法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- マーケティング3.0とコンプレックスセールス3.0

2023-07-09 09:04:17 | マーケティングと理詰めの営業
先週のブログで書いたように私はエンジニアからエンジニアとしてのバックグラウンドを活かせるプロダクト・マーケティングに転身し、その後、(実際には並行して)営業を行いました。

営業として「マーケティングから営業のやるべきこと」を学ぶことは大切です。この学びが『理詰めの営業』の一番の基礎となっています。

マーケティングの大家、フィリップ・コトラーは、『マーケティング3.0』の中で、

・マーケティング1.0:製品中心のマーケティング
・マーケティング2.0:顧客中心のマーケティング
・マーケティング3.0:人間中心のマーケティング


という大きな流れを示しました。

これらに対応する営業を考えてみました。

マーケティング1.0「製品中心のマーケティング」は、日本の場合、高度成長期から半導体や自動車などのモノづくりで世界市場を席巻した1980年代までのマーケティングです。

これに対応する日本の営業は、営業1.0「根性・気力・気合の営業」でしょう。
「日本の営業」としたのは、海外の営業はもう少し洗練されていて、日本ほど体育会系ではないからです。
この体育会系営業で、日本を経済大国に押し上げました。時代にマッチしていたのです。

マーケティング2.0「顧客中心のマーケティング」は、バブル崩壊後の成熟市場でのマーケティングです。

顧客が何を欲しているか分からない、顧客自身も何を欲しているか分からない、そんな時代のマーケティングでした。
CRM(Customer Relationship Management)など顧客情報の活用が盛んに叫ばれました。
この時代の営業を、営業2.0「顧客情報活用営業」あるいは顧客のニーズに基づく「提案営業」または「ソリューション営業」と呼びます。

マーケティング3.0「人間中心のマーケティング」は、どうでしょうか。
マーケティング3.0は、顧客を単なる購買者としてではなく、マインドとハートと精神(スピリット)を備えた全人的な存在として捉えるべきだと主張しています。

顧客をマスあるいはセグメントで括るのではなく、個人個人のニーズをとらえるべくマーケティングするのが3.0です。
実際、インターネットを活用し、個人個人をターゲットにしたマーケティングツールは整えられつつあります。
例えば、アマゾンのお勧め機能などは、個人を対象にしたマーケティングの成功例といえます。AIはその精度を更に高めます。

コンプレックスセールスのBtoBの営業を考えた場合、案件の関係者、個々人の心理面にフォーカスすることが、「人間中心のマーケティング」に通じると考えます。
問題・課題が複雑化するにつれて、意思決定に関わる人が増えるため、営業は参加者個々の求めているものを理解し、参加者間の利害調整を行う必要があります。


次回からコンプレックスセールスの「マーケティングと営業」を深掘りしていきましょう。

営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Coffee Break:営業はいらない、あるいは、消えていく運命

2023-07-02 07:49:40 | 営業コラム
経営学の大家ピーター・ドラッカーは、

「マーケティングの目的は、売り込みの必要をなくすことだ。顧客をよく知り深く理解することにより、商品やサービスが顧客に最適なものになり、自然に売れるようになることが、マーケティングの目的である」

と語っています。

松下電器(現、パナソニック)の副社長で、松下寿電子産業の社長であった稲井隆義氏は「いいものを造れば営業はいらない」として松下寿に営業部隊をおきませんでした。

(余談ですが、稲井氏(故人)は、故松下幸之助氏の運転手を務めたこともあり、幸之助氏を支える大番頭の1人で、赤外線こたつの考案により、松下寿を発展させました。運転手を社長にする松下幸之助の人材育成・人材の選定がすごい!!)。

さて、はたして営業はいらない、あるいは、消えていく運命なのでしょうか。

マーケティング・ツールに置き換え可能なのでしょうか。

AIは営業職を消滅させるテクノロジーでしょうか。

私は顧客の誘導に戦略が必要なコンプレックスセールスの営業は生き残ると考えています。

また、経済的な価値がないものの営業、例えば、美術品なども営業力・戦略・戦術が必要であり、生き残ると思います。

しかし、そうでない営業は、すでに現実になっているように、ネットやマーケティング・ツールに取って変わられると予想します。

毎日の営業活動で体力・気力を消耗しているかとは思いますが、自分のいる業界、業種、製品・サービスに本当に営業が必要なのか、「隙間時間」に考えてみましょう。寝る前に考えると不安で寝られなくなるかもしれないので止めましょう。

<「2021年の気になるデータ」の一部。「C」のつく人とは、CEO、CFO、COO、CTOなどの肩書を持つ人のこと)>


営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする