このところ週末も仕事。零細企業は貧乏暇なし。「稼げるときに稼ぐ」、辛抱・辛抱です。連休中に少し本が読めるといいな、というのが直近の希望です。
さて、一週、間が空いてしまいましたが、「関係顧客分析」に戻ります。
関係顧客分析では、「関係者」、「役職名」、「役割」、「影響度」、「関心度」、「個人的目標」、「会社人としての目標」からなる一覧表を作成します。
この分析で大切なことの一つは個々人の目標(欲求・欲望・ノーズ)を明らかにすることです。そして、それを営業戦略や会議設計に反映させることです。
では、作成の仕方を順に説明します。
以下は「関係顧客分析」の生産財の記入例です。
1.関係者を特定する
コンプレックスセールスでは、関係する顧客は多数です。例えば、典型的な設備投資では、必須の技術部と購買部を含む平均四つの部門が関係し、
三段階にわたる役職者(例えば、部長、事業部長、副社長)、および、それ以外の7人が様々な役割を果たしていたという調査結果もあります。
関係者の洗い出しには、顧客基礎情報にある組織図、意思決定プロセス情報が必須です。
2.役割を特定する
表の「役割」は、この案件に関する予算申請者、予算承認者、購入申請者、購入承認者、技術評価実施者、技術評価決定者、ユーザー、オペレーターなどになります。
生産財の営業をしていた当時、私は上記役割を記号化していました。
E(Economic Buyer): 予算の承認・執行権限保持者、製品・サービスの購入承認
T(Technical Buyer): 製品・サービスの技術的な評価を行うエンジニアやマネージメント
U(User): 購入した場合に実際にその製品・サービスを使うエンジニアやオペレーター
A(Adviser): 自社に好意的で関連情報やガイダンスを提供してくれる協力者
<または、S(Supporter)でもよい>
この「役割」は、製品やサービスの種類によって異なります。
また、ハーバード・ビジネス・スクール准教授のトーマス V ボノマは、『真の購買決定者は誰か:大口取引に成功する法』の中で、
顧客の中の役割を次のように分類し、特定することを求めています。
・提唱者:自社の問題・課題を購入する製品やサービスで解決できると提案。
・決定者:製品やサービスの購入の諾否を決定。
・助言者:購入するか否か、何を購入するかといった点に関して一家言を持っている人。
・購入者:当該製品・サービスの購入窓口。一般的には購買部。
・監査者:当該問題・課題のエキスパートとして活動。
・使用者:購入する製品・サービスの利用者。
これも一つの切り口として考えてもよいでしょう。
3. 影響力は大きいか
「影響度」は、その案件を次の営業ステップに進める「力の度合い」です。影響度は営業ステップによって変化していきます。
例えば、予算申請段階では、課題・問題を把握し、起案しようとしている担当者やその上司、部長あたりまでが、影響力が大ではないでしょうか。
一般的には、役員や社長はこの段階では口を出さないでしょう。また、会社によっては購入金額により権限移譲があり、影響度の範囲は限定されます。
影響度は、大、中、小あるいは5段階の数字などで表します。
ちなみに、分析ツールの中身は、時々刻々変わるものであり、都度、見直すものです。
4.関心は十分あるか
「関心度」は、解決すべき問題・課題に対する深刻度です。関心度に関しては、関心「あり」、関心「なし」、「過信」と記入します。
関係者がどれだけ「自分自身の問題として問題解決に高い関心」を持っているかが重要です。関心の低い人にいくらソリューションを説明しても効果はありません。
したがって、関心の低い人にどう問題意識を持たせ、深刻度を上げていくかが重要となります。
特に影響度の大きい人の関心度が低い場合は、早急に関心度が上がるように手を打つべきです。
「過信」は、当該製品やサービスを不要とする考えです。不要と考える理由を探り出し、対処する必要があります。
5. 個人としての目標はなにか
「個人的目標」は、会社の方針とは別に個人として実現したいと考えている目標で、例えば「ゴルフがうまくなりたい」「実績を作って転職したい」「今のライフスタイルを続けたい」「英語力を身に着けたい」など多種多様です。
個人のライフスタイル等に関係する内容で、このような情報の入手には顧客との強固な関係の構築が必要です。この情報は接待や面談時の話題などに活用できます。
さて「出世したい」と思っている方の場合、営業はどうこの状況を活用できるのでしょうか。
6. 成し遂げるべき会社人としての目標は
「会社人としての目標」は、仕事上の目標で、例えば、技術部門の部長の場合は、「計画どおりの製品開発」、「歩留まりの改善」、「コスト低減」などが考えられます。総務部長であれば、「株主総会の成功」、「情報セキュリティの整備」、営業であれば「売上目標の達成」「新規開拓」「新商品の販売」、人事であれば「人事評価システムの改善」「給与体系の見直し」などなどある程度、標準化しやすい項目です。
このような顧客分析を行った上で、各関係者、特にキーマンに対して次の会議等でどう対応すべきかを考えます。例えば、関心の低い人にどう問題意識を持たせ、深刻度を上げていくか等です。さらに、各関係者の目標(欲求・欲望・ニーズ)を営業戦略、会議設計に反映させます。特に関係者が気付いていないニーズを!!
このツールの記入には、顧客との良好で密な関係が必要であり、このツールは「いかに顧客を知らないか」を営業に気づかせるものでもあります。
さて、一週、間が空いてしまいましたが、「関係顧客分析」に戻ります。
関係顧客分析では、「関係者」、「役職名」、「役割」、「影響度」、「関心度」、「個人的目標」、「会社人としての目標」からなる一覧表を作成します。
この分析で大切なことの一つは個々人の目標(欲求・欲望・ノーズ)を明らかにすることです。そして、それを営業戦略や会議設計に反映させることです。
では、作成の仕方を順に説明します。
以下は「関係顧客分析」の生産財の記入例です。
1.関係者を特定する
コンプレックスセールスでは、関係する顧客は多数です。例えば、典型的な設備投資では、必須の技術部と購買部を含む平均四つの部門が関係し、
三段階にわたる役職者(例えば、部長、事業部長、副社長)、および、それ以外の7人が様々な役割を果たしていたという調査結果もあります。
関係者の洗い出しには、顧客基礎情報にある組織図、意思決定プロセス情報が必須です。
2.役割を特定する
表の「役割」は、この案件に関する予算申請者、予算承認者、購入申請者、購入承認者、技術評価実施者、技術評価決定者、ユーザー、オペレーターなどになります。
生産財の営業をしていた当時、私は上記役割を記号化していました。
E(Economic Buyer): 予算の承認・執行権限保持者、製品・サービスの購入承認
T(Technical Buyer): 製品・サービスの技術的な評価を行うエンジニアやマネージメント
U(User): 購入した場合に実際にその製品・サービスを使うエンジニアやオペレーター
A(Adviser): 自社に好意的で関連情報やガイダンスを提供してくれる協力者
<または、S(Supporter)でもよい>
この「役割」は、製品やサービスの種類によって異なります。
また、ハーバード・ビジネス・スクール准教授のトーマス V ボノマは、『真の購買決定者は誰か:大口取引に成功する法』の中で、
顧客の中の役割を次のように分類し、特定することを求めています。
・提唱者:自社の問題・課題を購入する製品やサービスで解決できると提案。
・決定者:製品やサービスの購入の諾否を決定。
・助言者:購入するか否か、何を購入するかといった点に関して一家言を持っている人。
・購入者:当該製品・サービスの購入窓口。一般的には購買部。
・監査者:当該問題・課題のエキスパートとして活動。
・使用者:購入する製品・サービスの利用者。
これも一つの切り口として考えてもよいでしょう。
3. 影響力は大きいか
「影響度」は、その案件を次の営業ステップに進める「力の度合い」です。影響度は営業ステップによって変化していきます。
例えば、予算申請段階では、課題・問題を把握し、起案しようとしている担当者やその上司、部長あたりまでが、影響力が大ではないでしょうか。
一般的には、役員や社長はこの段階では口を出さないでしょう。また、会社によっては購入金額により権限移譲があり、影響度の範囲は限定されます。
影響度は、大、中、小あるいは5段階の数字などで表します。
ちなみに、分析ツールの中身は、時々刻々変わるものであり、都度、見直すものです。
4.関心は十分あるか
「関心度」は、解決すべき問題・課題に対する深刻度です。関心度に関しては、関心「あり」、関心「なし」、「過信」と記入します。
関係者がどれだけ「自分自身の問題として問題解決に高い関心」を持っているかが重要です。関心の低い人にいくらソリューションを説明しても効果はありません。
したがって、関心の低い人にどう問題意識を持たせ、深刻度を上げていくかが重要となります。
特に影響度の大きい人の関心度が低い場合は、早急に関心度が上がるように手を打つべきです。
「過信」は、当該製品やサービスを不要とする考えです。不要と考える理由を探り出し、対処する必要があります。
5. 個人としての目標はなにか
「個人的目標」は、会社の方針とは別に個人として実現したいと考えている目標で、例えば「ゴルフがうまくなりたい」「実績を作って転職したい」「今のライフスタイルを続けたい」「英語力を身に着けたい」など多種多様です。
個人のライフスタイル等に関係する内容で、このような情報の入手には顧客との強固な関係の構築が必要です。この情報は接待や面談時の話題などに活用できます。
さて「出世したい」と思っている方の場合、営業はどうこの状況を活用できるのでしょうか。
6. 成し遂げるべき会社人としての目標は
「会社人としての目標」は、仕事上の目標で、例えば、技術部門の部長の場合は、「計画どおりの製品開発」、「歩留まりの改善」、「コスト低減」などが考えられます。総務部長であれば、「株主総会の成功」、「情報セキュリティの整備」、営業であれば「売上目標の達成」「新規開拓」「新商品の販売」、人事であれば「人事評価システムの改善」「給与体系の見直し」などなどある程度、標準化しやすい項目です。
このような顧客分析を行った上で、各関係者、特にキーマンに対して次の会議等でどう対応すべきかを考えます。例えば、関心の低い人にどう問題意識を持たせ、深刻度を上げていくか等です。さらに、各関係者の目標(欲求・欲望・ニーズ)を営業戦略、会議設計に反映させます。特に関係者が気付いていないニーズを!!
このツールの記入には、顧客との良好で密な関係が必要であり、このツールは「いかに顧客を知らないか」を営業に気づかせるものでもあります。