父さんと海に行く
午後の太陽はマーマレード色で、僕と父さんは
その柔らかな日差しの中、防波堤を歩いた
防波堤から糸を垂らし、シマシマの魚を釣ったり
不思議な形の巻貝を拾って耳に当て
遠くの世界の風音を聴いたりした
突然、父さんが遠くを見つめて言った
「誰かが遠くで手を振って俺を呼んでいる」
「あれはカニだよ、シオマネキだよ、行っちゃだめだ」
「いや、呼ばれたからには行かねばならん」
父さんはそのまま、シオマネキの誘うまま岩場に行き
その先の海に入っていった
そして帰ってこなかった
午後の太陽はマーマレード色で、僕と父さんは
その柔らかな日差しの中、防波堤を歩いた
防波堤から糸を垂らし、シマシマの魚を釣ったり
不思議な形の巻貝を拾って耳に当て
遠くの世界の風音を聴いたりした
突然、父さんが遠くを見つめて言った
「誰かが遠くで手を振って俺を呼んでいる」
「あれはカニだよ、シオマネキだよ、行っちゃだめだ」
「いや、呼ばれたからには行かねばならん」
父さんはそのまま、シオマネキの誘うまま岩場に行き
その先の海に入っていった
そして帰ってこなかった