室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

感動の”太陽の里”

2007-09-16 17:54:02 | Weblog
埼玉県の蓮田”太陽の里”へコンサートをしに行きました。
毎年1月に大宮ソニックシティで”みぬま会”のコンサートで演奏している東京室内管弦楽団事務所による、チャリティ・コンサートです。去年もこのブログに書いたような気がするなあ。

今年はヒゲのフルート奏者、吉田雅信さんとのデュオでやりました。
玄関を入って左手の真四角な集会ホールに、”なかま”の皆さん、そのご父兄、この作業所のスタッフの皆さん、地元近隣の方々などで、百人位でしょうか・・? ”なかま”の皆さんは、演奏する私たちから1メートルも離れていないくらいの砂かぶり席で、純粋な瞳から”期待してます光線”を強く放たれ、刺さってきそうな位です。ご父兄もスタッフの皆さんも、とても楽しみにしていて下さったのが良く分かる、そんな会場です。

フルートの名曲をやりながら、楽器のお話などを挟み、進めて行きました。初めの頃は、ずっと「アー、アー」と言い続けている”なかま”がいるなと思ったりしていたのですが、結構長い、”ハンガリー田園幻想曲”をやっても、途中で飽きた空気は全く感じられず、私がショパンの”幻想即興曲”を弾いた時は、会場内の目に見えそうな位の、皆さんから放たれた”気”のようなモノに乗っかって弾いている感じがしました。更に、”アイルランドの風”というリズムが変拍子のアイルランドの民族調の曲では、何とかリズムに合わせて乗りたいという”なかま”の手拍子も聞こえ、私も吉田さんも、特別なスイッチが入った感じになりました。何なんでしょうねえ、これは?

「音楽をやってきて本当に良かった!」と感じさせて頂きました。なかなかこんな境地に至ることは出来ないものです。自分が真剣になって勉強して、一定の成果を得られたとしても、自分にとっての喜びでしかありません。喜びとは、常に個人的なものだけれど、自我を越えた至福の時を、この純粋な”なかま”の皆さんと共に持つ事が出来ました。だから、演奏する私たちの方が、感動してしまうのです。

写真は、花束の他に頂いたお土産で、”なかま”がこの作業所で作った商品です。みぬまの皆さん、本当にありがとうございました