All Mod Cons

The Style of Paul Weller is Here! Keep Cool and Stay Hip!!

新宿駅最後の小さなお店 ベルク

2017-01-09 | Book

新宿駅最後の小さなお店ベルク
知る人ぞ知る新宿東口駅ビル地下で長年営業する「個人経営」の喫茶店「ベルク」のパンクなストーリーである。
この店で提供される飲み物、食事、雰囲気、ホスピタリティはとても人間に優しい。しかし、それが故、様々な圧力や手間が。
いつから日本にはチョー資本主義的な経営システムばかりがはびこり、てめーの経営効率ばかりを追求する独善的な非サステナブルな企業ばかりになってしまったのだろう。
店長であり筆者である井野氏の考え方や行動は、一見ラディカルのように見える。が、よくよく考えれば彼のそれは極めて「人間的」であり、本来の日本人が持つ「優しさ」にあふれている。
これは、これからの経営の本でもあり、マーケティングの本でもあり、生き方の本でもあり、いい食べ物の本でもあり、Love&Peaceな本であり、クラフトマンシップの本でもある。
なんてスクエアな書評よりベルクでコーヒー飲めばすべてがわかりますよ。

http://www.berg.jp/

沢木耕太郎「キャパの十字架」

2016-05-29 | Book

キャパの十字架 (文春文庫)
沢木耕太郎の本を買ったのはすごく久しぶり。どうも彼のエッセイは好きになれず、深夜特急は一冊も読んでいない。「敗れざる者たち」や「テロルの決算」などに、本来陽の目があたらない人物にフォーカスをあて、圧倒的な取材力であぶり出された真実には大きく心を動かされ、ルポルタージュの虜になった。オリオンズの榎本喜八のルポなどはその真骨頂だと思う。
そんな彼が敬愛するキャパの有名な一枚の写真の真実を、彼持ち前の圧倒的な執念と取材力であぶり出していく。その結果はどうであれ、そのプロセスに触れて改めて感銘を受ける。
ネットやソーシャルメディアで情報が入りやすくなった分、情報に踊らされる世の中、自分なりの仮説を講じて納得の行くまで取材を積み重ねる沢木耕太郎のスタイルは、今まさにかけているものだと感じた。自戒も含めて。

沢木耕太郎は、自身のアイドルの一人であるキャパの真実を自らの手で解明してしまったが、キャパへの親愛の情は変わらないと書いている。そういうことだと思う。この真実を知っていようがいまいが「キャパの一枚」の価値が、俺の中で変わることはない。







内山 節 「半市場経済」

2016-05-02 | Book

半市場経済 成長だけでない「共創社会」の時代 (角川新書)
今の経済システムでいいと思っている人は少ないだろう。お金持ちでまだまだ資産を増やしたくて、そして、税金は取られたくないのでパナマやケイマン諸島で節税してる恥知らずの人間や企業以外は....。しかしながら19世紀半ばから続くこのシステムに変わるシステムは生まれてきていない。アンチテーゼとして巻き起こった共産主義はもろくも崩れ去り、資本主義はより一層悪魔の循環である超資本主義となり、より一層の富の集中が行われている。自然界や人間の体も良い循環が行われずどこかに膿が溜まってしまうと調子が悪くなる。今の「超資本主義」はまさにそれだ。日本ほどこの経済システムの変化に追従し(させられ?)、大きく自身も変化してきたが、日本の持つ本来の倫理性が失われていることに憂う人たちも増えてきている。
この本の著者内山氏は超資本主義の原因をあぶり出し、新しいシステムを「半市場経済」と名付けたイノベーションを提唱している。実際「物や時間の私的所有」を「共有、共創」する若い世代を中心に新しい動きが活発しているケーススタディを取り上げ、そのロジックを解明している。大きな動きではないが、かといって小さい動きではない。やや違う文脈ではあるはポーターの提唱するCSVは修正資本主義として語られ、UnileverやP&G、GEなどのグローバル企業は経営の柱として、社会課題解決とビジネス成果の両立を経営目標(定量目標)に掲げ、実績を出し始めている。
日本でも無印良品などはその代表的な企業で、宣伝広告なしにビジネスを伸ばし、海外進出でも成功を納め出している。共有価値が顧客との間に明確だからであろう。
「志」「共有価値」「縁」などこれからのビジネスのキーワードが満載な一冊である。

革命のジョン・レノン

2016-03-20 | Book

革命のジョン・レノン: サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ
ニクソンはせせこましくて弱々しい人間だった。故にびくびくして、アメリカを、世界をよくしようというより自分に少しでも歯向かう人間を徹底的に追い込んだ。しかし、アメリカは民主主義の国だった。ジョンもすごいが独裁を許さない民主主義がワークした。愛と革命の人ジョンのストーリーでもあるが、アメリカの民主主義のストーリーでもある。日本も今は同じ状況だと思う。桑田は残念ながらおとなしくなり、ジョンにはなれなかった。でもSEALDsが出てきた。日本でも新しい、本当の民主主義が必要。天敵安倍さんはニクソンと同じで小心者。歴史は繰り返す。

筑紫哲也"若き友人へ"

2010-11-28 | Book
私のアイドルの一人だった筑紫哲也が亡くなって2年。彼が早稲田と同志社で学生向けに講演したものをラストメッセージという形でまとめたものである。がんにかかり、死に直面しながらも冷静に、あたたかく語りかけている。書中にある「愛国主義は悪党の最後の隠れ家である。」にともかく共鳴する。彼の死後起こった政治の変化、すすむ右傾化、アジアの危機、日本の政治家のリーダーシップとビジョンの欠如など様々なことが相変わらず起き続けているが、今こそ彼のような冷静な「アジテーター」がいればと思う、今日この頃です。

村上ソングス

2010-11-24 | Book
村上春樹が様々なアメリカンPOPから選定し、翻訳、それに和田誠の挿絵を掲載、というなんとも贅沢な本。彼が取り上げたのはビーチボーイズやドアーズ、REM、Bruce SpringsteenなどのRockから様々なスタンダードまで、実に幅広い。曲は大体知っていたが、その歌詞のほとんどちゃんと読んでなかった。いやー、何かこれ読んですっきり。最近音楽を聴けてなくて、ややフラストレーション気味だったが、この本はEPを何曲か聴いた感じです。いい本だなー。

経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか

2009-05-05 | Book
経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか

良識ある人間なら誰でも考えている(?)経済成長がもたらす地球への悪影響を、有名なタイタニックに置き換え、誰もがきずいているけど止められない減少としている。経済「発展」に置き換えられ、洗脳された大国の覇権イデオロギー、正義の暴力を肯定する「民主主義」の非民主主義性など、矛盾に生きる現代社会を過去の文献などを紐解き、現実的な問題として捉えた、極めて「リベラル」な本である。この手の主張に対し右翼的な、マッチョ的な人達(中川何がし、石原何がし、前原何がしなどなど)は「理想主義」「非現実的」と言うが、今の現実を見たらどっちが非現実的なんだ!


伊丹十三 ヨーロッパ退屈日記

2009-01-21 | Book
ヨーロッパ退屈日記 (文春文庫 131-3)

最近のブルータスに取り上げられていて思い出した、私にとっての聖書のひとつです。この本に書かれた本質の見分け方や彼のコスモポリタン的な考え方にいたく感動し、初のヨーロッパ旅行(28年前....冷汗)にも持っていった覚えがあります。頑固なまでの姿勢、しかし、物事の本質をきちんと見極めた上でのそれは、とてもかっこよく思えました。あのような最期を終えたことがとても残念でなりません。今頃生きていたらさぞやこのポリシーのない日本の政治家どもに爽快なまでの克を入れてくれたに違いありません。

SIGHT 8月号 「反対しないと、戦争は終わらない」

2007-08-26 | Book
sight 8月号

久しぶりにスカッとした一冊です。従来のようなリベラル=左翼=正義=非現実的=理想主義者=弱腰、みたいな論調でなく、おかしいことはちゃんと言いましょう!反戦ってむしろ現実的な手法ですよ!渋谷さんはロックし続けてますね。民主党の枝野氏のいう「したたかな鳩派、したたかなリベラル」はいいですね。しかしこれ読むとアベちゃんこそが理想主義者でですね。彼が首相の限り憲法は守れそうです。(笑)

プリンシプルのない日本

2007-03-21 | Book
プリンシプルのない日本

50年以上前に書かれているのにまさに今の時代に必読の書ですね。考えてみれば当たり前で「筋を通す」「原理原則をきちんと考える」ことを実践している白洲なのでどんな時代でも通用するのだろう。現首相のアベちゃんにはこれがないのですね。何のために憲法改正したいのか?(爺さんの野望を達成したいから?)何故美しい国なのか?おれも今これをきちんと考え行動しなくては!しかし白洲次郎ってすごいクールですね。

太田光・中沢新一 "憲法九条を世界遺産に"

2007-01-02 | Book
憲法九条を世界遺産に

太田光の目論見は成功しているようですね。現実論者という名のあほな政治家どもが、北朝鮮の存在をそれこそ自己存在のよりどころとばかりに、九条の改憲を唱えているが、太田は独特の視点で九条議論を従来の議論のような陰湿なものにならずに、ゴールデンアワーでも取り上げられる"ネタ"にしている。彼により護憲派=理想家vs改憲派=右翼という従来のプロトタイプな議論だけでなくなってきています。私は太田や村上春樹がいうように矛盾をはらんだこの九条にもう少し付き合ってもいいと思ってます。ともかく、アベチャンのように、自分のおじいさんの悲願達成を理由に改憲されたら堪らんです。

Jonathan Borofsky "夢をみた"

2006-07-28 | Book
「サルバドール・ダリから手紙をもらった夢をみた。

やあジョン、平凡と前衛のあいだにはほとんど違いがない。それでは。サルバドール・ダリ  2487690」

「UFOが着陸する夢をみた。そして私の目の前で分解してしまった。 2525054」

現代美術家ジョナサン・ボロフスキーが見た夢を記録した本です。イラストと共に記録された夢は時にはシュールであり、時には現実的である。時にはあたかも自分が見たことのあるような夢がでてきます。

これにかぶれて一時夢を記録しようと試みたことがありましたが.....全然無理でした。

1,2のアッホ

2005-07-31 | Book
Modsとは関係ないですが、こんなシュールで、シニカルで、めちゃくちゃな本格学園お笑い漫画は他にない!とひそかに思ってますが、理解者は少ないです。これをおもしろいと思う人とは絶対に友達になれます。(笑)高校時代(1978年ごろ)の少年ジャンプに連載されてました。