「先生、先生がいつも食べている、お昼ご飯のヘビはちっとも減らないみたいなんですが、
どうしてですか」
「ああ、これはウロボロスというヘビで、しっぽを少し食べてから、また口にくわえさせておくと、
自分で永遠に増殖するんだよ」
「宇宙はいつか終わるけれど、永遠に続く、というパラドックスみたいなものですね」
「そうだね、大昔に『無』というか『ゼロ』という存在が、『芸術は爆発だ』といって爆発したんだね。
その結果、ふと気づくと、私や君のような存在がこの世に居た。
この不思議さは不思議すぎるくらいめちゃ不思議だ」
「先生はヘビだけ食べて、野菜は食べないんですか」
「いや、野菜も食べているよ。
これだ、土から引っこ抜くと悲鳴をあげるというマンドラゴラだ。
悲鳴を聞いた人間は気が狂うらしいから、引き抜く時はノイズキャンセルヘッドホン装着が絶対条件だ。
八田君、君も気を付けたまえ。
まあ、君はそれ以上狂うことは無いだろうがな」
カッパ型アンドロイドに改造されていく八田二郎にも、
大昔に宇宙が生命体になりたくてビッグバンを起こした理由が少しわかった気がした。
暖かい五月の雨は、きっと宇宙が誕生の時を思い出して、泣いているのだと思った。
どうしてですか」
「ああ、これはウロボロスというヘビで、しっぽを少し食べてから、また口にくわえさせておくと、
自分で永遠に増殖するんだよ」
「宇宙はいつか終わるけれど、永遠に続く、というパラドックスみたいなものですね」
「そうだね、大昔に『無』というか『ゼロ』という存在が、『芸術は爆発だ』といって爆発したんだね。
その結果、ふと気づくと、私や君のような存在がこの世に居た。
この不思議さは不思議すぎるくらいめちゃ不思議だ」
「先生はヘビだけ食べて、野菜は食べないんですか」
「いや、野菜も食べているよ。
これだ、土から引っこ抜くと悲鳴をあげるというマンドラゴラだ。
悲鳴を聞いた人間は気が狂うらしいから、引き抜く時はノイズキャンセルヘッドホン装着が絶対条件だ。
八田君、君も気を付けたまえ。
まあ、君はそれ以上狂うことは無いだろうがな」
カッパ型アンドロイドに改造されていく八田二郎にも、
大昔に宇宙が生命体になりたくてビッグバンを起こした理由が少しわかった気がした。
暖かい五月の雨は、きっと宇宙が誕生の時を思い出して、泣いているのだと思った。