2月10 日
日経平均 2万7670.98円(86.63円高)
TOPIX 1986.96(1.96ポイント高)
長期金利(新発10年国債) 0.490%(変わらず)
1ドル= 130.44 - 130.46(0.70円高)
2月6日 2万7693円 13億1554万株 3兆0174億円
2月7日 2万7685円 11億2651万株 2兆6425億円
2月8日 2万7606円 10億9500万株 2兆7877億円
2月9日 2万7584円 10億4373万株 2兆5791億円
2月10日 2万7670円 13億9618万株 3兆4510億円
■株探ニュース 2023.2.11
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今週の【早わかり株式市況】5週続伸、円安進行で上昇も高値圏では伸び悩み
■今週の相場ポイント
1.日経平均は5週連続で上昇、2万7800円台では利益確定売り
2.強い内容の1月米雇用統計と日銀次期総裁人事巡る報道で円安進行
3.米金融引き締め長期化警戒も、軟調な米国株が慎重姿勢促す
4.決算発表が佳境入り、任天堂やソフトバンクGが下落
5.好決算銘柄には買い意欲旺盛、東エレクなど買われる
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比161円(0.6%)高の2万7670円と5週連続で上昇となった。
2月3日発表された1月の米雇用統計が強い内容だったことや、日銀の次期総裁人事を巡る報道を受け、週明けの外国為替市場はドル高・円安となった。
これが日本株の支えとなり日経平均は2万7500円台を回復。
その後は米国の金融引き締め長期化に対する警戒感もあり、高値圏では利益確定売りが出て伸び悩んだ。
国内では企業の決算発表が佳境に入り、好決算銘柄に対する投資家の買い意欲は旺盛で下値も限定的だった。
6日(月)の東京市場で日経平均は184円高と4日続伸した。
前週末公表の1月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回る堅調な結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの見方が広がった。
国内では日銀の次期総裁人事を巡り、雨宮正佳副総裁に打診があったと伝わり、これらを受けたドル高・円安の進行が日本株の支えとなった。
7日(火)の日経平均は8円安と5日ぶりの小反落。
1ドル=132円台半ばまで進んだドル高・円安を拠りどころに買いが先行したものの、利益確定売りに押される展開だった。
ただ、値上がり銘柄数は値下がりを上回り、TOPIXは上昇した。
8日(水)は続落。
パウエルFRB議長がインタビューで、今年はインフレが大幅に鈍化するとの見方を示し、金融引き締めに対する警戒感が弱まった。
ただ、為替市場ではドル安・円高が進行し日本株の重荷となった。
前日に決算を発表した任天堂とソフトバンクグループが大幅安となった。
9日(木)は22円安と小幅に3日続落。
米国の利上げが早期に停止されるとの期待が後退し、米国株が下落した流れを引き継いだものの、好決算銘柄への買いが下値を支えた。
10日(金)は86円高と4日ぶりに反発。
前日まで3日続落となったことを背景に、値頃感を意識した買いが入った。
業績予想の上方修正と株式分割を発表した東京エレクトロンが上昇し日経平均を押し上げた。
■来週のポイント
来週は日銀の次期総裁人事に関心が集まるだろう。
10日夕方、複数のメディアが「日銀の新総裁に植田和男氏を起用する方針」と伝えた。
植田氏はこれまで候補として取り上げられることがなかったこともあり、市場がどう織り込むのかはまだ未知数な面がある。
週明けの東京市場の動向が注目される。
重要イベントとしては、国内では14日に発表される10-12月期GDP、16日朝に発表される12月機械受注と1月貿易統計が注目される。
海外では14日発表の米国1月消費者物価指数、15日に発表される米国1月の小売売上高と鉱工業生産、16日に発表される米国1月住宅着工件数、17日に発表される米国1月コンファレンス・ボード景気先行指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(2月6日~2月10日)
2月6日(月)
4日続伸、米株軟調も円安を好感し買い優勢
日経平均 27693.65( +184.19) 売買高13億1554万株 売買代金3兆0174億円
2月7日(火)
5日ぶり小反落、朝高も利益確定売りが優勢
日経平均 27685.47( -8.18) 売買高11億2651万株 売買代金2兆6424億円
2月8日(水)
続落、寄与度の高い値がさ株の下げが重荷
日経平均 27606.46( -79.01) 売買高10億9500万株 売買代金2兆7877億円
2月9日(木)
3日続落、米株安を受け半導体関連株が売られる
日経平均 27584.35( -22.11) 売買高10億4373万株 売買代金2兆5791億円
2月10日(金)
4日ぶり反発、半導体や鉄鋼などの好業績が買われる
日経平均 27670.98( +86.63) 売買高13億9618万株 売買代金3兆4509億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、23業種が値上がり
(2)上昇率トップは丸紅など卸売
(3)オリックスなどその他金融、三菱UFJなど銀行、MS&ADなど保険といった金融株が大きく買われた
(4)郵船など海運、コマツなど機械、日本製鉄など鉄鋼といった景気敏感株も高い
(5)内需株はまちまち。三菱倉など倉庫・運輸、積水ハウスなど建設が堅調も
ソフトバンクGなど情報・通信、エムスリーなどサービスは売られた
(6)輸出株はトヨタなど自動車、ソニーGなど電機が総じて軟調
(7)値下がり率トップは任天堂などその他製品。次いでANAHDなど空運が安い
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(4) 人工知能
2(14) 監視カメラ
3(1) パワー半導体
4(2) 半導体
5(7) TOPIXコア30
※カッコは前週の順位
株探ニュース(minkabu PRESS)
■モーニングスター 2023.2.11
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株式週間展望=選別物色の様相、日米中銀の動向注視
日経平均予想レンジ:2万7300-2万8300円
東京株式市場は今週、日経平均株価が前半にかけて上値の重い展開となったが、後半に復調するとオプションSQ(特別清算指数)算出日の週末10日は騰勢を強める場面があった。
一方、個別では物色圏外に追いやられる銘柄も目立ち、まだらな色合いを帯びている。
目先は日銀新総裁の人事や、FRB(米連邦準備制度理事会)関係者の発言の金融市場への影響が注視される。
<国内金融機関が現物売り継続>
今週は日経平均が2万7800円を上回る場面がたびたびあったが、戻り売り圧力が強まり押し戻されるパターンを繰り返した。
一時前日比で200円超上げた10日も、この水準で頭を打った。
終値は2万7670円(前週末比161円高)。
東証プライム全体に占める値上がり銘柄の比率は今週、40-50%台で推移し、10日の日経平均高値時点でも値上がりと値下がりの差は大きく広がらなかった。
足元の決算発表を通して事業環境の厳しさが鮮明となる中で、投資家の選別眼が厳しさを増している様子がうかがえる。
また、大口の継続的な売りを指摘する声もある。
東証公表の投資部門別売買状況(2市場)によれば、年金の動きを映す「信託銀行」が現物株ベースで2月1週まで12週連続で売り越した。
規模はさほど大きくないものの、前週は約1700億円、前々週は1900億円だ。
生損保なども売り優勢が続き、今年に入って外国勢が現物・先物を合わせて買い越す傾向にある一方で、国内金融機関の現物外しに歯止めが掛からない。
こうした背景として、市場関係者の間では「年金や地銀が、金融引き締めに伴う債券の損失を現物株の売却益で補てんしているのではないか」という見方も挙がっている。
真偽は不明だが、年金売りが今後一巡すれば幅広い銘柄の上値の重しが外れると考えられる。
<日銀次期総裁を提示へ>
注目の日銀の次期正・副総裁をめぐっては、政府の人事案が来週14日にも明らかになる見通しだ。
打診が報じられた雨宮副総裁については、ここへきて政府・与党からそれを否定する動きが相次いだ。
代わって、浮上したのが経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏だ。
植田氏は、過去に拙速な金融引き締めに否定的な見解を示しており、「ハト派」ととらえられる。
一方、米国ではFRBの早期利下げ転換への期待が一時より後退している。
日銀、FRBの動きに伴う日米金利差の変化は、ドル・円を通じて日本株に大きく影響してくる。
FRB関係者の講演は現地10日にウォラー理事、13日にボウマン理事、16日にクック理事が控える。
利上げの長期化を志向する発言があれば、米長期金利の上昇が想定される。
さらに、日銀総裁に植田氏が提示されれば、円安に圧力が掛かるかもしれない。
来週の日経平均の予想レンジは2万7300-2万8300円とする。
国内では15日に1月訪日外客数、16日に12月機械受注と1月貿易統計が発表される。
海外は14日に米1月CPI(消費者物価指数)、15日に米1月小売売上高と1月鉱工業生産、16日に米1月住宅着工件数とPPI(生産者物価指数)が控える。
提供:モーニングスター社