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旧精神科医療は思想警察なのか?

精神科訪問看護)医療収益構造について精神科は儲かる理由

2018年03月04日 | 精神科訪問看護

今回の記事は、以前私が所属していた、株式会社Nフィールドの訪問看護duneの事業について書いていきたいと思います。

大概、訪問看護事業は、社会福祉協議会や医療法人が母体でやっているのですが、この会社は株式会社が母体となって看護師が集まって開始された事業です。

平成29年の決算書類を見て見ましょう。

・・・・・・・(2018/02/07平成29年12月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)(376KB))

1.平成29年12月期の業績(平成29年1月1日~平成29年12月31日)

(1)経営成績 (%表示は対前期増減率)

      売上高     営業利益     経常利益    当期純利益 

29年12月期 8,024(+31.8%)563(+15.8%)561(+14.8) 315(+25.9)

28年12月期 6,089 (+39.9%)     486(△5.6)       488(+0.5)       250 (△5.1)

・・・・・・・・・(転載ここまで)

簡単に見ていくと、今年の売上げは80億円、営業利益(経常)は5億6千万円、純利益3億1千万

となっています。

私は株をやっていませんが、おそらくかなりの成長株だと思います。

営業利益は14.2%、とてつもない数字ですね。

毎年30%成長とは、、これまたとてつもない数値です。

精神科訪問看護は儲かるという話は有名ですが、その理由を現場で働いていた感覚、視点で少し話していきたいと思います。

簡単に見ていくと、1回の訪問が30分、移動時間が30分1時間で焼く8,500円の売上げをしています。

診療報酬の内訳は完全に忘れてしまいましたが、診療報酬自体は1件につき5,500円程度、管理料が3,000円が合算されて1件について8,500円だった記憶があります。

月初は10,000円くらい毎月初回管理料が入りました。

精神科訪問看護は自立支援医療という国の税金を使えるため、利用者負担は1割で済みます。

毎週3回、4週間利用すると、12回となります。

単純計算で12×8500=102,000、訪問看護だけで約10万円の医療費となります。

健康保険を使うと、3割負担ですから、3万円が患者負担になります。

ここで国の自立支援医療を使うと、負担が1割になります。

つまり、10万円の1割なので1万円となるのです。

さらに、自治体の特別制度=医療証を使うと、1割負担の1万円も自治体が負担してくれます。

結果、負担が0円となります。

ただし、世帯収入に応じて1割負担の上限が変わります。

生活保護を受けている方は医療券が発行されるため健康保険に加入しなくてもよいため、指定医療機関になれば全額免除tなります。

精神科の訪問看護の強みは、

「自立支援医療」という制度があり、3割負担じゃないところ

自治体の医療証による負担金免除規定がある2点です。

 話を戻します。

1日訪問看護を6件がDUNEでは平均ですから

8500×6=51,000円

週5日 51,000×5=255,000

4週  255,000×4=1,000,000

看護師一人当たり100万円の売上げとなります。

で、訪問看護ステーションDUNEでは、基本給15万円、資格手当て3万円、訪問看護手当て650円【1件につき】

 ですから、1日6件、週30件、月120件

120×650=78,000円

の手当てが入り、15+3+8=29

一人当たりの人件費が30万円となります。

車のリース代が1台あたり月2万円

駐車場代10,000

訪問時パーキング代20,000

1日走行距離50キロ~80キロ

ガソリン代1日1,000円

20日間で計算すると月20×1,000=20,000(月)

アイフォン1台6,000円(月)

印刷代月額一人2,000円

とりあえずこんなもんでしょうか?

実際事業をされている方はもう少しシビアに計算されるかもしれませんが、おそらく経費が相当すくないと思います。

実際はじき出してみましょう。

100万ー(人件費30万+車リース2万+駐車場1万+訪問パーキング20,000+ガソリン代2万+印刷代2,000+アイフォン6,000)

=62万円

ここからさらに事務所賃料+光熱水道+通信費15万、事務員1人25万円

計40万円 (一人当たり10万円の負担)

1ステーション4人看護師がいるとすると

1人あたり、約60万円利益ー10万(事務所、事務員代)=50万円

の営業利益がでます。

それが4人ですから、1事業所あたり、200万円の営業利益が出ることになります。

売上げでみると、100万×4=400万

経費でみると、200万

となります。

経費合計が50%なんてありえませんね!

ちなみにここに医者が入ると経費が狂ってきます。

医者の月平均が100万円ですから、

訪問看護事業だけでみれば医者1人で3人分も負担がかかっていることになります。

それでも売上げ400に対し、経費300としても営業利益は20%弱。

恐ろしい数字ですね。

ちなみに私がいたステーションは看護師5人、事務員1人で月平均600件

12月は650件で事業計画98%達成していました。

お隣のステーションは看護師5人で月700件、12月は750件たたき出していました。

なぜかというと、そのステーションにはエリアマネージャーがいて、その人が一月180件以上

12月は200件回っているからです。

大阪本社の経営会議を休日扱いにして、それ以外は訪問に回っていました。

1日8件週に6日間

年収は役員報酬になるため1000万円くらいあったみたいですけど

年間休日2日もなかったはずですから可愛そうでしたよ。

外車に乗ったり、高級腕時計をしたりしていましたが、幸せそうには見えませんでした。

やり手の人だったので独立すればいいのになぁと思っていましたが、そこまでの野心はないみたいでした。

 

さて、営業利益を適正にするために、看護師一人当たり、50万円としても

営業利益20%は叩きだせるので

本社はどれだけぼったくっていたのかわかりませんね。

ちなみに、Nフィールドの賞与、ボーナスは実績ですと、年1回、基本給の1.0ヶ月分

15万円でした。社会保険やらなんやら引かれて手取り10万円。

DUNE出身の人が独立して訪問看護ステーションを立ち上げて、経営されていますが、かなり利益を出していて税金対策で大変だという話も聞いています。

是非、独立したい人はDUNEで修行すべきでしょうね。

私は精神科訪問看護は株式会社では2度とやりたくないですけど。

その理由は、医療保険=保険税を使っている段階で

「患者、利用者はお客様ではない」

からです。

国民の税金で社会保険料で食わせてやっているんですから、変なお客様意識はいらない。

と感じるからです。

「患者=金づる」という図式なため、世の中に益となりません。

利益最優先の民間にやらせるのでなく、精神障害者に関しては、公立民間病院、精神保健福祉センターや保健所、社協が訪問看護をすべきです。

現に、訪問中に患者に殴られて、骨折した看護師もいました。

本来刑事事件ですが、会社はそれをもみ消してしまいました。

こういう事実は表に出ません。

精神障害者は病院や福祉施設でみるしかないです。

その理由は刑法にありますから過去の記事を参照してください。

司法精神医療に求める真実

司法精神と自立についての考察

『脱施設化の先に、ノーマライゼーションの嘘』

『精神科医は逮捕権を持っている、ハードな介入強制入院と逮捕の種類』

看護学生は読んではいけません。医療従事者としての葛藤 

さて、医療経営という視点で見ていきましょう。

・・・・・・・(福祉医療機構のデータに基づき、平成 27 年度の病院の経営状況について分析を行った結果

医業利益率は一般 1.1%、療養 5.6%、精神2.4%と前年度からほぼ横ばい】
機能性に大きな変化はなかったため、収支についても目立った変化はなかった。
医業収益対医業利益率(以下「医業利益率」という。)は一般病院が平成 26 年度から横ばいの 1.1%、療養型病院が 5.7%から 0.1 ポイント低下の 5.6%、精神科病院が横ばいの 2.4%、経常収益対経常利益率は、一般病院が横ばいの1.5%【3000万円、療養型病院が 6.6%から 0.3 ポイント低下の 6.3%【6400万】、精神科病院が 3.1%から 0.4 ポイントの増加で3.5%【2200万】であった。

・・・・・・・・・(転載ここまで)

経常利益だけみれば、療養型病院の経営効率がいいですね。

経費内訳を見てみると、

人件費、医療材料費、給食材料費、その他経費、減価償却費

があります。

人件費が一番高くどの業態も50%以上なのですが

一般病院だけが、医療材料費が21%

療養型、精神は8%、7%と低く抑えられています。

その分、人件費は高値を示していますが、医療材料費も馬鹿になりませんね。

 

一般病院で98.9%

療養型で94.3%

精神で97.6%

となります。

(ちなみに、病院本体では利益はそこまで沢山出せていませんが、製薬会社からのリベートなどもあるでしょうから、職員は潤っているはずです)

ここまで見てみて、いかに精神科の訪問看護が恐ろしい利益率をたたき出しているかお分かりになるでしょうか?

株式会社Nフィールドのような大企業で約15%も経常利益をたたき出している。

医療業界ではありえないことですね。

他の業態と違い、精神科訪問看護は経費が本当にかからない、利益のでる業態だといえます。

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4 コメント

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あさん (ikemenmassan)
2021-11-11 03:18:12
土曜勤務は月に1回輪番制で回ってきます。
所長は毎週土曜日訪問回って件数稼いでました。
所長になると訪問件数手当がカットされて管理職手当が支給される仕組みでしたがインセンティブ制度のほうが高額で管理職手当が雀の涙。
所長の残業は毎日2,3時間程度、土曜日は8時間。
週で20時間、月80時間の残業。
スタッフはほぼ残業なしです。

所長、管理者までやるとスキルや経営能力は身につくと思います。
将来独立を考えているなら、看護師としての能力以外を磨くことは必要だと思います。
看護技術や知識があっても、スタッフを育成するとか関係機関と調整するとか経営戦略、数字に強くなるとかは、病院の訪問看護ステーションでは絶対に学べません。とくに看護師は数字に弱い、スタッフ育成が下手なのでいきなり訪問看護ステーション立ち上げても失敗しがちですから。
ご参考になれば幸いです。
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Unknown ()
2021-11-04 03:19:00
ikemenmassanさん
ありがとうございます。デューンへの転職を検討しているのですが、基本給が低いこと、固定残業代が既に含まれた上での給料というのが気になっており質問させていただきました。やはり給与面での不安は残りますね、、
返信する
あさん (ikemenmassan)
2021-11-03 19:33:16
数年前の記憶になるため曖昧ですが、在職中の昇給システムは役職で決まっていました。
平社員の場合、訪問看護件数、出来高で決まります。
純粋にスキルで評価されると思います。
基本給は激安、月の訪問件数でのインセンティブ制度です。
返信する
Unknown ()
2021-11-03 13:32:04
デューンは昇給どのくらいでしたか?
返信する

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