法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『ZERO TO ONE』(6)- 営業力の装備が成功の絶対条件!!

2024-02-18 11:59:21 | ・・ピーター・ティールの営業
2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。
スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いています。

前回はコンプレックス・セールスについて述べたが、もっと価格の安い商品のセールスについてもピーター・ティールは語っています。

「個人セールス。・・・・・ほとんどのビジネスは、コンプレックス・セールスに適さない。
一件当たりの平均販売額が一万ドルから十万ドル程度なら、CEOがすべてを自分で売り込む必要はない。
そうしたセールスの課題は、特定案件をどう売り込むかではなく、適正規模の営業チームを使って幅広い顧客層に商品を売り込むプロセスをどう確立するかだ。」


(何となく日本語訳が今一。今度、原文で読んでみよう。11章だけ!?)

「もっと価格の安い商品のセールス」とはいうものの、販売価格が約100万円から1000万円。家庭用品雑貨や家電製品ではなく、車のセールスといったところでしょうか。

さて、「理詰めの営業」は、コンプレックス・セールスをターゲットにした営業手法なので、個人相手のセールスには適しません。
しかし、営業プロセスをマネージする、関係顧客を分析する、といったことには役立ちます。
もっとも個人相手の場合、関係顧客は本人、配偶者およびその他の家族くらいになりますが。

さて、ピーター・ティールは、この章の最後で以下のように述べています。

「誰もが売り込んでいる。・・・・
おたくたちは、販売のことなんて考えたくもないし、営業マンをほかの惑星に追放できればいいのにと願っていることだろう。
僕たちはみんな、自分は何者にも影響されずに判断し、営業に惑わされることはないと思いたがる。でも、それは間違いだ。
誰もが売り込みに影響される。」


エンジニア(おたく)は営業が嫌いです。私もそうでした。営業のように口が立つエンジニアも嫌いでした。

でも今は自分も営業です。口で勝負というよりじっくり戦略を練って攻める営業です。なんせ、コンプレックス・セールスは長丁場ですから、急ぐ必要はありません。

本当にすごい営業は、顧客に自分の口で(こちらが提供するリューション)を語らせる営業です。

いいもの作っても営業がいないと売れません。

スタートアップの企業といえども、スタートアップの企業だからこそ営業力が必要です。

自社の製品やサービスに適した営業戦略を立案し、営業力を装備することが成功の絶対条件です。


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『ZERO TO ONE』(5)- コンプレックス・セールスに営業はいらない!!

2024-02-11 20:44:45 | ・・ピーター・ティールの営業
2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。スタートアップを目指す人々を勇気づける本だが、営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いている。

コンプレックス・セールスは『理詰めの営業』の主要な適用領域です。

コンプレックス・セールスとは、

・高額の商談や技術的に複雑な商談で、
・顧客の課題の把握、解決策の紹介から受注に至るまで長期間複数の商談を行う必要があり、
・複数の担当者、複数の関連部門による意思決定が必要とされ、
・意思決定は商談の場以外のところで行われる営業です。
・また、受注から納品・引き渡しまでに時間がかかり、
・その後もフォローが必要な案件。

という特徴のある営業です。



例えば、プラント建設やITシステム導入、生産設備の購入、ビル設備管理、不動産の購入、大規模な移転などは好事例でしょう。

では、コンプレックス・セールスは、この本でどのように取り上げられているでしょうか。

「コンプレックス・セールス。・・・・・すべての案件について隅々まで念入りに一対一の注意を払わねばならない。

顧客と良い関係を築くのに何か月もかかることもある。

売込みに成功するのは一年か二年に一度だろう。

販売が終わっても設置やサービスなど、長期間にわたってアフターケアを行なわねばならない。

骨の折れる仕事だけれど、高額商品を売るには、こうしたコンプレックス・セールスを行なうしかない。
・・・・・
コンプレックス・セールスは、営業マンがいない方がうまくいく。

・・・高額案件になると、買い手は営業部門の副社長ではなくCEOと話したがるものだ。」


「営業マンがいない方がうまくいく」は言い過ぎだと思いますが、
(顧客に語らせずに自分だけがしゃべる営業マンがいて「いない方がいい」と思ったことがありますが)
コンプレックス・セールスを成功させるには、営業マンの個人的な顧客との関係だけではなく、
事業部長レベル、トップマネジメントレベルといった会社のあらゆる階層での良好な関係の構築が必要です。

もちろんトップレベルのマネジメントこそ営業的なセンスを磨き、顧客と強固な関係を構築できるようにする必要があります。


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『ZERO TO ONE』(4)- 「あの会社の営業は一味違う」と顧客に言わせる営業

2024-02-03 23:05:43 | ・・ピーター・ティールの営業
2015年ビジネス賞大賞を受賞した「ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン)」(ピーター・ティール著)。
スタートアップを目指す人々を勇気づける本ですが、営業の重要性を第11章「それを作れば、みんなやってくる?」で説いています。

「どう売るか。・・・・・

差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば独占を築くことはできる。

製品がどれほど優れていても、たとえそれが従来の習慣に合うもので、一度、利用すれば気に入るような製品だとしても、強力な販売戦略の支えが必要になる。」


どんなに優れた製品でも営業戦略を間違えるとNo.1にはなれなません。

映画『陽はまた昇る』や『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』(NHK)でも取り上げられた家庭用ビデオレコーダーの規格争い、『VHSとベータマックスのデファクトスタンダード戦争』は、その事例の代表です。玄人筋には好評で技術的にも優れていたとされるソーニーのベータマックス。それと対抗した日本ビクターや松下電器産業(現、パナソニック)。結果はVHSの勝利。勝因の一つが営業戦略にあるとされています。

稲盛和夫の著書「アメーバ経営」の中に、以下のような件があります。

技術的な優位性というのは、永遠不変ではない。だから、企業経営を安定させようと思うなら、たとえ技術的にさほど優れていなくとも、どこでもやれるような事業を優れた事業にすることが大切である。つまり、誰もがやれるような仕事をしていても、「あの会社はひと味違う」というような経営をすることが、その会社の真の実力なのである。

家庭用ビデオレコーダー開発の時代は、まだ、ハード的な差別化が可能でした。
しかし、最近はハード面での技術革新が少なくなり、差別化のポイントの少ない製品や目に見えない差別化の製品・サービス(例えば、ITシステム構築、販路の差別化など)の営業が求められています。

技術革新のような圧倒的な強みにはなりませんが、「あの会社の営業は一味違う」と顧客に言わせるような、営業自体が差別化要因になるような競合他社にはない営業の戦略的な育成・強化が重要です。


営業に疲れたら武蔵野散歩(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>
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