JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ピリペンコさんの手作り潜水艦」

2009-11-22 | 映画(DVD)
山形国際ドキュメンタリー映画祭市民賞受賞

「ピリペンコさんの手作り潜水艦」2006年 ドイツ 監督:ヤン・ヒンリック・ドレーフス、レネー・ハルダー

「ウクライナの草原地帯で自作の潜水艦を作り上げた男に密着したドキュメンタリー。ウクライナの小さな村で年金生活を送る62歳のピリペンコの夢は、自力で作った潜水艦で黒海に潜ること。貯めた年金を切り崩しては古い部品を買い集め、30年に渡って独学で潜水艦を組み立てている。妻や村人たちに温かく見守られてきたピリペンコはついに潜水艦を完成させ、念願の黒海へと向かう。」

ピリペンコさんの手づくり潜水艦

定年になって引退していく方々の今後の予定を聞いてみると、皆さんそれぞれの考えがあって楽しそう。ピリペンコさんの余生に憧れる男子諸君は多いでしょうな。

この映画の魅力は少年の心のような夢を持ち続けるピリコンペさんとおもちゃみたいに可愛らしい潜水艦にあるのは当然だけれど、それを彩るウクライナの田舎の風景、習慣、家畜や動物たち、いかにもウクライナ色豊かな音楽によって醸し出される牧歌的な情景がたまらなく良いんです。
ガレージの潜水艦の脇で近所の人たちの祝宴。歌う人たち。
テーマ曲も良いし、サントラ欲しいな。

そしてピリペンコさんの夢を応援する村の人々・・・
中でも、趣味が嵩じた困り者の亭主を持ってしまった奥さんアーニャの表情がとても良いんですね。
迷惑千万の亭主に呆れ返って諦めてしまっているのか。
黒海に旅立つピリペンコさんを送り出すシーンが素敵です。

奥さんは潜水艦作りに対して基本的には決して理解しているわけではありませんから。なかなかこうは行きません。スローライフを楽しむコツはそこに行き着くまでに家族に愛情を注ぎ、自分の好きな事に没頭していても家族への感謝の気持ちを忘れず表さないといけないんです。だから、ピリペンコさんはカッコええんですね。

ピリペンコさんが旅立った後、留守番している奥さんが2人の若かりし頃の水着ツーショット写真を見つけてしみじみ眺めたり、ドキュメント映画として心憎い演出もあります。

いざ、黒海に潜る段はクライマックスだけれど、そこに行き付くまでのトラックでの旅の行程がロードムービーっぽく、ウクライナか黒海までの風景が美しい。

何故、潜水艦は緑色なのでしょう?
ピリペンコさんの一番好きな色だからに決まってますね。


次は紅海を潜るぜ!

ピリペンコさんの手づくり潜水艦

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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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 (とらねこ)
2009-12-17 17:37:17
imaponさんの感想、とっても素敵ですね。
ピリペンコさんは幸せな人ですよね!
ウクライナの牧歌的な風景に、あの緑の馬鹿馬鹿しい潜水艦が、なんともマッチしてて素敵でした。
潜水艦が壊れた時に、「ああクソっ!」と罵りながらも、陸に上がるとまたそれを一から修理しちゃうんですね。
ちょっとだけ、gsさんを思い出したりもしちゃいました。
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Unknown (imapon)
2009-12-19 07:08:01
とらねこ様●コメント感謝。
ピリペンコさんはスロー・ライフの達人ですね。
コメントにgsさんが出てきて
あの方は素晴らしい。ロー・ライフ(下衆の旧名)の達人。尾崎魔弓似の奥様が・・・
と、他所の家庭(ブログ)の噂話・・・・

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