人生で、世の中には、こんなにおいしいものがあったのか!と、思うことが、何度かありました。
ところてんとか、プラムとか、資生堂パーラーのチーズケーキとか。他にもいろいろあった気がするけど…
…新幹線で食べるバニラアイスとか。…新幹線はもう20年以上乗ってないけど、今でもスプーンが折れるくらい固いのかな…?そんなことないか。
でも、一番は、母方のばーちゃんの作ってくれたお味噌汁だった気がします。
小さい頃から、ばーちゃんちに行くたびに、ばーちゃんお味噌汁作って、と、作ってもらっていました。5年くらい香川にいたからなかなか会えなかったけれど、電話でお話するだけで、お味噌汁のにおいがする!気がしたものです。作り方を教えてもらっていれば良かったなあ。どんなお味噌を使ってたんだろう、とか、出汁は何で取ってたんだろうとか…。確か、毎回大きなシイタケをまるっと一個入れてたなあ、とか、でも、私がやってもあんなにおいしくならない。
父方の祖母もいろいろ作ってくれましたが、特によく作ってくれたのは、混ぜご飯。
これが、子供としては、どうしても食べられない…。でも、食べろと言われるし、大人はみんな、おいしいでしょ、って言うので、時間をかけて、涙をこらえつつ、時々泣きながら、食べていました。今なら食べられる気もしますが、子供の味覚は大人よりもずっとずっと敏感だから、嫌いなものでも食べなさい、って、大人が食べるより、子供はずっと苦しいはず、って思います。
大きくなると、うまく回避もできるようになったりもしますが…
しかし、祖母が亡くなってしばらくして、親戚で集まった時に、
「そういえば、ここのおばあさんの混ぜご飯っちゃおいしくなかったねえ」
「そうそう、あれ食べると胸やけするんだよねえ」
と、みんな言っていて。
そ!そうだったのか!!!
ひどい!!!拒否権の無い子供にそんなものを無理に食べさせて!!
と、一人でおかしくなって笑いをこらえていました。みんながんばって食べてたのか!
でも、おばあさん的には、一生懸命みんなに喜んでもらおうと作っていたんだろうなあ…。
みんな、おいしい、って言って食べるし。
しかし…あれは再現できないなあ…。どうやって作っていたんだろう…。
祖母は、孫の私たちをいつまでも子供扱いしていたので、孫たちがみんな30歳を超えてからも、みんなでちょっと出かけると、子供らが帰って来ねー!!と、家の前を行ったり来たりして待っていました。大丈夫ですから…。と、言っても、そうは行かないみたい。
という話を中学生の生徒さんにしたら、
そうなんです!おばあちゃんって孫はいつまでも小さいと思ってるから!
と。
パジャマのズボンの前と後ろが分からないでしょ、と、リボンを縫い付けけてくれた!もう中学生なのに!
と。
おばあちゃんかわいい!いや、それは、良いと思う!!
私なんて!
高校生の時、体育でバレーをやるたびに転んで、ジャージのお膝両方に穴が開いてしまった。
あーあ、穴開いちゃったなー、と、思ってはいましたが、
洗濯して、また体育のある日に持って行こうとしたら母が、
「膝に穴開いてたから直しといたから」
と。
母はとても器用で、着物なんかも縫える人だし、繕い物なんてとても上手。きっと目立たないようにきれいに直してくれたんだろう、ありがたい、と、思って、でも、あまり気にも留めずにいました。
いざ体育、さあ着替え、と、ジャージを出したら、
なんと!!
両ひざに、おじゃる丸が縫い付けられていた!!
高校生なのに!!固まる私。なんか、みんなに、膝、なんかついてるよ、と、言われるし。
ひええええええ!!!
でもなんか結局卒業までそのまんまでしたけど(笑)
あ、そうそう、ばあちゃんのお味噌汁、食べたいけど、ばあちゃんもういないし、無理だよねー、と、先日レッスンに行った中学校で話したところ、心優しい中学生は一生懸命考えてくれました。
「川の石を拾ってきたら良いと思います!!」
え?!なんで?!
「川の石を拾ってくると呪われるって言うじゃないですか!」
(え?!そうなの?!)
「呪われるってことは、あっちの世界から誰か来るってことですよね!そしたら、おばあちゃんも先生の所に出てきやすいですよ!!お味噌汁作ってくれるかも!!」
なんじゃそりゃー!!
叔父にその話をすると、うちの庭石は川から運んだ庭石だが、だれも化けて出てないから、もっとでかい石じゃないと無理かも、とのこと。
やっぱりばあちゃんのお味噌汁は幻の味ですねー(^^♪
って、話が飛び飛びだあ。
気づけば七月!でも肌寒いですね!!温かくして過ごしましょう!!