室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

ヤラト・ゴンタ・ツアー 其の5

2009-02-10 23:48:00 | Weblog
雨の中をCube号はひたすら丹波篠山を目指して北上。「これはギリギリになりそうです」とAkikoさん。

篠山の“みーつけた”は善男善女に囲まれた素敵なカフェレストラン。ジャズハーモニカの足立さんの地元でもあり、今回は二人でセッションをさせて頂くコーナーも用意してあったのに、打ち合わせ時間が無くなってしまいました。霙混じりの雨の中をいらして下さったお客様を外でお待たせする訳にもいかないので、皆さんとっくに着席していらして、かろうじてコード(和音進行)だけ確認して、別棟へ着替えに行きました。

お腹が空いてるのかどーなのか分からない、トイレに行きたいのかどーなのかも分からない。何だか良く分からない、混沌とした興奮の中、「やるんだー、ヤラト!」の自覚だけがシンプルにありました。

写真は、アーティストの加藤昌男さんが私たちのシルエットを基に作って下さった素敵な壁掛け。赤い布地に貼ってあるシルエットのポジション通りに偶然三人が並んだ…と、後で喜ばれました。

“みーつけた”はヤンネのファンの方々が集まりやすい会場ではありますが、それにしても暖かい雰囲気でした。客電を落として私たちにスポットが当てられ、加藤さんのタピスリー、外は霙で、皆で暖かく肩を寄せ合う幸せな感覚が満ちている…。そんな中をエルチョクロからスタートしました。

一曲ずつ、心から楽しみにしていて下さる方々に囲まれて、夢のような時間でした。

第2部初めはいよいよ足立さんとのセッションです。
地元篠山にお住まいで、登場と共に足立ワールドです。“冬の星座”どんな風になるのか、イメージがはっきり持てないでいましたが、何とか破綻する事なく終わりました。

“素敵なあなた”は、私が短くバースを弾いて水を差し向ける形でスタート。無言のうちに『私の方のJAZZはこんなんですけど…』と言いながらの演奏だったかなー。
3曲目“見上げてごらん”は、足立さんの伸びやかなカデンツァで始まりました。ようやく足立さんの魅力を引き出す場が出来たかなー、という感じでしたが、お客様の雰囲気に助けられました。

その後はまたタンゴに戻り、時間の関係で外した曲をヤンネが「やっぱりやろうよ」と言い出して、いつまでも演奏していたいような至福の気分のうちに終了しました。

終わってからがまだまだ大変。余韻に浸ってなかなか片づけも進みません。やっと衣装を着替えて戻って来ると馬頭琴天才少年の演奏が始まりました。この部分に関してはまた別便で書きたいと思います。

その後は、お待ちかねの打ち上げです。加藤さんのギャラリーになっているお玄関に歓声を上げ、地元名物のぼたん鍋と感動的に美味しいすき焼きに歓声を上げ、加藤さん達グループで作っていらっしゃるお酒に歓声を上げ、大興奮の打ち上げとなりました。

コンサートを企画、実施、お世話して下さったお顔馴染みの方々と12時過ぎまで食べ続け、1時までおしゃべりしました。そのまま私は加藤さん宅に泊めて頂きました。

朝、美術館の庭園を眺めたのと同じ一日とは思えない長い一日が終わりました。ベルカントタンゴが僅か2日前の事とは信じられませんでした。

翌朝、7時朝食8時出発と言っていたのに、不覚にも起きたら7時半。ずっとニコニコしていらっしゃる素敵な加藤さんの奥様の、大ベテランならではの心尽くしの朝食を頂いて、8時半にお暇しました。本当にお世話になりました。