放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

ポリープ7

2024年10月09日 00時21分27秒 | Weblog
 ポリペクトミーという手術は、内視鏡を巧みに操る技術を要する作業だと思うが、所要時間はかなり少ない。
 だいたい手術台に横になって15分くらいだろうか。
 大腸の中で患部を焼いて切除するのだから、多少は痛いとか熱いとか感じるんだろうなと思っていたら全くそんなことはなかった。
 まるで他人の手術をモニターで見ているみたい。
 いや確かにモニターに映されているのは自分の内部に違いないのだが、ポリープ自体には神経が通っていないようで、突っついたりつまんだりしても何も感じない。当然、焼き切っても傷口をニッパーで挟んでもなんでもない。
 ただ、ときおり腸内に分泌物が湧くたびに内視鏡についている吸引器で吸い取っている。機器をガサガサ揺すったり回したりするので、お腹の中がボコボコゆれる。
 また大腸内をよく見えるように空気を送り込んで管内を膨らませる。この時、不気味な張り感を感じる。
 こういうのが何とも怖い。

 実際、こういうことは腸内で同時多発的に起きていた。
 ポリープを発見したと思ったら分泌物(やっぱり黄色い)で視界が何も見えなくなる。そこで手早く(手荒に?)分泌物を吸引し、さらによく見えるように管内を膨らませる。高周波スネア(輪っか状のワイヤーで患部を焼き切る器具)をだんだん近づけて、ポリープに引っ掛けようと試みる。また黄色い分泌物が流れ込んできた。急いでガバガバ吸引する。
 てな感じで、医師の集中力と技術力、忍耐力などいろいろ必要なんだなと思った。

 手術終了後、車椅子に乗せられた。さすがに終わったばかりで歩くのは危険なのだろう。
 そのまま病室へ連れられてゆく。

 明日の朝まで安静。歩いても隣のトイレまで、それ以上は歩かないように、と指示を受けた。
 看護師さんはそこでふと飲み残した下剤に気がついたらしい。
 「全部飲めませんでしたか」
 「はい。吐きそうになって。」いや吐いたけど。
 でももういいですね、と言って看護師は飲み残した下剤を持っていった。

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