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「ニッポンの、みせものやさん」2012年 監督:奥谷洋一郎
最後の見世物小屋一座と言われる、大寅興行社。日本全国、旅から旅に回っている。目的地に着けば荷物をトラックから下ろし、一座全員で仮設の小屋の設営にかかる。見世物小屋の名物とも言える看板がかかり、夜になると興行が始まる。小屋に明かりが灯り、客寄せの口上が場を盛り上げる。太夫と呼ばれる出演者たちの出番だ。怖いもの見たさのお客が小屋に吸い込まれていく。かつて日本中どこでも見世物小屋の風景が、いま消え去ろうとしている・・・。
朝っぱらから見世物小屋。モーニングショー、場内ほぼ満員。
花園神社での興行を1回見に行った事がある。ちょうど奥谷監督が大寅興行社と出合った頃だったかもしれない。
確かに因果物、かたわの出演の無い現代の見世物小屋は我々の知らない隆盛時とは別物のように思えたが、レトロな感覚やいかがわしい内容は充分に楽しめた。ただ、その後リピートはしていない。
六代目円生がよくやっていた見世物小屋の小噺で「頼朝公のしゃれこうべ」というのが好きなんだが、ああいうバカバカしさも「親の因果が子に報い、可哀想なのはこの子でござい・・・」中にあってこそとも思う。
しかし、このドキュメンタリー、なかなか良かったです。
テーマが見世物小屋というだけ客寄せにはなるだろうけど、もちろん、小屋の芸を紹介するだけでは映画にならない。密着取材をする若者と一座の交流、距離感が絶妙に面白い。
監督の朴訥なナレーションも聞いているうちに何故か心地よくなる。
「みせものやがみせものになりたくない」という心情からかマスメディアの取材にもなかなか応じない一座だが・・・
インタビューを受ける座長の姉、大野裕子さんの人柄を見事に浮かび上がらせる事に成功している・・・。
隆盛期の古いアルバムに残された宣材写真など資料的価値の物はもっともっと見たいと思ったが・・・。
かつてのライバル小政興行部、西村みよこさんの女ターザン口上は必見。
その兄である斎藤宗雄さん。今は見世物をやめてダーツなどの遊戯で出店している。撮影期間中、このおじさんは亡くなってしまうのだが、最後に撮った生前の映像を観ながら、明るい声で見世物小屋の確実な行く末を自分に言い聞かせるように言い放つ大野裕子さんが印象的。
この宗雄さんが、見世物を辞めざるをえなくなった理由というのも説得力あります。日本の文化としての見世物。
興行の様子は、来年の干支である蛇が良く出ますので、縁起物として新年に鑑賞するのもまた良しですよ。
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おまけ付きと言う事で久しぶりにパンフレットも購入。
これが見世物小屋らしく手作り感のあるマンガやインタビュー集、すごろくまで。保管に難儀するA3天綴じ装丁。
パンフレット本体が片観音の6ページのみなので、おまけが充実というよりも、一冊にまとめればよさそうな物を、あえて・・・なんでしょうね。
でもインタビューなど、内容は撮影スタッフの青春物語としても好感度高く満足。
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新宿 K'sシネマ
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最後の見世物小屋一座と言われる、大寅興行社。日本全国、旅から旅に回っている。目的地に着けば荷物をトラックから下ろし、一座全員で仮設の小屋の設営にかかる。見世物小屋の名物とも言える看板がかかり、夜になると興行が始まる。小屋に明かりが灯り、客寄せの口上が場を盛り上げる。太夫と呼ばれる出演者たちの出番だ。怖いもの見たさのお客が小屋に吸い込まれていく。かつて日本中どこでも見世物小屋の風景が、いま消え去ろうとしている・・・。
朝っぱらから見世物小屋。モーニングショー、場内ほぼ満員。
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花園神社での興行を1回見に行った事がある。ちょうど奥谷監督が大寅興行社と出合った頃だったかもしれない。
確かに因果物、かたわの出演の無い現代の見世物小屋は我々の知らない隆盛時とは別物のように思えたが、レトロな感覚やいかがわしい内容は充分に楽しめた。ただ、その後リピートはしていない。
六代目円生がよくやっていた見世物小屋の小噺で「頼朝公のしゃれこうべ」というのが好きなんだが、ああいうバカバカしさも「親の因果が子に報い、可哀想なのはこの子でござい・・・」中にあってこそとも思う。
しかし、このドキュメンタリー、なかなか良かったです。
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テーマが見世物小屋というだけ客寄せにはなるだろうけど、もちろん、小屋の芸を紹介するだけでは映画にならない。密着取材をする若者と一座の交流、距離感が絶妙に面白い。
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監督の朴訥なナレーションも聞いているうちに何故か心地よくなる。
「みせものやがみせものになりたくない」という心情からかマスメディアの取材にもなかなか応じない一座だが・・・
インタビューを受ける座長の姉、大野裕子さんの人柄を見事に浮かび上がらせる事に成功している・・・。
隆盛期の古いアルバムに残された宣材写真など資料的価値の物はもっともっと見たいと思ったが・・・。
かつてのライバル小政興行部、西村みよこさんの女ターザン口上は必見。
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その兄である斎藤宗雄さん。今は見世物をやめてダーツなどの遊戯で出店している。撮影期間中、このおじさんは亡くなってしまうのだが、最後に撮った生前の映像を観ながら、明るい声で見世物小屋の確実な行く末を自分に言い聞かせるように言い放つ大野裕子さんが印象的。
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この宗雄さんが、見世物を辞めざるをえなくなった理由というのも説得力あります。日本の文化としての見世物。
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興行の様子は、来年の干支である蛇が良く出ますので、縁起物として新年に鑑賞するのもまた良しですよ。
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おまけ付きと言う事で久しぶりにパンフレットも購入。
これが見世物小屋らしく手作り感のあるマンガやインタビュー集、すごろくまで。保管に難儀するA3天綴じ装丁。
パンフレット本体が片観音の6ページのみなので、おまけが充実というよりも、一冊にまとめればよさそうな物を、あえて・・・なんでしょうね。
でもインタビューなど、内容は撮影スタッフの青春物語としても好感度高く満足。
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新宿 K'sシネマ
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