9月10日金曜日
真新しいシーツが出されました。
その日のうちに大型犬の骸は檻から出され、シーツにくるまれて火葬場へ運ばれて行ったのです。
お義父さんは「遺骨はどうするか」と訊かれたそうです。
「いらない」と答えたそうです。
あんなにかわいがっていたのに、どうして? と訊きましたら
「なに?もって帰ったって置くところがねぇべ? 仏壇サ上げるわけにもいかねぇべし、墓に入れるわけにもいかねぇ。結局、川サ流すか山に埋めるかしかねぇんだど。」との答え。
「猟師のヤツラなんて死んだらたぁだ山に活ける(埋める)だけなんだぞ。オレは火葬にした分だけまだマシだ。」
それでも檻には花器がありキクが挿してありました。
僕らもキキョウを挿しました。
きっとあの子はお義父さんと一緒に帰ってきたのです。見えないけどどこへも行っていないのです。だから骨は、いらないのです。
それにしても、この1年は「命」について考えさせられることが多いです。子供たちも、ずいぶん考えさせられたようです。
キキョウをあげよう、と言い出したのは子供たちです。あの子の手綱を引いてあるいたからこそ、そういう気持ちになるのでしょう。
がらんとした、それでもなつかしいケモノの臭いが残る檻に向かって、「いつまでもここにいていいんだからな」とつぶやいて僕たちは手を合わせました。
真新しいシーツが出されました。
その日のうちに大型犬の骸は檻から出され、シーツにくるまれて火葬場へ運ばれて行ったのです。
お義父さんは「遺骨はどうするか」と訊かれたそうです。
「いらない」と答えたそうです。
あんなにかわいがっていたのに、どうして? と訊きましたら
「なに?もって帰ったって置くところがねぇべ? 仏壇サ上げるわけにもいかねぇべし、墓に入れるわけにもいかねぇ。結局、川サ流すか山に埋めるかしかねぇんだど。」との答え。
「猟師のヤツラなんて死んだらたぁだ山に活ける(埋める)だけなんだぞ。オレは火葬にした分だけまだマシだ。」
それでも檻には花器がありキクが挿してありました。
僕らもキキョウを挿しました。
きっとあの子はお義父さんと一緒に帰ってきたのです。見えないけどどこへも行っていないのです。だから骨は、いらないのです。
それにしても、この1年は「命」について考えさせられることが多いです。子供たちも、ずいぶん考えさせられたようです。
キキョウをあげよう、と言い出したのは子供たちです。あの子の手綱を引いてあるいたからこそ、そういう気持ちになるのでしょう。
がらんとした、それでもなつかしいケモノの臭いが残る檻に向かって、「いつまでもここにいていいんだからな」とつぶやいて僕たちは手を合わせました。