遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

リスク0なんかない

2012-06-13 20:36:25 | BIONEWS
牛生レバー 「生食は文化」駆け込み特需(産経新聞) - goo ニュース
7月1日から禁止・・・。しょうがないのか、やりすぎなのか・・・。
きっかけは昨年4月に北陸の焼肉レストランチェーン「焼肉酒家えびす」で起こった食中毒事件がきっかけでした。ミキティは関係ない。(笑)
普通の集団食中毒ならこんな規制はかからなかったと思いますが、とにかく重篤化率、というより死亡率が高すぎた。専門家の間では、「新種の菌か? それとも、毒素が新しいのか?」と不思議がられました。感染症は新たなものが出ると人間の対応力には限界がありますからやばいです。特に日本人は普段めちゃくちゃ清潔な環境で生活してますから、めちゃ弱い♪ そもそもO157なんて昔はありふれた食中毒菌だったのに、今の日本人はバタバタ死んじゃう。
レバーを焼き用として出しといて、「生で食べてもそれはお客のやったこと」てな感じの焼肉屋が出てくるんでしょうね(実際あるらしい)。そもそも日本では肉にどれくらい火を通すかは、お客さんが決めてたはずです。食べる人の自己責任でいいと思うので、私ゃそれでOKです。同じテーブルを囲む人に小さな子供や老人や病み上がりがいなければね。

ガンマ線殺菌すれば生で普通に喰えるはずなんですが、放射線オカルトが今大流行ですから、それはあかんのでしょうなぁ

「悪いiPS細胞」判別法、山中教授ら発見(読売新聞) - goo ニュース
iPS細胞の医療での利用で一番の問題は、がん細胞の発生確率の高さでした。記事の文章でははっきり分からぬのですが、狙った細胞への変化の割合が80~95%にとどまる「悪いiPS細胞」を判別する方法を見つけるために、それぞれのiPS細胞の遺伝子の発現レベルを調べて特定の3つの遺伝子の発現が指標になることを発見した・・・のだと思う。

あのさ、素人が記事を書くなよ。読み手のほとんどが情弱だとしても、最低限玄人が読んでそれと分かる文章を発表すべきです。そうでないと「誰にも分からない文章」になっちまう。それさえも書いた記者には判断できないんでしょ。いい加減にそれを止めろ。就職の見つからない理系の学生は今いくらでもいるぞ。雇ってやってほしい。文系の仕事は誰にでも出来るはず。w

日本人を相手にする場合、リスク0が求められるところがアホらしいので、医療をめざす応用研究は米国でやった方がいいと思うな。日本ではそれらの遺伝子発現がなんで癌化の指標になるのか等の基礎研究をやればいいと思う。

本日の酒:KIRIN CLASSIC LAGER + 高知栗焼酎 ダバダ火振
コメント (2)
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