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細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

夕映え天使

2009-02-08 18:10:54 | 読書メモ あ行
夕映え天使      著者 浅田次郎

《内容》
さびれた商店街の、父と息子二人だけの小さな中華料理店。味気ない日々を過ごす俺たちの前に現れた天使のような女・純子。あいつは線香花火のように儚い思い出を俺たちに残し、突然消えてしまった。表題作「夕映え天使」をはじめ、「切符」「特別な一日」「琥珀」「丘の上の白い家」「樹海の人」の6編の短篇を収録。特別な一日の普通の出来事、日常の生活に起こる特別な事件。
                (紹介文より)



―――祖父の歯ぎしりが、骨の鳴る音に聞こえた。痩せた体じゅうの骨が、こんちくしょうと言っていた。


―――財布の中から取り出した切符を泥川に投げこんで、花びらのように流れ去って行くさまを目で追いながら、広志はずっと言い続けた最後の「さよなら」を、ようやく声に出した。
 その一言は、命を絞るほどつらかった。


おいしい水

2009-02-08 10:23:49 | 読書メモ は行
おいしい水     著者 原田マハ

《内容》
あの頃、誰かを好きになると、世界が、変わる。―若い恋の“決定的瞬間”をたどったラブストーリー。
         (紹介文より)


―――光のさなかにいるときは、その場所がどんなに明るいか気づかない。そこから遠ざかってみて初めて、その輝きを悟るのだ。


―――急に、悲しくなった。
また、水、が出てきちゃう。私はまぶたをぎゅっと閉じる。