みなさんはワカサギという魚をご存じでしょうか?きっと多くの方は,「湖にすんでいて,氷上の穴釣りで有名な,あの小さくてかわいらしい淡水魚でしょ?」と答えるに違いない。しかし,本来は海で生活し川で産卵するため,海から閉ざされた場所には分布しない。サケと同じ遡河回遊魚といわれる仲間である。ところが,今から100年前の1909年に,茨城県の涸沼から福島県の松川浦に移植され繁殖に成功したのが始まりで,各地に発眼卵が移植され,現在では全国の100箇所以上のダム湖,人工湖などの淡水湖で生息が確認されるようになった。図1は全国のワカサギの分布を示したものである。このように,北は北海道から南は鹿児島県の池田湖まで分布を広げており全国的に淡水魚というイメージが強い。
岩手県沿岸では,チカというワカサギに大変よく似ている魚がいる。あまりに似すぎるので,チカ=ワカサギと取られている釣り人がいるが,実は両者は交雑することのない全くの別種である。
図1国内におけるワカサギの分布(浜田 1986改編)
岩手県沿岸では,チカというワカサギに大変よく似ている魚がいる。あまりに似すぎるので,チカ=ワカサギと取られている釣り人がいるが,実は両者は交雑することのない全くの別種である。
図1国内におけるワカサギの分布(浜田 1986改編)