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細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

黒百合

2009-02-19 20:35:23 | 読書メモ た行
黒百合    著者 多島 斗志之

《内容》
「六甲山に小さな別荘があるんだ。下の街とは気温が八度も違うから涼しく過ごせるよ。きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。一彦という名前だ」父の古い友人である浅木さんに招かれた私は、別荘に到着した翌日、一彦とともに向かったヒョウタン池で「この池の精」と名乗る少女に出会う。夏休みの宿題、ハイキング、次第に育まれる淡い恋、そして死―一九五二年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年たちを瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。
        (紹介文より)


―――私自身があの夏の思い出をたどる材料としては、これで充分だ。舌足らずな数行に目をやるだけで、あのときの情景がありありと蘇ってくる。


―――過去はいつのまにか遠ざかってまぼろしになってしまうけど、写真に撮っといたら、ときどき思い出を引き寄せることができるでしょ

女の庭  

2009-02-19 19:37:13 | 読書メモ か行
女の庭     著者 鹿島田 真希

《内容》
私は、普通の主婦なのだ。普通が怖いのだ。子供を持たず、マンションに住む主婦。居心地の悪さを感じながらも井戸端会議に参加する日々。隣に外国人が引っ越してきて……。三島賞作家が描く、ありふれた者に訪れる奇蹟。
            (紹介文より)


―――今、自分のしていることが正しいことだとはっきりわかる。泣いていいのだと。尊い哀しみには寿命がある。私はその寿命をまっとうし、涙を流しているだけなのだ。