「ケアから逆算する」IM理論も4項目目突入となりました。
とりあえず、5項目をピックアップしております。
過去記事はこちら「IM理論」からどうぞ。
①清潔 ⇒入浴
②排泄 ⇒排尿、排便
③食事 ⇒食事介助
④活動 ⇒気分転換
⑤教育 ⇒セルフケア行動、知識、安全教育
今回の項目ですが④の活動、「気分転換」について見ていきたいと思います。
入院生活で一番困るのが、「気分転換」だと言われています。
治療のための活動制限もありますし、基本的な病棟でのルールがあるからです。
さらに時間になれば看護師が巡回にくる。
「ルールを守れ、ルールを守れ」と言われ続けるのが入院生活だからです。
気分転換できないと困るのは、「入院治療を止めてしまうこと」「生きる気力がなくなりうつ病になること」「昼夜逆転して不眠症になってしまうこと」ではないでしょうか?
個人的に、これは調査していないのですが、肉体の安静だけでは病気の治りも良くないと思います。
ですから、「活動、気分転換」は重要となります。
見ていきましょう。
看護のルーチンワークでは午前中に「必ずしなくれはならないケア」が入ります。
つまり、「清潔、感染予防」です。
そして時間ごとに決められているのが「食事・排泄」です。
「活動・気分転換」は午後に入れることをお勧めします。
目標は「気分転換を図ることができ、夜間の睡眠状況を改善する」
「前向きな発言が得られる」「笑顔が見られる」「治療に協力的になる」
などでしょう。
気分転換は「活動」のカテゴリーに入りますから、実は何を計画してもいいのです。
「一緒にDVDを見る」でもいいし、「談話室で雑誌を15分読む」でもいい。
「車いす散歩をする」でもいい。「上肢を動かす体操をする」でもいいですね。
定番は「折り紙をする」「塗り絵をする」「カードゲームをする」「家族や友人に手紙を書く」などです。
要するに「つまらない入院治療を継続するために気を紛らわす」役割もあるのです。
しかし、治療継続のためにはこれが一番大切なのかもしれません。
そして必殺技が「足浴」「足湯」です。
看護実習では7つのケア
「全身清拭」
「陰洗+おむつ交換」
「足湯」
「歩行訓練」
「嚥下訓練」
「MC(マウスケア)」
「ポジショニング(体位交換)」
さえやっておけば評価が出ます。
しかし展開していくため「なぜするのか?」の根拠を記録に書いていかなくてはなりません。
つまり、「記録のための実習」なのです。
実際に看護教員をすると、「記録でしか評価しない」ことは良くあります。
逆に言うと、「ケアは誰でもできるようになるから」です。
「アセスメントして展開して評価すること」
これが看護実習のポイントなのです。
しかし、「情報収集⇒分析・アセスメント⇒計画立案⇒実施⇒評価⇒再計画⇒実施」というサイクルは看護学生にはできません。
臨床経験がないとできないのです。
ですから、IM理論では「この患者に必要とされるケアは?」からスタートして「なぜ?」に戻っていく、その過程で情報収集をするという「全く逆の看護展開方法の提案」をしています。
必要とされるケアは5項目に絞っています。
そのどれかに該当していれば良い。
入院という活動制限、非日常空間において、「気分転換」は重要な位置を占めています。
どうか看護学生さんは「気分転換」を必ず午後に組み込むことを忘れないで欲しいと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます