法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- 購買行動と営業 - (2)情報提供と調査支援

2024-09-28 19:51:01 | ・・購買行動と営業プロセス
ようやく少しだけ涼しくなってきましたね。読書の秋、マーケティングの本を一冊読むのも良いのでは。

という訳で、そのマーケティング「購買行動と営業」の話の続きです。



購買側行動の欄には「第二段階:必要な財の把握」とあります。この段階は、「探索の開始と計画」の段階とも言われ、顧客は、第一段階での問題意識に基づき、解決方法の調査・探索を行います。そして、問題解決計画の概要をまとめます。

問題・課題を認識した顧客は、解決方法を探します。社内情報だけでなく、業界と関連のある論文や出版物の研究、研究者からのヒアリング、セミナーへの出席、展示会の訪問、コンサルティング会社への相談、付き合いのある協力会社への相談などできる限りの手を尽くして情報収集を行います。

ここでどれだけ顧客の情報収集に貢献できるかが、これ以降の展開を左右します。第一段階で、顧客に課題を気付かせたものの、仕事を他社にもっていかれたのでは、話になりません。

営業は顧客の問題解決を一緒に行う姿勢で、顧客が問題解決計画の作成に必要な情報を積極的に提供します。自社のセミナーや自社が参加している展示会などへの招待もあるでしょう。

顧客に知ってほしい情報、例えば、自社の成功例、実績、実験データなどを上手に知らせます。

コンプレックスセールスと呼ばれる大型の商談では、顧客の意思決定の場に直接立ち会うことはめったにありません。例えば、課題・問題を認識した顧客が、この先、ソリューションを購入するための計画書を作成し、社内の承認を得る場合も、顧客の内部の会議で計画の説明、議論が行われ、営業がその場にいることはまずありません。

それだからこそ、営業は提案しているソリューションを顧客が社内で自信を持って説明し、関係者を説得できるように、情報提供、資料作成の支援などをこの段階から行う必要があるわけです。

このような支援を通じて顧客との絆も生まれ、強固な人間関係の構築が実現できます。

営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>


<続編『武蔵野-ロストハイウェイ』販売開始とか>
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『理詰めの営業』- 購買行動と営業 - 最初の段階から考えておかねばならないポイント

2024-09-21 16:43:23 | ・・購買行動と営業プロセス
第一段階の「きっかけの提供」から考えておかねばならないポイントをお知らせします。

製品、ブランド、価格での差別化ができないとき、それ以外の面での差別化が必要になります。それがインサイトです。
最終的に顧客に選ばれるポイントは、この「インサイト(知見)」の価値です。

すなわち、顧客が気付かなかった技術的なソリューション、売上向上策、コスト削減方法などの全く新しい考え方やアイデアを伝授することです。

顧客が本当に必要としているのは、本人以上にそのニーズを知っている営業です。

顧客に新しい考え方を教え、顧客の視点やアプローチを見直させ、顧客の考え・行動を変えさせます。

しかし、以前にも書きましたが、伝授した新しい考え方やアイデアを顧客が入札にかけ、
その結果、競合他社が落札では、営業は無料でコンサルティングしたことにしかなりません。

そうならないためには、

・自社の製品・サービスに結び付く誘導を行う
・自社ならではの強みにつなげること(その前に自社ならではの強みを作る)
・顧客の仮説を覆し、行動を促す
・自社の強みが他の顧客へも拡張可能であること

が必要です。

さて、あなたの会社、あなたの製品・サービスの強みはなんですか。

プレゼン資料には、高品質、トータルサポート、最高のサービスサポート、戦略ソリューション、最先端技術、
高い技術力、顧客満足度1位、確実な運営体制、幅広い製品ラインアップ、・・・・・などの言葉が綴られています。

プレゼン資料に載っている強みは、本当に強みですか。
他社も同じことを言っていませんか。
強みを証明できますか・・・・

差別化のポイントは?差別化できていますか?



営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>


<『武蔵野・ロストハイウェイ』重版おめでとう>

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『理詰めの営業』- 購買行動と営業 - (1)検討の「きっかけ」をつくる

2024-09-15 22:39:05 | ・・購買行動と営業プロセス
今週から「購買行動と営業活動」の詳細に入ります。

では、まず、第一段階の「問題の認識」です。

購買側行動の欄には、「客観的事実に基づく問題意識の発生」、および、「検討のきっかけの発生」とあります。



具体的な「きっかけ」としては、製造上の問題が発生し、それを解析・解決するために新たな測定器が必要となる、
あるいは、新製品の製造のために新たな製造装置が必要となる、営業の生産性を上げるために営業支援システムを導入する、
ビルを引っ越すので引越し先の設備を保守管理するベンダーが必要、などが考えられます。

これらは顧客本人も気づく分かりやすい「きっかけ」です。

営業活動の欄に、「きっかけ」の提供とありますが、これはどういうことでしょうか。

先の分かりやすい「きっかけ」ばかりではなく、
第三者の立場では明らかな問題でも本人たちが気付かないケースやその組織上の理由で検討の遡上に乗せてもらえない場合などに、
「問題に気付かせ、検討のきっかけを与えること」を言っています。

顧客が問題意識の高い人たちであれば、営業が黙っていても、
問題を認識し、営業に問い合わせがくるかと思いますが、
そうでない場合は、営業自身が問題提起をしないと商売にはなりません。

現状のプロセスあるいは業務でどのような問題があるのか営業が技術と一緒に分析し、問題提起して、解決策を提案する必要があります。

例えば、次世代の製品を開発するためには、もっと高精度の検査装置が必要であることを、データ付きで説明し、解決策を提案するなどです。

営業として大事なことは、顧客の開発担当者や現場のエンジニアと良好な関係を築き、事前に顧客の問題点や課題に関わる情報を収集・分析・整理できていることです。

それらの情報があれば、顧客のニーズに合った提案が可能となります。そうでないと、一般的な提案になってしまいます。

もちろん、最初は一般的な提案をして顧客の本質的な問題を探っていくという方法もあります。

営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>



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『理詰めの営業』- 購買行動と営業 - 営業に取って勝負所は?

2024-09-08 10:04:24 | ・・購買行動と営業プロセス
購買行動のモデルの代表は、AIDMA(Attention, Interest, Desire, Memory, Action)。

そして、インターネットの普及により、その進化版ともいえるAISAS(Attention, Interest, Search, Action, Share)が購買行動モデルの新たなモデルとなりました。

「Search(検索)」と「Share(共有)」がキーワードであることは、読者なら納得されると思います。

ここでは「購買行動と営業のプロセス」を紹介し、顧客が生産財を購入する一連の流れと営業の「やるべきこと」を明確にしていきます。

「生産財を購入する一連の流れ」と言いましたが、「コンプレックスセールス」に当てはまる一連の流れと考えていただければ良いと思います。

コンプレックスセールスとは、

・高額の商談や技術的に複雑な商談で、
・顧客の課題の把握、解決策の紹介から受注に至るまで長期間複数の商談を行う必要があり、
・複数の担当者、複数の関連部門による意思決定が必要とされ、
・意思決定は商談の場以外のところで行われる営業です。
・また、受注から納品・引き渡しまでに時間がかかり、
・その後もフォローが必要な案件でもあります。

例えば、プラント建設やIT関連の大型投資、生産設備、ビル管理などは好事例でしょう。

表中のどの段階が「営業にとって勝負所か」を考えていきましょう。ヒントは、「RFPからでは遅すぎる」です。





どの段階でしょか?

顧客の立場になれば分かりますが、RFPを協力会社に要求する段階では、顧客の意中の協力会社は決まっています。

「A社のこの機能が必須」「サービスが良い今の業者がいい」「今の業者は対応が悪すぎる。B社の方がいい」など。

つまり上記表の第一段階から第三段階までの間に顧客に食い込まないことには勝負にならないのです。

この段階で顧客に貢献することが肝要です。

できれば、RFPの仕様書に自社にしかない機能を書き加えてもらい、自社に有利な状況を設定する、といったことも。

「え~、そんな」なんて言わないでください。当たり前のことです。

営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>


<続編;武蔵野 - ロストハイウェイ ・・・・・・ 営業で道を見失った時は・・・・・・>


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