江ノ島ダンゴガール
(
または、江ノ島空色乱反射ダンゴガール)
「わたしの手作りホウサンダンゴ、あなたにプレゼントしちゃう
バナナフレーバーでハチミツもたっぷり、半なまタイプで効力は6ヶ月よ
でも出来たてだから今すぐ食べてね
しかも、あなたのフンで巣に居る仲間も退治しちゃうから」
入梅まえの初夏の青空に彼女の笑顔がまぶしかった
今年もいい夏になりそうだ
僕らの永遠の夏休みは終わらない
「何か飲み物を買ってくるわね
こんな気持ちのいい午後はレディグレイのアイスティがお似合いね
輪切りにしたバレンシアオレンジを浮き輪みたいに浮かべて
二人で早めのサマーリゾートしちゃおうよ」
逃げるように走って行く後ろ姿をぼんやり見ながら
まるで彼女は天使のようだと思った
彼女と一緒なら僕は天国に行けるのだろうか
どこか南のほうに、天国に一番近い島というのがあるらしいけど
ここがそうかもしれないな