地方都市の大きな医療グループでのお話です。
病院、ホスピス、介護施設、看護学校、幼稚園まで揃えた大きな医療グループは全国的にも有名で、見学者が後を絶ちませんでした。
給与も福利厚生も他の病院とほとんど変わりがありません。
子どもを持つ職員のために保育園さえ持つぐらいのグループです。
3交替制ではありますが、他の病院と同じぐらいの忙しさです。
ところがこのグループには問題がありました。
実は看護師さんが就職3年以内に辞めてしまう、半数近くが離職をする、という大問題です。看護師さんも3年勤めると、職場や仕事にも慣れてまさに戦力となってがんがん働ける時期です。
侃々諤々(けんけんがくがく)全施設のトップが集まっていろいろ対策を練りましたが、なかなかいい案が出ません。
ところがです、あるひとつのプランがみんなの反対を押し切って浮上しました。
他に代案もなかったので、思い切ってこの計画を採用してみました。
実はそのプランを採用すると、看護師さんの仕事はさらに忙しくなるのですが、、、なんと、離職率が急激に減っていきました。
さて、思い切って採用した案とはどのようなものだったのでしょうか?
いろいろな方策が考えられると思います。
例えば、給料を上げる、休みを多くする、職員食堂の食事をよくする、おしゃれなカフェ、お茶の飲める快適なスペースを作る、カウンセラーをおく、などなど
しかし、ここでは看護師さんたちのすべき事を増やしました。
増やしてみんなが元気になる(?)
答えは看護師さんたちのプロとしてのモチベーションを高めるため、研究会、あるいはスモールグループの勉強会を立ち上げて、順番に仕事の工夫を発表したり、研究をはじめたり、そんなことをしたのです。
人前で自分で工夫した事、興味のあるテーマを発表する、、、、これは自分の自己肯定感を高めるのですね、きっと。
離職率が激減した理由はこんなところにありました。