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旧精神科医療は思想警察なのか?

臨床の看護と看護実習の看護は違います。

2019年01月23日 | IM理論

Fナイチンゲール著、『看護覚え書』には「標準化しなさい」という意味の内容が書かれています。

 

看護実践では「個別化」といいながら一方で「標準化しなさい」というある意味矛盾に満ちたことを行っています。

看護実習で一番難しいのは「対患者へのケア」ではありません。

ケアに関しては「経験を積めば解決する」という側面があります。

ですから、採血や清拭も別に看護師でなくてもできる、むしろ補助看のほうが上手いし手早いことも多々あります。

私は、「看護は機能別にすべきだ」と考えています。

そして、「看護師がケアワーカーに対して指示を出し、進捗状況や状態観察を行う、また観察、報告の指示を出すこと」が仕事になってこなくてはならないと思います。

つまり看護師の仕事とは「病人のお世話のマネージャー」という位置づけがベストだと思うのです。

その理由を以下の通り見ていきましょう。

①当たり前に看護師を使っていては人件費がかさむ

②肉体労働、ブルーワーカーという真実

③いつまでたってもマネジメント能力が身につかない

こういった問題点が挙げられます。

①②③を解決す方法を提案したいと思います。

<転職サイトも夜勤について言及してますね!>

看護師人件費ですが、これは病院における人件費と、厚労省が指定してくる看護基準に照らし合わせて調整していくものですから、

「7:1看護体制」=手厚い看護というイメージがあるかもしれません。

しかし、夜勤などを見てみると、準夜3名、深夜2名という過酷な状況で夜勤をさせられており、狂ったような勤務を現場の看護師は強いられています。

 

「看護師の離職の原因と復職を阻害するものは?」と聞かれれば「①夜勤がきついこと」「②時間外の勉強会」この2点に絞ることができるでしょう。

もっと具体的に見ていきましょう。

夜勤は看護師3名体制でよいと思います。

その代わり、夜勤ケアワーカーを2名配備して、トータル5名で行うべきです。

その看護師の役割内訳としては、1名が代行、Aリーダー、Bリーダー

ケアワーカー1名がAチーム、Bチーム書く名づつ

という内容です。

ICUなどにはこの方式は提供しがたいかもしれませんが、ICUの看護基準は相当高いため、今回は除外します。

いかがでしょうか?

看護師はおむつ交換や体位交換、ガーゼ交換も看護助手にやってもらい、指示報告をするだけ。

点滴交換も、確認だけで良くしてしまえばよい。

何より、「役割機能がしっかり分担していること」が心理的な負担を軽くします。

そして、ケアワーカーで男性を配備すれば、治安、安全面でもかなり向上しますね。

看護師は定期的なラウンドとルーチンワークの進捗状況だけを確認すればいいのです。

これが具体的な「標準化」です。

別に看護師でなくてもできる仕事はケアワーカーにワークシェアリングすればいいのです。

看護師の仕事はアセスメントと管理なのです。

新人看護師、マネジメント能力がない看護師はケアワーカーとして夜勤に数回入り、「指示だし、マネジメント能力を身につける」だけでよいです。

つまり、マネージャーになるためにプレイヤー(メンバー)も経験するという方法です。

もちろん重症な人、オペ上がりの人に対しては、ケアワーカーとともに各リーダーがつく必要があると思います。

そして、看護師が嫌なものとして、時間外の勉強会と看護研究のノルマですが、これらは「夜勤でやればいい」ということになります。

そして「標準化」の第2点ですが、「人に仕事をつける」のではなく「仕事(役割)に人をつける」ことが重要です。

「あの人がリーダーをやると病棟が回りやすい」「あの人がリーダーだと病棟が回らない」

ではいけません。

それは「人(資質)に役割・仕事をつけている」ということになります。

この一番の問題は、「代行、リーダー出来る人が限定されシフトが組めなくなる」私がいないと回せないでしょ?と「図に乗ってくる」ことにより、「組織維持が困難になる」「風通しが悪い組織になる」ことが問題になるのです。

ですから、①ケアワーカー⇒②看護師メンバー⇒③リーダー④代行⑤トレーナー⑥マネージャー(病棟師長)というステップを踏ませていかなくてはいけません。

一番だめなのは、②看護師メンバーや③リーダーにトレーニングを任せることです。

何故いけないか?というと、自分流のやり方で教えてしまうため、トレーニー(受ける側、教えてもらう側)が

「Aさんはこうやれと言ったが、Bさんはこの方法をやれと言ってきた」となってしまうからです。

マニュアル遵守して、アレンジするのは構わないのですが、マニュアル遵守しないと作業効率は落ちます。

ですから、「トレーナー」という概念を病棟看護に持ち込む必要があるのです。

トレーナーは「代行、リーダー、メンバー、ケアワーカー」全てをトレーニングしながら、全体進捗をマネージャー(師長)と打ち合わせして、スタッフのレベルを上げ、質の高い看護を提供していくことがメインの仕事になります。

 

さらに言うと、①代行②Aリーダー③Bリーダーはジョブローテーションさせ、誰でもいつでも代わりができるようにすべきです。

こういった分業システムを実は看護実習では一人で行います。

情報収集してアセスメントして計画して実践する。

結果をアセスメントし目標達成度と比較しながら、再計画し実践するという流れですね。

ですから、看護実習は1:1看護をしていますが、目標管理、つまりマネージャーとしての仕事と看護実践というプレイヤーとしての側面を合わせ持っています。

大変なはずです。

プレイングマネージャーをさせられるのですから!

私が看護実習で教員をして感じたのは

看護実習では「マネジメント能力」については教えません。

しかし、多くの学生は「マネジメント」を知らない、つまり「情報収集、アセスメント、目標立案」という「情報の観察、分析、判断プロセス」を知らないため、自分の努力と個別的な能力で解決しています。

ですから、看護実習が地獄のように感じるし、徹夜して記録を書かなくてはならないのです。

つまり、マネジメント方法を教えれば問題解決するという話です。

私はIM理論では「観察分析判断」ではなく、「ケアから逆算していく観察分析判断プロセス」を提唱しています。

実は、看護実習は通常の看護理論では到底展開できません。

一度臨床で勤務した経験があればできますが、教員側も自分が経験したことがない領域のアセスメントは苦手になってしまいます。

看護教員のためにも「ケアから逆算するIM理論」は必要なのです。

私自身、大学で看護学を学んだため「ケア重視の看護展開ではなかった」のです。

それが幸いして考える能力が身につきました。

しかし、一般的な養成機関では「ケア重視」であるところも存在します。

そして、「理論とケアが結びつかないと展開ができない」ため臨地実習の醍醐味は得られません。

 

今回は、標準化と夜勤の提案、そして離職対策について、あとはIM理論についてお話しました。

是非、看護業界がもっと定着が良くなり、働きやすくなることを願います。

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