室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

タンゴ歌手・リサイタル

2009-07-27 10:51:25 | Weblog
昨日は、タンゴ歌手の昌木悠子さんのリサイタルで、我がバンマスの《岡本昭とタンギッシモ》のセステートで演奏させて頂きました。

昌木悠子さんはパワフルにして、人生の切なさの表現力は天下一品。演歌とは全く違う“泣き”の表現は、性別を超えた昌木さん独自の“歌”です。

昔の歌声喫茶(実際には見たことがないのでイメージだけですが)、シャンソニエなどの雰囲気を残しつつ、色んな経験を全部、今日に活かしていらっしゃるんだろうなー、といつも拝察しています。その中で、タンゴに対するひたむきさ、純粋さに、気の良いお弟子さん達、ファンの方達が大勢付いて行って、スゴイなー、羨ましいなー、とご一緒する度に思います。

第2部の初めの特別ゲストコーナーの二胡奏者・程農化さんの演奏も良かったです。決して力む事なく、自然空間の中に心地良い音色を放つ感じに好感が持てました。もう20年も日本で活動していらっしゃるそうで、人を幸せにする何かをお持ちだと思いました。

さて、我が《岡本昭とタンギッシモ》、今回は3世代によるセステートでした。セステートとは、バンドネオン2人、バイオリン2人、ピアノ、コントラバスの6人編成のタンゴという意味です。

往年のトップバンド《オルケスタ・ティピカ・トウキョウ》のメンバーだった大ベテランの岡本昭さん(バンドネオン)、家野洋一さん(バイオリン)のお二人。50年を超える年輪には、どんな事をしてもかないませんが、節回し、1音ずつの音の出し入れ、アクセントの切れ味、後味などの表現技術を、お孫世代達にぜひ吸収して欲しいなーと、思います。

私は、タンゴやると、燃えるんですよね。普段、心の奥底に隠しているモノが露出できちゃう、という一種のストリップでしょうかねー。

コワイですねー。