室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

インヴィジーブル研究

2007-06-22 13:09:35 | Weblog
私は電車の中でMDを聴く事がある。殆どの場合、自分が愉しむ為ではなく、練習の為に録ったものとか、参考になると思って録ったライブの生録(許可が要らないライブ)の曲の頭出し等、資料整理をしている事が多い。自分が弾いたものを聴く時は、「あ~、こうじゃなくて、ああ弾くべきだ」と反省し、次回への自戒(偶然の、半分意図的なシャレ)として聴く訳です。

そんな電車内でイヤホーンをぶら下げている私の周辺で、すぐ隣座席とか、通路の反対側とか、指でリズムを取っている人がいたりする。まさか、イヤホーンから音漏れしてる? 私は音漏れは気にしているつもりで、最大30レベルの中で、平均10レベル、電車が速度を上げている時で12、停車中は9レベル程度にしているので、音は漏れていない筈。なのに、なんで、私のイヤホーン内の音と微妙に合っているテンポで、つま先でリズム取ったり、ピアノを弾く指のような手つきでリズム取ったりしてるの、皆さん?

まさか「なんか、聞こえてます?」と尋ねることもできない。けど、もしかして、私の頭の中で鳴っているモノが、周辺の人にリズムを取らせているんだったりして・・と思った事が、実は1回や2回ではなく、3回以上あった気がするんですけど。

もう、十年くらい前だろうか。家の前まで帰ってきた時に、急に”弟のイメージ”がを頭の中に湧いて出て、家に入ったら「今日、来たのよ。じきに帰ったけど」と母に言われ、仰天した事がある。なんで? 何を感じて、どうして弟の来訪が分かったのだろう? 目には見えない”気配の粉”のようなモノが残っていたのだろうか?

私は、幸いにも、”霊”や”宇宙人”の類は、見たことがない。そっち系は見たくないのだが、何やら目に見えないもの”インヴィジーブル”の存在は、色々感知しているし、とても興味がある。

昨日は、西荻窪のミントンハウスへ”阿部寛トリオ”のライブを聴きにいったのだが、ゲストはクラリネットの清水万紀夫さん。左肩を上げ、かかとでリズムを取る姿は、太々しいと云えるくらいの堂々とした”ただ者ではない”風格だが、お辞儀はいたって昔気質な謙虚な礼儀正しさだ。そして、出てくる音は”清水万紀夫節”が渦を巻いてビヤ~ッと押し出されて、インヴィジーブルなモノが溢れていた。対抗する阿部寛Gtr.小林真人Bassコンビは、浸食されないように普段よりテンションを上げて、より強固な一枚岩となって、普段あまり使わないフレーズも飛び出して愉しんでいるようだった。阿部&小林コンビからも、いつもと少し違う”インヴィジーブル”が出てきて、相乗効果で、とても面白かった。このジャンルの音楽で、こんな、お客の為でない、ここまで面白い演奏が聴ける場所は、私が知る限り、ミントンハウスだけだ。

私の”インヴィジーブル研究”は、当然、自然と続く。