろうとしなかったのは何か理由があるんじゃあなかろうか。
 例えば止血対策。例えば切除する器具を一緒に挿入していなかった。例えば痛すぎて麻酔が必要とか。

 次の予約を取ってから医師に礼を述べて内視鏡室を出た。
「やっぱり今切ってもらえばよかった」疑念はいまも続いている。
                                                                                                                                           
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ポリープ3

2024年08月02日 23時35分45秒 | Weblog
 大腸の内視鏡検査を受けるにあたり、まず大腸をキレイにしなければならない。
 キレイという表現が正確ではないかもしれない。腸内の固形物をすべて出して隅々まで調べられるようにしなければならない。
 下剤を呑んで胃腸の内容物を全部出してしまおうというのがその手段であるが、その準備は検査日の前日から始まっている。
 油っこい食材や繊維の多い食材を避けて、なるべく流れやすいものを摂取するよう指導された。
 特に繊維はクセモノで、下剤でも流れにくいのだそうな。
 ワカメなど海藻がダメ。夏が旬のキュウリもダメ。ごはんNGお粥OK。果物でOkなのはバナナだけ(スジを丁寧に除去した上で)。ポテトサラダに至ってはジャガイモだけOKとのこと。
 こうなると摂取できるのは豆腐やスムージー、バナナくらいしかない。あと卵か。
 BELAちゃんにも協力してもらって、言われた通りの食事を心がけた。魚はOKであることを知ると、BELAちゃんは手間かけて銀タラを煮付けてくれた。但し皮は食べれない。コラーゲン乗ってて美味しいのにね。
 どうせ寝る前に下剤(錠剤2錠)飲むのでどこまで栄養を吸収されるかわからない、けれど夕食の銀タラはあんまり旨くて舌に沁みた。
 
 大腸管内視鏡検査について、調べようかと思ったが、やめた。
 胃カメラ(胃部内視鏡)検査なら毎年やっている。だから内視鏡という機械がどのようなもので、どんなことができるのか、大体わかっている。
 その上で、いったい自分は何を知りたいのか考えてみたら、大したことではなかった。
 痛いのか痛くないのか、とか。
 どんなトラブルが予想されるのか、とか。
 その病院の評判、とか。
 ガンの見落としはどのくらい、とか。

 この前の診察のときに、内視鏡室がずらりと並んでいるのを見た。これは日頃から相当数の受診者を検査しているということだ。そんだけ検査してりゃ、医師の経験値は相当高くなるし、大抵のトラブルもとっくに起きている。その反省と対策も十分なんじゃないだろうか?
 従って、調べようかと思ったことの大半はすでに答えが出ている。
 残るは「痛いか痛くないのか」。
 でもそんなの痛いに決まっているし、のたうちまわるほど痛いなら、はじめから麻酔の提案が出てくるはずだ。つまり「耐えられる程度」と判断するより他はない。身体への負担は未知数だが、そもそも日帰りなんだから、それもどうにかなりそうな気がする。
 なんだかんだ考えて、スマホや何やらで無駄な知識を仕入れるのは意味がなさそうである。
 明日は余計なことは考えず、無為に過ごそう。

 検査日当日になった。
 当然ながら朝食ヌキ。昼食もヌキ。そして8:00から「ニフレック」という下剤を飲み始めた。
 プロテインでも入っていそうな容器に顆粒が入っている。これに水を2リットルを入れて顆粒が溶けるまで容器を振る。

 それをコップに注いで200mlを15分位かけてゆっくり飲むように書かれている。それで2リットルを2時間程度で飲め、とある。

 んん?計算おかしい。
 200mlを15分位ならば1時間では800ml。2時間では1600mlつまり1.6リットル。ぜんぜん追いつけない。
 かと言って下剤を一気飲みすれば大惨事が待っている。そんなの想像もしたくない。
 とにかくうまくいくかどうか分からないまま飲み始めた。
 ニフレック、飲み始めはそれほどマズくない。バリウム飲むのに比べたら全然ラク。

 ところが2時間経っても全然飲み終わらない。ゴクゴク飲めるようなものでもなかった。そのうちだんだん飽きてきた。
 気持ちの所為か軽い吐き気を催してきた。いきおいコップから手が離れてしまう。気晴らしに外出するわけにもいかない(逃避か)。
 12:30頃、とうとう飲み残した。600mlくらい残しただろうか。予定時間を大幅に過ぎている。
 でも腸管の内容物はすっかり出たようだ。これでいいかな?

 ニフレックは若干の栄養補給・水分補給の成分も入っているのだろうか。朝食、昼食と抜いたのに、血糖が欠乏したように感じなかった。喉が渇くということもないし、普通に立ち居できて、頭がぼーっとすることもなかった。こちらも多くの知見が生かされているようだ。

 このあと、いよいよ病院へ向かう。
 
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