室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

大阪帝国チャペル

2009-12-30 17:44:28 | Weblog
3時頃には帝国ホテルに到着したのですが、演奏会場のチャペルは、このイブの日に結婚式を挙げたいカップルが急に入った、ということで、「そりゃあ、ホテルには有り難いお申し出よね。仕方ないでしょうねー。」などと、一同、妙に納得して、《特別ミュージック・ルーム》なるお部屋へ行かされました。

大きなブラウン管のテレビやオーディオ・セットなどが置かれた、さほど広くはないけれど、VIP が来ても一応困らないお部屋のようでした。ピアノは程度の良いアップライトでしたが。

そこで、1曲合わせたかどうかくらいで、すぐにチャペルに移動。
「移動ばっかし・・」と文句を言うのも体力、気力の温存には不利に思われ、何も言わずに、全荷物をまとめてコロコロ荷物を転がします。

今年、1月に来てすでにお馴染みのチャペル。
確か、ここは寒かったような・・。そうでした。何処からともなく冷風がやって来るのです。

写真のとおり、正面に立派なオルガンがあり、高い天井は、中世ヨーロッパの物語に登場しそうな、十字軍の騎士や、その時代の女性像などステンドグラスに囲まれています。ピアノはハーフサイズのスタインウェイで、響きはリッチです。

お通夜の準備を済まされた畑さんも到着。プログラムを一通り確認する時間はたっぷりありましたが、どんどん冷えました。

アンコール用の“アディオス・パンパミーア”は、音域がハイテンションになるので取りやめ。アルティコス・トリオも思わぬ譜面の不整備があって曲目を変更。ヤンネが紹介披露したい、フィンランドのクリスマス・ソングを入れました。物悲しげな美しい旋律で、プログラムの良いアクセントになりました。

畑さんは、いつもの《底なしのパワー》とはいかず、控えめの雰囲気でしたが、お客様には全く悲しみを感じさせないで、頑張っていらっしゃいました。この後、まだまだ29日まで本番があるそうでした。

お客様は、「こんなに喜んで頂いて良いのか?」と思うほど、心の底から喜んで下さったようなお顔ばかりでした。ゲネプロに比べると、全くと言っていい程、残響が無くなり、気温も後半になって上がっていました。お客様をお見送りした後、プロデューサーから即、「来年も頼んますわー」

丹波篠山から、私も消しゴムはんこを創って頂いた、アーティストの加藤さんご夫妻も見えていて、嬉しい再会を果たしました。ヤンネのサポーターで私も度々お世話になっている高井さんもお元気なお姿を見せてくださり、皆さんとまたの再会を約束しました。とっても暖かい気持ちに包まれて、至福の時・パート2となりました。

吹田ロータリー・クリスマス会

2009-12-30 17:18:01 | Weblog
12月24日、いよいよ本番の日。

京都駅前のホテルに泊まっている私を、迎えに来てくれた明子マネージャーの車で、吹田に向かいました。
大阪府だとばかり思っていたら兵庫県ということで、今回も、京都、大阪、兵庫の3県に渡っての移動だったことが分かりました。去年来た、尼崎周辺も通って、懐かしんでいたら、10時半ころ、吹田市の商工会議所みたいなものが集まっている建物に到着。

6階の集会所が、ロータリークラブのクリスマス会場になっていて、早速セッティング。ピアノはクラビノーバでした。タンゴを演奏するのに、もちろん生ピアノに越した事はないけれど、有り物の範囲でやる事には慣れております。

前日、お父様が他界されたテノールの畑さんは、吹田にはおみえにならず、畑さん抜きで、中村さんのMCで、そしてタンゴについての説明などは私に振られるという程度の打ち合わせをして、着替えてさっさと会席弁当を頂きました。

本番中の写真が無いので、行った先々、どこも食事の写真がアリバイ証明のように登場してきてしまいますね。でも、なかなか美味しいお弁当でございましたよ。

チト分かりにくいですが、お刺身の小鉢にひょうたん型の氷が・・と、思ったら、ひょうたん型の容器に水が凍らせてあったのでした。でも、初めて見たので、新鮮な感動があってパチリ。

中村朋子さんの関西人のノリの頑張りで、ここでの本番を無事終えて、大阪帝国ホテルに向かったのでした。ピューッ。

先斗町・のん亭

2009-12-30 11:56:12 | Weblog
豪華な幼稚園でのリハーサルを10時過ぎまでやらせて頂いて解散。
昼間のバッハのコンサート後にお父様の訃報を耳にされ、それでもリハに参加されたテノールの畑さんは、ソプラノの中村さんの車でご実家のある丹波篠山へ。 じゅんこ嬢は、奈良葛城市の自宅へ直帰。

京都に残ったヤンネ、明子マネージャー、ワタクシの三人は、「うどん、うどん・・・」と騒ぐイクミさんのお腹を鎮める旅に出たのですが、10時半にもなると、暖簾を片付けているお店が多く、来年は間違いなく話題になる龍馬の妻、お龍さんがいた家との碑が立っているお店も入れず、先斗町(ぽんとちょう)に行きました。

「富士の高嶺に降る雪も、京都先斗町に降る雪も、雪に変わりはあるじゃなし、溶けて流れりゃみな同じ」

んー、まつのき小唄、じゃなくて、何だったか題名は忘れましたが、知ってますよ、この歌。これで覚えた有名な先斗町に、来られて、ワクワク、大はしゃぎ。もう、うどんじゃなくてもいいです。

「イクミ、ココ先斗町」ヤンネの後を付いて行くと、狭いけど清潔な路地。真ん中に長四角の黒っぽい石が斜めに嵌め込まれた通りをずっと踏みしめ、先斗町のれん会の提灯がそこかしこにぶら下げられて、落ち着いた風情の中にも、新しくよく整備された風通しの良さを感じる通りでした。

薄青緑ののれんをくぐり、赤い扉を開けると、奥へ通され、突き当たりのお座敷へ案内されました。その向こうは鴨川。そうです、有名な夏の風物、鴨川の川床でした。流石にクリスマス・イブの前日、天皇誕生日ですから、窓はガラスがはめられ、ストーブが炊かれていましたが、すだれはそのままなので、夏の川床のイメージがあります。

「やったー!」 そりゃあ、大喜び!

パーキングに車を停めてきた明子マネージャーも合流。

写真は、サバ大根のお鍋と、ブリのお刺身。白髪ネギを巻いて、タレにつけて頂くと、トロッと口の中でとろけました。他に、茄子をごま風味で炊いたもの等、いくつかおばんざいも頂きましたが、サバ大根鍋は、一生忘れない思い出の味となりました。

寒い季節に、夏を思い出しながら、ぬくぬくストーブを背中に、美味しいお鍋に舌鼓。ああ、一つの至福のかたち。

アルティコス・トリオ 暮れの陣

2009-12-30 00:23:09 | Weblog
今年の1月下旬に大阪帝国ホテルでチャペル・コンサートに、テノールの畑儀文さん、ソプラノの中村朋子さんと、アルティコス・トリオで出演して、思いのほかの評判を頂き、出演翌日に決まっていたクリスマス・コンサートの為に、私だけ東京から(ウソ、新横浜から)新幹線で関西へ。

24日イブのコンサートに合わせて、23日の夕方から、ヤンネのファンでもある京都の幼稚園でリハーサル。
去年の3月にもリハーサルと、本番もあってお邪魔した素敵な設備の整った幼稚園だけれど、写真は、去年は無かった新しいお部屋。“星の部屋”で、天井から星型の銀色のモビールが沢山吊るされてあって、壁にも星型が沢山埋め込まれた、おとぎ話に入り込んだような、素敵なお部屋。響きも温かく心地良いし、ピアノがヤマハのG3なのに、とても素晴らしく、S-400 かと思うほど。

こんな素晴らしい環境で育った子供たちは、どんな贅沢な大人になるんでしょう?

ヤンネ、じゅんこ嬢と、バンドネオン抜きのトリオ・バージョンのレパートリーを練習し始めていると、畑さんが中村さんと現れる。「今日、さっき父が亡くなったんですわ・・」

どーなる、あしたの本番!?

つづく・・。