河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

納骨堂

2016年05月27日 | ZIZY STARDUST
「先生、どういうことですか『骨が無いからこれ以上治療できない』て
私はこれでも浄土真宗の信徒でもあり、浦上の隠れキリシタンです
お骨が無いと極楽往生、円満成仏ができないとでもいうのですか」

「そうです、今のあなたの骨量では、火葬場で焼いた場合
全部焼けて、銀歯しかのこりません、だから納骨ができないという事です
でも、銀歯は資源としてリサイクルできます」

「それじゃ、なんですか、私の今までの人生は
結局、何グラムかの銀歯の価値しか無いのだと
先生は、私は社会のダニだと言いたいのですか」

「そうです、しかも純粋な銀じゃないですから
価値はもっと下がります、というか銀歯の価値はゼロです
金歯なら話は別ですが」

私のこれまでの人生は何だったのか、
銀歯5本ほどの値打ちだったという事か、

親鳥がせわしなくエサを運ぶツバメを見ながら
私は南フランスの町みたいだと妄想にふけっていた
今年の夏はモナコの別荘で過ごそうと決めた。

もうすぐアンドロイド

2016年05月27日 | ZIZY STARDUST
※画像は筆者の人体で、掲載は本人の了解を得ています。

今月で大学病院から解放されるかと思ったら、
経過観察?でもう1か月と言われた。

この時間を使わない手は無い。
私にはすべての出来事をネタにするという使命がある。

「先生、私のCTスキャンのデータをいただけませんか」

「何に使われるんですか、歯科で見せるんですか」

「いや、パソコン画面でグリグリ回して遊びたいんです。
それと、自分の等身大の人体模型とアンドロイドを作るんです」

「・・・下の事務局で聞いてみてください」

帰りに受付に寄った

「CTスキャンのデータが欲しいんですが」

「個人情報なので病院の責任として外部には出せません」

「何ゆうてんねん、自分の頭蓋骨のデータやぞ、骨の持ち主はわてや、文句あるんか、
画像の下に、自分の名前のコピーライト入れたるわ」

(・・・ややこしいやつが来よった)

「ちょ、ちょっと、お時間をいただけますか。先生と事務局で相談してみます」

「データくれるんか、どないやねん」

「あいにく、そういう事はできません」

「ほなら、こうしよう、大学病院とわてで共同でアンドロイドの研究をする
そのための実験データとして、わての頭蓋骨のデータを使う
これでどないや、儲けは折半やで」

(・・・こいつ、どんどんややこしくなってる)

「あなたは医療関係の方ですか」

「違うで、極楽通信という有名なグラフィックアーティストや」

(・・・あっ、やっぱりあっち系の人か)

「し、しばらくお待ちください、担当者を呼んできますので」

「担当者って誰や、まさか警備員とか警察やないやろな
こう見えても、わては頭おかしんや、そやから、病院の精神科に来てるんや
わては、こう見えても、九州人よりもっと怖い関西人やで」

しばらく待ってると、別の若い事務員さんが出てきて
なぜか、えらく、丁寧に説明しだした。
たぶん、頭のおかしい人に対応する対応テクニックだと思う。

「『カルテ開示』という手続きがございます
その申請をしていただくと、有料でCD-Rにてデータをお渡しできます」

元々、正式にそういう手続きがあるらしい
病院内でも知ってる人が少ないということか

これで、自分の頭蓋骨の3Dモデルデータとそれを3Dプリンタに出して骨格標本ができる。
それに、自分の皮を貼り付けて、アンドロイドの完成である。

低く飛ぶツバメと曇り空。梅雨が明けると、もうすぐアンドロイドの夏が来る。