二鶴工芸のきままなブログ

京都で呉服に金箔を装飾する金彩工芸の職人です。
仕事のうんちくや商品説明等きままな事を更新していきます。

帯の加工 その後

2020年09月18日 | 日記

二鶴工芸です。
帯の加工その後です。
過日の投稿でも記載しましたが、うちではこのようなタイプの加工は細工物と言っています。
金・淡色(銀系の色目)砂子・野毛(線状の箔)を使って細工的に加工。
普段、本業の作品には使わないのですが今回の作品は部分的に細かい螺鈿も少し。
背景の加工も過日に投稿しました、白生地の状態に金彩加工し引染をしたもの。
染は弟の染工房 正茂にしてもらいました。
染料も被り鈍い光沢になっています。
細工物と言っているように、どちらかと言えば工芸的な仕上げです。
背景の加工もメインの装飾をたたせるために全て計算済の工程です。
通常の加工なら染め上がった生地に加工します。
背景も鈍い光沢になるような材料を使えば済むことです。
これをあえてリスクのある面倒な工程を積むことで生まれる色が出ます。
若い時はこれでもか!!と重い作品を作っていましたが、ここ数年は引き算、引き算で簡素なものに魅力を感じてきました。
難しい方向に手を出してしまった(;^ω^)