室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

むらさき花だいこん

2008-10-04 17:16:44 | Weblog
もう先週のことだが、北区の西ヶ原地区の『9条の会』発足イベントにお呼ばれして、エレピ持参で行った。

シャンソンを歌われる女優さんの大橋芳枝さんの伴奏と、戦争と平和にまつわる朗読の即興BGMをお引き受けした。

大橋芳枝さんは、お仲間と戦争と平和をテーマにした朗読の公演で全国を廻る活動をしていらっしゃる方で、心に響く力強い声で、広島と長崎の被爆直後の生々しい情景の作品を読まれた。合間に反戦系のシャンソンをチャーミングな声で歌われた。

メインの出し物として、大門高子(おおかど)さんの絵本「むらさき花だいこん」の朗読があった。大門さんは、大橋さんのお宅の背中合わせに位置するお家にお住まいの、こども文化や表現活動の研究家で、作詞や脚本、こういった絵本の作家でもある。

朗読中に、ブラックライト・シアターという蛍光塗料で描かれた絵を場面に合わせて手で転換するイメージ表現も行われ、文字通り手作りのステージとなった。皆さんの、平和を願い、それを広めたいという強い思いが分かる。

私はたまたま「戦後は終わった」と言われた時代に生まれたけれど、もし戦前、戦中に生まれていれば、イヤでも戦争に巻き込まれずにはいられなかった筈だ。言いたい事も言えず、やりたい事もできず、自由は許されない、毎日知っている人が死んで行き、自分も死と隣り合わせの緊張の中という生活だ。

現在の平和は、戦争による多くの犠牲の上にある。つらい体験をされた方達の「過ちは繰り返さないで」という声を、戦争を知らない世代は、代々学んで、次の世代へ伝えて行かなければいけない。歴史に何も学ぶこと無く、ただムードに流されていたのでは、ただの愚か者でしょう?

世界中の人と知り合いになって、「あんたは良い人だ。日本人は平和主義だ。だからあんたの国とは戦わないよ」と言われる国でいる事の方を選ぶべきじゃない?

この日の客席を見ると60代、70代が中心で、小さいお孫さん連れのご一家がちらりほらり。学校教育、家庭教育の中で、戦争と平和の問題が話題としてあるべき形で充分には語られていないのは明らかだ。この集会がさざ波を広げて、世代を越える当たり前のうねりとならないかなー。