法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』 - 問題・課題・ニーズ分析

2018-07-29 23:42:15 | ・・顧客の課題・問題を分析する
顧客の投資の背景となる問題・課題・ニーズの整理・分析を行うツールです。顧客の抱えている問題や課題が複数ある場合は、顧客の中での優先順位を想定し、ソリューションを準備します。

生産財の営業の場合、顧客と良好な関係が気づけている場合は、顧客から問題や課題を聞き出すことは可能でしょう。信頼されていれば、むしろ顧客の方から相談してくるはずです。

しかし、顧客と良好な関係を築くまでは、顧客から問題や課題を聴きだすことが大変難しい場合がほとんどです。その場合は、業界情報・同業他社の情報などの外部情報を活用し、想定してみるとよいでしょう。

私も新規開拓の顧客では、人間関係の構築に時間を要し、問題や課題を聞き出すことができませんでした。最初のプレゼンの機会をいただいたときは、同業他社で次世代製品を開発・製造する上で課題となっている点とそのソリューションをプレゼンしました。

また、すでに取引のある顧客の場合、現場に入っているエンジニアが顧客のエンジニアと良好な人間関係を築き、そこから情報を得ることもできます。むしろ、現場に近いエンジニ経由の情報入手を積極的に活用すべきと考えます。

しかし、顧客自身も問題に気づいていない場合や業務プロセスの問題の場合は、事実となる情報を集め、現状とあるべき姿を明確にし、問題を抽出し、解決すべき問題が何かを絞り込む必要があります。問題・解決の手法には様々なものがありますので、今後、述べていくことにしましょう。

下記は、測定器メーカー営業が作成した問題・ソリューションの一例。
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『理詰めの営業』 - 顧客基礎情報の収集・分析(更新)

2018-07-23 23:10:32 | ・・顧客の基礎情報を収集・分析する
顧客基礎情報の収集・分析
顧客の現状分析に必要な基礎的情報の収集と不足情報に関する入手計画を立案するツールです。新規顧客の場合は最初のステップであり、既存顧客であれば最新情報に更新するステップです。

必要情報は、企業業績、関連事業業績、中期・長期事業計画、本年度投資計画、組織図、意思決定プロセス、当該企業の課題、競合情報などです。

これらの情報から顧客の全体像を把握し、当該案件の実施の確度(本気度)や関係者の洗い出し等に活用します。

1.企業業績、関連事業業績、中期・長期投資計画、本年度投資計画
株主向けの情報や四季報、経済新聞、業界新聞などでこれらの情報を収集します。関連事業の企画部門や購買部門からも必要な情報を入手できる場合もあります。もっと効果的なのは、会社のトップ同士が懇意になり、日ごろの付き合いの中で、投資情報等を聞き出すというのがもっとも現実的で精度の高い情報入手方法と言えるでしょう。本年度の投資計画に限って言えば、関連部門の部長・課長からも入手可能です。

2.問題・課題
企業には大きな経営課題から現場の問題・課題まで様々な問題・課題があります。ここでは、貴社が提供するソリューションに関連する問題・課題を整理します。それらが経営課題と結びついていれば、実施の可能性は高くなります。

3.組織図(全体・関連部署)
当該企業全体の組織と案件と関連のある部署の組織図を入手します。既存顧客の場合は、組織図上で、貴社に好意的な顧客、貴社に好意的でない顧客(いわゆるアンチ)と中立的な顧客に色分けしましょう。人間関係構築に関する課題が見えてきます。

4. 意思決定プロセス
意思決定プロセスは、投資計画立案段階か、実施を決める段階かなど、案件の進捗状況や会社の組織あるいは購買手続きの変更等により変わっていきます。また、最終的には社長あるいは当該事業の事業部長・役員が承認することになるのでしょうが、実際には現場の課長の意見が尊重される会社もあります。実質的で最新の意思決定プロセスを把握しておきましょう。

5. サプライチェーン
当該企業の上流および下流のサプライチェーンを調べましょう。例えば、貴社が計測器メーカーで、当該顧客の販売先を知っている場合、その販売先から貴社の計測機で検査したものを納品するように仕様書に書いてもらくことにより商談を有利に導くことができます。あるいは、逆に当該顧客の部品納入業者に計測器を買ってもらい、当該顧客での歩留まり改善を図るという方法も考えられます。

6. 競合情報
当該案件と関連のある競合情報の収集です。長年、同じビジネスを行っていれば競合情報はある程度蓄えていると思います。提供する製品やサービスによっては、見方を変えて競合を探す必要があります。例えば、マクドナルドの競合は、ハンバーガーという切り口で言えばモスバーガーやバーガーキングなどですが、ランチの価格帯で見ると、コンビニ弁当や吉野家の牛丼などが競合になります。貴社の製品、サービスをいくつかの切り口で分析してみましょう。

7. 業界情報
業界紙やサプライチェーンの中での情報収集から、業界としての技術トレンドや課題、大きな潮流などをつかんでおきましょう。大きな潮流が変わると、貴社の製品やサービスは不要になるかもしれません。直近の案件のためというよりも、営業トークのタネ、あるいは、中長期的なビジョン作成のためと考えていただければと思います。

顧客基礎情報は、顧客の全体像を把握し、今回の投資の確度の分析や関係者の洗い出し、あるいは顧客の選択等にも活用します。これらの情報の収集・分析の一部は、マーケティングの仕事ですが、マーケティング部のない企業では、営業が積極的かつ日常的に行わなければなりません。

実際のところ、営業が個人的にこれらの情報を収集するのは不可能に近いと言えます。また、タダで入手できる情報には限界があります。業界に精通したマーケティング会社から情報を買うなど会社としての対応が必要です。



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『理詰めの営業』 - 営業ステップの定義

2018-07-09 19:07:11 | ・・営業ステップを定義する
トップセールスパーソンは、引き合いがあると、蓄積した顧客情報等をもとに受注までの営業ステップを即座に頭に描きます。営業ステップは、業界、業種、製品、サービス等により異なります。また。顧客によっても異なります。

例えば、ある工作機械メーカーの営業の場合、顧客との関係構築~課題の把握~デモの提案~デモの実施~デモ結果報告~仕様提案~価格交渉~受注~納入・立上げといった具合です。

また、あるSIの会社は、顧客との関係構築~案件としての登録~顧客の購買意欲の確認~案件として確定~ソリューションの提案~成約~導入という営業ステップを確立しています。

実際の営業ステップの定義では、顧客がその製品あるいはサービスを必要としている時期から逆算していくことが多いかと思います。

例えば、上記、工作機械メーカーの場合、顧客が当該装置を2019年6月に稼働させる必要があるとすると、
2019年6月:稼働
ゴールデンウィーク中の立ち上げを了解いただけるとして、
同5月:立ち上げ(2週間)・試運転(2週間)
同5月頭:納品
当該装置の納期は6か月なので、
2018年10月末:受注
同10月:最終仕様提案・価格交渉
同9月下旬:デモ結果報告
同9月上旬:デモ実施
同8月上旬(お盆のまえまでに):デモの提案
同7月中旬:課題の確認
となります。

すでに顧客との関係が構築できている場合は、このステップでできますが、そうでない場合は、もっとも重要な非公式購買プロセスが省略されることになり、当て馬としてデモに参加するだけで勝算は極めて低くなります。

どの程度の期間でデモ提案から実施まで顧客を持っていけるか、価格交渉をどの程度の期間で終わらせられるかは、顧客との関係や営業の経験・スキルに依存します。また、製品やサービスごとの納期に関しても、どこまで無理が効くかなど営業として知識・経験が必要になります。

案件は個人で抱えるのではなく、チームとして、会社として共有することにより、デモの実施のためのエンジニアの協力や納期の調整等社内調整も得やすくなります。この共有の仕組みを会社として作ることが重要です。

この営業ステップは、進捗とともに随時見直します。顧客の納入スケジュールの変更、顧客の組織変更など、受注まで時間のかかるコンプレックスセールスでは、変更が当たり前と考えた方がよいでしょう。

今、お持ちの案件ごとに、営業ステップを書いてみましょう。そのステップを一つ一つ進めていけば、必ず受注につながります。まだ、具体的な案件がない新規顧客開発のような場合でも、営業ステップを書くことにより、戦略が練りやすくなり、やるべきことが見えてきます。

営業活動は『顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること』です。

『理詰めの営業』を活用して、各営業ステップで、顧客支援と誘導を戦略的に行い、営業ステップを一つ一つ確実に進めていきましょう。

< 営業ステップ記入票と記入例 >

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『理詰めの営業』の考え方

2018-07-02 21:01:14 | 『理詰めの営業』そのコンセプト
営業活動は『顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること』です。

各購買段階での顧客支援と誘導を戦略的に行い、営業ステップを進めるツールが『理詰めの営業』です。

『理詰めの営業』は、営業ステップ(営業プロセス)マネジメント・ツールです。各ステップで以下の分析ツールを使い、営業ステップを進め、顧客を自社に誘導する戦略・戦術を考えます。

・顧客基礎情報分析
・問題・課題・ニーズ分析
・関係顧客分析
・競合分析
・自社分析

そして、節目、節目で重要となるのが、顧客との会議です。会議こそ上記の戦略・戦術を実現する場です。この会議を有効に活用するためのツールが「会議設計」です。

以後のブログでは、まず各ツールの詳細を説明し、その後、私が経験した事例を紹介します。

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