法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

営業関連書籍紹介:『価値づくり経営の論理』- 営業として改めて付加価値を考える

2022-04-24 14:31:09 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:価値づくり経営の論理
出版社:日本経済新聞出版社
著者:延岡健太郎(一橋大学イノベーション研究センター教授)

『価値づくり経営の論理』は、付加価値を改めて定義し、消費財および生産財における付加価値創出の事例を上げ、そのマネジメントの方法を提案している。

第4章で詳述される意味的価値とは、一言で言えば、「顧客の好みや感性、および使用する状況・文脈などから、顧客が主観的に意味づけする価値」である。

製造業のマネジメントにとっては必読の書と言え、また、営業にとっても、どう付加価値を顧客に提案していくべきかを考える手掛かりになるであろう。

章立ては以下のとおり。

第1章 日本企業低迷の本質
第2章 価値づくりができなくなった日本企業
第3章 求められるのは独自性と顧客価値
第4章 意味的価値の論理で差をつける
第5章 消費財を強化する意味的価値
第6章 生産財の魅力を高める意味的価値
第7章 模倣されない組織能力を構築する
第8章 積み重ね技術のマネジメントで価値を獲得
終 章 価値づくりに向けて

弊社の営業力強化ツール「バリュー・セリング(理詰めの営業)」では、その効果を以下のように捉えている。

「バリュー・セリング」の効果
・顧客情報を共有し、属人的な営業からグループ営業へ転換が可能となる。
・案件ごとの状況が明らかとなり、成功までの行動管理ができる。
・競争の土俵を価格からバリューにシフトさせ、不要なディスカウントを無くし、営業が主体となった利益率の改善が図られる。
・案件の取りこぼしがなくなり、売り上げの向上が実現できる。
・ロジカルに物事を考える思考方法が体得できる。
・日本的な精神論ではないロジカルなアプローチであり、海外の代理店や営業にも抵抗なく展開できます。

ここで言うバリューとは、もちろん付加価値のことだ。

私が在籍していたIBMでは「我々は製品を売っているのではない、その機能を売っているのだ。」と教えられた。

その製品あるいはサービスが提供する価値を顧客に認識させ、安易な価格競争を避けるのが「バリュー・セリング」の狙いの一つである。

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営業関連書籍紹介:『「本物の営業マン」の話をしよう』- 一読発見・再読納得

2022-04-17 00:25:11 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:「本物の営業マン」の話をしよう
出版社:PHP研究所
著者:佐々木常夫

第1章 あなたは本物の営業マンか
第2章 事実をつかむことからはじめよう
第3章 鍛えるべきは社内営業力
第4章 "人柄のよさ"だけでは戦えない
第5章 顧客を幸せにして、自らを磨ける仕事

『「本物の営業マン」の話をしよう』(PHPビジネス新書:佐々木常夫著)を再読してみました。



著者の佐々木氏は、根っからの営業ではなく東レにて経営企画などのスタッフ業務に主に従事し、営業経験は42歳からの2年間ほどで、しかも生産財の営業とのことです。

佐々木氏は冒頭で「営業というのはその事業に関する会社の司令塔であり、その事業の損益のあらゆる責任を持つ仕事である」との考えを述べています。

すなわち、営業は単に物やサービスを売るのではなく、継続的に事業を営むという利益責任を伴うとしています。

新しい商品を開発部門に作ってもらうことも、また、生産部門に適切な品質やコストを確保してもらうことも大事な営業の仕事であり、特に「生産財の営業にはこのような機能はMUST」としています。

これはマーケティングの機能ですが、日本の生産財メーカーでは営業にこの機能を持たせているということで欧米の企業とは大きく異なります。

マーケティングは別組織にすべきという私とは見解を異にします。

しかし、佐々木氏は「マーケティングとは小手先のスキル、技法ではない」とマーケティングの難しさ・専門性を分かった上で、営業にその機能を持たせているようです。

顧客対応力として顧客の分析、個人としての目標の把握など『理詰めの営業』の「関係顧客分析」に相当する内容についても触れています。

PHPブックフェアの帯「一読発見・再読納得」も気に入りました。

さて、「本物の営業マン」とは?

根っからの営業ではないが、営業が好きという人あるいは私のように元エンジニアの営業にはお勧めの本です。
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営業関連書籍紹介:『営業をマネジメントする』- 営業研究の第一人者が語る「属人的営業から合理的な組織営業」

2022-04-10 01:26:10 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:営業をマネジメントする
出版社:岩波原題文庫
著者:石井淳蔵



章立ては以下のとおり。

第1章 営業という仕事の意味を探る
第2章 営業の誇りの陰にあるジレンマを探る
第3章 属人の営業と組織の営業の違いを見る
第4章 営業の好機をとらえる
第5章 変化を予期して備える
第6章 営業プロセス・マネジメントの拡がりを知る
第7章 お客さんとの関係をマネジメントする
第8章 マネジメントを深く考える

属人的な営業は、伝承ができないなどデメリットも大きい。

日本の営業の良さを活かしつつ、組織としてスキル・情報を蓄積できる仕組みが必要と説いている。

その一つが営業プロセスマネジメント。営業プロセスを分解し、プロセスごとの専門の営業の育成等を推奨している。

内容は学術的な堅苦しいものではなく、取り上げられている事例は身近なもので分かりやすい。

新人営業にお薦めの本の一冊である。文庫本なので通勤時間に読める。

ゲームをやっている時間があったら読書!!

なお、『理詰めの営業』も手法は異なるが、営業プロセス・マネジメントを基本としている。
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営業関連書籍紹介:『チャレンジャー・セールス・モデル』- ソリューション営業を超えるためには!

2022-04-03 15:41:55 | 営業関連書籍の紹介
書籍名:チャレンジャー・セールス・モデル - 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」
   (英語名は、The Challenger Sale - Taking Control of the Customer Conversation)
出版社:海と月社
著者:マシュー・ディクソン&ブレント・アダムソン、序章はニール・ラッカム*(三木俊哉訳)
*ニール・ラッカムは、『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』の著者



章立ては以下のとおり。

はじめに 驚くべき発見
第1章 ソリューション営業の進化
第2章 チャレンジャー① ハイパフォーマンスを生む新モデル
第3章 チャレンジャー② 新モデルを移植する
第4章 差別化のための「指導」① なぜインサイトが必要なのか?
第5章 差別化のための「指導」② インサイト主導の会話の進め方
第6章 共感を得るための「適応」
第7章 営業プロセスの「支配」
第8章 営業マネージャーと「チャレンジャー・セールス・モデル」
第9章 先例に学ぶ
おわりに  営業を超えたチャレンジ

この本の帯に、こう書かれている。

我々の「理想の営業像」は完全に間違いだった。

営業には、①ハードワーカー(勤勉タイプ)、②チャレンジャー(論客タイプ)、③リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)、④ローンウルフ(一匹狼タイプ)、⑤リアクティブ・プロブレム・ソルバー(受動的問題解決タイプ)の5タイプがあり、③の関係構築タイプが最も営業成績が良いと予想されていた。

しかし、4年間90社6000人の調査の結果から、営業成績が優秀なのは、②の「チャレンジャー」であることが判明した。

それは、何故か、インサイトとは、チャレンジャータイプの営業を育成するにはどうすべきか、を説いたのが、この本である。

先週、紹介した『営業の教科書』の第3章と第4章の論文で、『チャレンジャー・セールス・モデル』の概要を把握できる。

私も研究を続けているが、このセールス・モデルのエッセンスを日本人向けに取入れ、体系化・システム化するには、まだまだ時間が必要だ。
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