室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

”はだかの王子様”

2006-01-29 14:27:51 | Weblog
 大学を卒業してまだ2年くらいの若い演奏者たちと仕事をした。
”品良く”育ち、大人に対する態度も感じが良い。仕事に対しても真面目で、譜面を送ってから日にちが少なかったにも関わらず、一応は目を通してあった。が、様々な場面で演奏の仕事をしていくには不可欠と思われる、所謂”名曲”にあまり接していない様子が見てとれた。これは、経験だけの問題なので、いずれは・・と思いながら、夜、音楽会へ行った。
 こちらも若いメンバーのオーケストラだった。モーツァルト誕生250年に因んだ企画だった。ヒトとは多少違う事をしたいという意欲は感じられたが、モーツァルトの合間に入れられたストラビンスキーは”ちんぷな音楽”が強調される効果しかなかった。木管群とホルンの間の音程の悪さもまだまだだな、の感は否めない。それより、バイオリン群がファーストが10人、セカンド8人いるのに、6人ずつ位にしか聞こえて来なかった。にも関わらず、「若い人たちの成長を喜ぶ」以上の暖かすぎる会場の雰囲気は何っ? 絶大な賛辞はもっと”コクのある音楽”ができるようになってからにしてくれ! ”はだかの王様”ならぬ”はだかの王子様”が育ってしまうゼ。