法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

会議設計 - 営業以外の日常業務に活かす(4) - シナリオを考える

2023-11-26 20:35:47 | 会議設計
ここでは日常業務にどう会議設計を活かすか、をお話していますが *****以下の文章はコンプレックス営業を対象にした会議設計の記事です。

先週の記事でゴール設定の一例として

・社内プレゼンで課長に提案を承認させる(最大のゴール)
・提案内容を課長に理解させ(理解していただき)、更なる検討の了解を得る(最小のゴール)

を上げましたが、このゴールを達成するための道筋を考えるプロセスが「シナリオ作成」です。

日常業務ではありませんが、分かりやすい事例として、これも先週あげた

・カミさんに小遣い1万円値上げを申請し、認めさせる。(最大のゴール)
・カミさんに小遣い1万円値上げを申請し、3千円は認めさせる。(最小のゴール)

について考えてみましょう。

唐突に「小遣い1万円上げてくれよ」と言っても、「馬鹿じゃないの。今朝の新聞見てないの。物価が上がってこっちだって大変なのよ・・・・・」と十倍返し。

やはりタイミングとストーリーが必要。じっくりシナリオを考えてみよう。例えば、

1.カミさんの得意料理が出たときに、「やっぱりこれ旨いな」とほめる。カミさん、にっこり。
2.「昼飯はコンビニ弁当ばかりだしな」というと「そうねコンビニ弁当ばかりだと体に良くないわ」とカミさん。
3.「せめて定食屋で食べれたらなぁ」とオレ。「定食屋だといくらぐらいかかるの」とカミさん・
4.「800円から1000円」とオレ。「コンビニ弁当とは大分違うね」とカミさん。
5.「小遣い少し上げてくれない?」とオレ。「少しっていくら」とカミさん。
6.「一万円」とオレ。「あなたに体を壊されたら困るかいいわ」とカミさん。

先週言った「給料が上がらないのに何故、小遣いを上げなければならないのか」の理由として健康問題を上げたが果たして・・・・6の通りに行くか。

7.6でカミさんが無言の場合は「三千円でもだめ?」と弱気なオレ。

やはり、「馬鹿じゃないの。今朝の新聞見てないの。物価が上がってこっちだって大変なのよ・・・・・」に戻りそう。

営業の値上げ交渉より難しそうですね。

いずれにしても大事な打ち合わや交渉の際は、あらかじめシナリオを考え、刺さる一言や質問を考えておくことが大切です。

小遣い値上げで刺さる一言があったら教えてください。

*********************************************
正月明けの一週間は結構、仕事の密度の濃い5日間になりました。

支援先に外資系企業が多いため、クリスマスの前あたりから顧客の反応がスローになり、年末は少し楽になりました。しかし、逆に年始、海外の企業は2日から始まっているので、メールも溜まっていますし、エンジン全開の人もいます。こちらも年始の挨拶もそこそこにほぼエンジン全開でした。

この三連休はありがたい。旧正月、早く来てくれ(アジア地域の会社が休みになるところが多いので)。

さて、会議設計に戻ります。

「できる営業」は、会議のゴールを達成するまでの議事進行のシナリオが頭の中にできています。それまでの経験と訓練から導かれるもので、シナリオだけでなく会議を進めるための問題点や不足している情報なども即座に整理できます。

ここでは、客先に行く前の「事前打ち合わせのたたき台」として、営業の稲田さんにシナリオを考えてもらいます。



私:稲田さん、できるだけ具体的にお願いします。不足している情報や社内で検討すべき点も挙げてください。
稲田:場所は、品川電子開発部会議室、縦長に2列テーブルが並んだ会議室か、それともロの字に並んだ会議室か、先輩に確認する必要がありますね。プロジェクターは設置されていると思うが、これも確認し、使用許可をもらいます。
全体の流れは、名刺交換、仙川部長に口火を切ってもらって業界の話で場を和らげたところで、本題の歩留まり改善方法のプレゼン、デモ提案、デモ日程の検討・決定の順。最後に、競合他社の状況を確認。議事進行は齋藤課長。
私:山形事業所で先月起きたトラブルの件は、品川電子の方も気にされていると思います。この会議で状況を説明しますか。
稲田:1か月前に起きた山形事業所でのトラブルの件は、故障解析も終わり、対策を打ったことを説明する予定です。どのタイミングで言うべきか、言わざるべきか、事前打ち合わせで検討します。
私:御社からの出席者と席順は?
稲田:席順はプロジェクターに一番近いところが営業の稲田、そこから営業課長の齋藤、営業部長の仙川、プレゼンを行うアプリケーションの高井、そして装置を開発した課長の柴崎。
私:絶対に出席して欲しい品川電子の方はどなたですか?
稲田:品川電子に出席を依頼したのは歩留まり改善を急いでいる開発部渋谷部長、目黒課長、大崎主任。渋谷部長に決定権があるらしいので渋谷部長は必須です。
私:他には?
稲田:・・・・
私:デモを行うかどうかは渋谷部長が決めるようですが、デモはどのように行うのですか。
稲田:あ、そうだ、デモが決まった場合、サンプルが必要になるので生産技術部の出席が必要ですが、誰かきてくれるかな
私:誰か来てくれるかではなく、必要な人を出席させる。誰を?それが重要です。

稲田さん、課長に電話。即決させるためには生産技術部の原宿部長の出席が必須だということになりました。

私:競合情報を聞き出せそうな人はいますか?
稲田:購買の山田主任なら少し教えてくれると思います。会議には声をかけておいて、情報収集は席を変えての方がよさそうです。
私:では、会議設計シートに、今話した内容を記入してください。



まずまず埋まったようですね。事前打合せまでは、少し時間があるので、宿題も解決し、シートの内容も更に詳細なものになるでしょう。



まずシナリオを考え、それが決まったら、「最大のゴール」を達成するために必要な人をリストアップし、会議への出席を依頼します。前述の会話例では、曖昧な点もありますが、開発部部長、生産技術部部長の二人が必須出席者になります。

会議への招集を担当者に任せるのではなく、営業自らキーパーソンに連絡し、出席を依頼すべきです。そのためには、キーパーソンに事前に会い、良好な関係を構築しておく必要があります。

相手任せではなく、営業自ら積極的に、能動的に会議をプランし、営業ステップを前に進めるように策(戦略というほどではない)を練ります。
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会議設計 - 営業以外の日常業務に活かす(3) - ゴールは二つ用意する!?

2023-11-19 21:44:27 | 会議設計
ここでは日常業務にどう会議設計を活かすか、を話していますが *****以下の文章はコンプレックス営業を対象にした会議設計の記事です。

先週の記事でゴール設定の一例として

・社内プレゼンで課長に提案を承認させる

を上げましたが、「承認させる」ことがでれば最高ですが、最低限でも達成したいゴールとして、

・提案内容を課長に理解させ(理解していただき)、更なる検討の了解を得る

といったゴールを設定してはどうでしょうか。

つまり、以下の記事でいうところの「最大のゴール」と「最小のゴール」の設定です。

日常生活でも、二つのゴール設定をすると生活が楽しくなります。

・カミさんに小遣い1万円値上げを申請し、認めさせる。(最大のゴール)
・カミさんに小遣い1万円値上げを申請し、3千円は認めさせる。(最小のゴール)

「給料が上がらないのに何故、小遣いを上げなければならないのか」と反論があり、最小のゴールも達成できず、
ということがないように、予想される質問・反論に備えることが大切です。

なんてね。

*********************************************************************
私は、営業支援の一環として、営業に同行し、顧客を訪問します。そして、営業支援の初期段階では、営業に以下のような質問します。

私:来週の訪問の目的は
営業:新製品のデモへの勧誘です
私:誰がキーパーソンですか
営業:開発部の渋谷部長のようです
私:他には
営業:生産技術部の原宿部長だと聞いています
私:担当者には、決定権はないでしょうけど、影響力はないのですか
営業:担当の大崎さんは細かい人で、皆から嫌われているようです
私:来週の会議に出てくるのは誰ですか
営業:大崎さんにお願いして関係者を呼ぶようにお願いしてあります
私:・・・・・・・・     
   
さて、入社3年目の営業の稲田さん、会議の目的は、「新製品のデモへの勧誘」と明確ですが、キーパーソンが誰かは少々自信なさそうです。また、キーパーソンと思われる渋谷部長や原宿部長が会議に出席してくれるかどうかも不明確です。キーパーソンの招集を皆から嫌われている担当者任せで良いのでしょうか。

結構、あいまいなまま会議を行おうとしている、これが営業現場の実情です。もっとしっかり会議の準備をし、必ず営業ステップを前へ進めるようにしましょう。

では本題に入ります。添付は会議設計シートの最初のページです。



会議を行う場合は、先ずゴールを明確にしましょう。ゴールは、「情報を集める」、「顧客と良好な関係を築く」といった抽象的な目標では不十分です。もちろん、情報収集や顧客との関係構築は重要ですが、これらはすべての会議の基礎部分であたりまえのことです。

『理詰めの営業』では、「次の営業ステップ」へ進めることがゴールになります。先程の会話の例ように、次の営業ステップがデモを行うことであるなら、「いつ、どのように、デモを行うかを決定する」がゴールとなります。

また、『理詰めの営業』では、会議設計シートにあるように、「最大のゴール」と「最小のゴール」を決めることにしており、前記の場合であれば「デモの日程・内容を決定」が「最大のゴール」であり、「デモを行うことは決定。日程・デモ内容については次の会議に持ち越し」が「最小のゴール」となります。つまり、最低でもここまで営業プロセスを進めることを「最小のゴール」とします。

今回の事例の営業ステップをもう一度見てみましょう。



ステップ2は、「顧客V社と打ち合わせ(案件内容・スケジュール把握)」で、そのための会議設計です。V社からお声がかかったので、ステップ3で「RFPに参加させていただきます」とV社に伝えれば、前へ進んでいくことは確実です。

ステップ2番の打ち合わせで調査・確認しなければならないのは、
・案件の内容:最初のV社からの電話で、大まかには聞いているでしょうが、RFPの対象となる物件、業務範囲など案件の内容を確認
・スケジュール:RFPの資料の入手から提出、受注した場合の業務実施時期の確認
・RFPの条件:三社見積りか、競合はどこか

入手したスケジュールに沿ってRFPに回答できるか、受注した場合に人的リソースも含め対応できるかといった点を検討しなければなりません。大手の会社であれば問題なくできることでも、中小企業ではリソースに限界があるため、信用を無くさないためにも十分検討すべきことです。特に、人手不足な昨今、無理な受注は自分の首を絞めることになります。

しかし、もっと重要なことは、
・V社が現在のベンダーに満足しているか
・満足していないとしたらどんな点か
・満足している場合、ベンダーを変更させることができるか
といった点を確認することです。

V社が現在のベンダーに満足しており、ベンダーを変更する予定も可能性もない場合、このRFPに参加する意味はあるのか、つまり当て馬として参加する意味はあるのか、判断が必要です。

当て馬として参加する場合でも、V社で管理すべき設備の内容が分かり次回のRFPまでの戦略が立てやすい、三社見積もりが必要なV社の担当者に恩を売ることができる、最終的に2次ベンダーとして入り込める可能性がある、などメリットも考えられます。

V社が現在のベンダーに満足していなければ、不満な点を明確にし対策を練ることで受注の可能性は高まります。

このように、このビル管理の事例の場合は、初回の打ち合わせでの調査が大変重要になります。

さて、できる営業は、会議のゴールを達成するまでのシナリオが頭の中にできています。次のステップは、そのシナリオ作成です。できるだけ、映画のようにイメージを頭の中に作っていきます。これにより問題点も見つけることができ、顧客からだけでなく自社からも出席してもらう必要がある役者も見えてきます。自分の案件で考えてみてください。
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会議設計 - 営業以外の日常業務に活かす(2) - ゴールを設定し、実行する

2023-11-12 10:10:12 | 会議設計
*****以下の文章はコンプレックス営業を対象にした会議設計の記事です。

その中にNPO法人訪問時の事例があります。

日常業務に関しては、これが参考になるかもしれません。

いずれにしても、会議に出席する場合は、自分なりにゴールを設定してみましょう。

先ずは、気楽に、

・最低三回は質問する。
・自社としての意見を述べる。
・社内プレゼンで課長に提案を承認させる

など、会議の中で自分の意思を反映させる行動を取ってみましょう。

意外と会議後、気持ちがいいです・・・・・

<よっしゃー>

***************************************************************************************************
会議設計ツールの詳細を紹介する前に、会議設計の考え方をお話しします。

営業活動は「顧客の購買意思決定を支援・誘導して顧客の購買による問題解決を支援すること」です。各購買段階での顧客支援と誘導を戦略的に行い、営業ステップを進めるツールが『理詰めの営業』です。

『理詰めの営業』は、営業ステップ(営業プロセス)マネジメント・ツールです。「営業ステップを定義」し、「顧客基礎情報分析」、「問題・課題・ニーズ分析」、「関係顧客分析」、「競合分析」、「自社分析」の5つの分析ツールと「会議設計」ツールを使い、営業ステップを進め、顧客を自社に誘導する戦略・戦術を考えます。

特に、節目、節目で重要となるのが、顧客との会議です。会議こそ上記の戦略・戦術を実現する場です。この会議を有効に活用するためのツールが「会議設計」です。会議設計で検討するポイントおよび作業は以下のとおりです。

① ゴールの設定
② シナリオの作成
③ 必須出席者と理由
④ 出席者の期待の予測
⑤ 自社のポジション
⑥ ゴールを達成するために提示する情報と理由
⑦ 質問設計
⑧ 議題の設計
⑨ 最終シナリオ



ゴールは、次の営業ステップへ進むこと、あるいは、特定のボトルネックになっている課題や問題の解決などになります。

営業はそのゴールを達成するためにはどうすべきか、「会議のシナリオ」をゴールから逆算して考えます。

・サービス業の事例

私が所属するNPOが行っている「障がい者によるお墓掃除」の事業をある施設の責任者に依頼する事例です。

ある福祉施設の施設長さんから紹介を受け、別の施設(F園)の施設長さんに事業を紹介にいくことになりました。この活動の背景には、多くの福祉施設で、そこに通う障がい者(利用者様といいます)の工賃が極めて低く、それを向上させる必要があるという事情があります。工賃は、サラリーマンの月給と考えていただければよいです。利用者様は、施設でクッキー作りや組み立て作業などを行い、代価として工賃を貰いますが、全国平均で月に1万2千円程度。とても自立できる金額ではありません。

会議のゴールをF園施設長さんのこの墓掃除事業への参加の同意です。
そのためには、施設長さんに「よしウチも参加しよう」と言ってもらうための資料や質問の準備が必要です。
そのためには、具体的に利用者さん、一人当たりどれくらいの工賃向上になるか試算し説明
そのためには、墓掃除の料金体系案を説明
そのためには、墓掃除の作業方法を説明し、F園でも実施が容易であることを理解していただく
そのためには、工賃向上の重要性を認識していただく
そのためには、障がい者の自立の必要性を認識していただく
そのためには、F園の作業内容を理解し、共感を示す
そのためには、会議の前に作業現場を見学
・・・・・・

このようにゴールから逆算してシナリオを作ります。


・製造業(生産財)の事例

メーカー(生産財)の場合の事例です。例えば、ゴールが「製品Aのデモを実施すること」だとします。

そのためには、「意思決定者のMさんからデモ実施の同意を得る」
そのためには、「よし、デモして確認しよう」と顧客に言わせるための質問を準備
(質問については「質問設計」で詳述)
そのためには、「推定される生産量と歩留まりでの年間推定損失額の計算」
そのためには、「Mさんがもっとも心配している歩留まり改善の実現方法を説明」
そのためには、「Mさんに必ず出席してもらう」
そのためには、「Mさんに信頼されている部下のSさんから出席依頼」
そのためには、「・・・・・・・・・・・・・・・・」

といったように、ゴールから逆算して「シナリオ」を作ります。

また、シナリオができたら、会議の開始から終わりまでを頭の中でシュミレーションしてみます。たとえば、

「Mさんが入室。初めて訪問する事業部長と名刺交換。最近の業界のトピックスなどをネタに雰囲気を和らげる。議題の説明。歩留まり改善のプレゼン。デモの承認を得るための質問。承認。デモ実施の詳細検討。お礼。」

といったことを映画のように頭の中にイメージします。

それを社内の関係者を集めて検討し、当日の顧客の出席者、社内からの出席者、議題、会議での質問内容等も含めて決めます。

つまり、営業の作成したシナリオを皆で検討し、更に詳細で良いシナリオに仕上げていきます。

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会議設計 - 営業以外の日常業務に活かす(1) - 「成功した会議」とは

2023-11-04 23:08:29 | 会議設計
最近、会議が多くて疲れ気味。Outlookで確認してみると会議の回数は平均週20回。その内訳は、

・契約先A社との会議:1回
・A社のクライアントB社との会議: 7回
・B社のクライアントC社との会議:12回

何か分かりにくいかもしれませんが、発注元のC社、C社のある業務を受託したB社、その業務の一部を受託したA社、その業務をまるまる請け負っている「私」という構造。

私から見るとすべて顧客。B社からは社員にならないかというオファーもありましたが、今更、サラリーマンは面倒。

ご存知のとおり『理詰めの営業』の重要ツールの一つとして『会議設計』を開発しましたが、営業活動以外の日常業務の中の会議でも役立てています。

もちろん週20件もある会議のすべてに『会議設計』のツールを使って準備はできませんが、必ず2つのことを事前に準備して望んでいます。

① 会議のゴールを設定する
  例えば、週末の作業の承認を得る。発注の承認を得る。来年度の予算の承認を得る。問題解決方法とその実施の了承を得る。
② ゴール達成に必要な資料を準備する
  パワーポイントの資料や図面、手順書など必要に応じて準備。
  実は、私の場合は外資系の企業が相手で、出席者も外国人が多く、英語で説明する必要があるため英文の「セリフ」を用意しています。
  英語が極めて堪能であれば不要な部分もあります。
  しかし、大事な質問(『質問設計』)や「殺し文句」(表現が悪いですが)は、日本人相手でも準備しておく必要があります。

どれだけ用意周到にやるかは、もちろん会議の需要度によります。

「成功した会議」とは、ゴールが達成できた会議です。そのためにはシュートを打たないと・・・違うな。

*********以下の記事は、『理詰めの営業』のための記事ですが、来週からは日常業務で『会議設計』や『質問設計』を活かす方法を考えていきます。



*****************************************************************************************************************************
営業ステップを進めるためには、会議を有効に活用することが必要です。そのための準備として会議の設計を行います。『理詰めの営業』では、会議の成功・不成功を以下のように捉えています。

「成功した会議」と言える会議の例は、以下のとおりです。
① 具体的な課題が判明:
競争が激しい業界ほど、情報のリークを恐れ、自社の抱えている課題を簡単には教えてくれません。信頼関係を築き、それを教えてもらえたら営業的には大きな前進です。具体的な課題が分かって初めて具体的なソリューションの検討・提供が可能になります。
② 詳細な投資計画を入手:
上場企業であればある程度の投資計画は、各種メディアから入手できるかもしれません。しかし、具体的で詳細な投資計画となると難しい場合が多いものです。購買から見積り依頼が来てから競争に参加するのでは遅すぎます。投資計画をどこよりも早く知り、計画立案段階からインサイドサプライヤーとして顧客を支援することが重要なのです。
③ 競合情報の入手:
その投資に絡んでくる競争相手の情報です。スポーツの試合と同じで相手のチームの研究は必須です。相手が分かれば対応策も立てられます。既存顧客であればある程度予想はつきますが、全くの新規顧客の場合は、詳細な調査が必要です。

以上の例ように、「成功した会議」は、「必要な情報や貴重な情報を入手できた会議」です。

さらに、次のような会議も「成功した会議」と言えます。
④ デモに来ていただく
顧客の担当者や上司が、費用と時間を掛けてデモに来ることを会議で約束してくれれば、これは本気で購入を検討していることの証明になります。
⑤ デモ用のサンプルを提供していただく
デモ用のサンプル作成も顧客の費用と時間がかかることです。サンプルの提供も本気度の証明といえます。
⑥ 本社あるいは関係施設を訪問していただく
これも④と同じで、顧客の費用と時間を使うもので、前向きなシグナルと考えられます。
⑦ 更に上位の意志決定者と面会の約束
提案を担当者に説明し、納得していただき、更にその上司への紹介の約束を取り付けることができれば、これも一歩前進です。
⑧ 予算の追加
顧客の課題を解決するためには今の予算では不足、追加の予算が必要とお願いしたところ了承していただいた場合です。価格の安い会社に流れるのではなく、ソリューションの内容を評価していただいた結果です。
⑨ 購入の決定
営業プロセスの最後の方以外ではめったにないことですが、購入の決定を聴ければ最高です。

このように、「具体的な顧客の行動や出費を伴う結果が出た会議」は、成功したと言えます。
逆に、失敗した会議とは、「すばらしいプレゼン」「よさそうなサービス(あるいは製品)」などポジティブなコメントや「いつもアクションが早いね」等のお世辞はもらえたものの営業ステップが全く進んでいない場合が相当します。

小型の案件では、打ち合わせの場で受注あるいは不成立が明確になる場合が多いのですが、大型の案件の場合は、何回か打ち合わせを繰り返した結果、受注となるのが一般的です。このため、受注というゴールに向かう営業ステップを進めることができた会議は、成功した会議といえます。



「理詰めの営業」では、「次の営業ステップに進むことが確約できた」会議を成功した会議として、そのために会議を営業が能動的に、戦略的にプランします。
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